バイクのタイヤを新品に交換した時には「皮むきが必要」と言われています。
ただ、
「皮むきって何?」と言う人も居れば、
「皮むきって聞いたことあるけど具体的にどうすれば良いの?」
と疑問に思っている人も居るでしょう。
そのため、ここでは
について詳しく解説しています。
そもそも「皮むき」って何?
バイクに乗る人であれば「タイヤの皮むき」という言葉を聞いたことがあると思います。
では、そもそも「皮むき」とは何でしょうか?
多くの人は、
のどちらかの意味で捉えているのではないでしょうか。
両方とも正解と言えば、正解です。ただ、皮むきについては色々な見解(意見)があるのも事実です。
ダンロップさんからの引用によると、
新品タイヤの表面には、製造工程で型抜きをしやすくするために離型剤などの薬品が塗られています。皮むきとはその薬品を落とす作業を指します。
引用:ダンロップ
離型剤と言う薬品がタイヤに付着しているため、(滑るから)薬品を落とすのが「皮むき」と言う事ですね。
ただ、ブリヂストンなどは「離型剤」を使っていないようです。では、ブリヂストンのタイヤなら皮むきは必要ないの?と思いますよね。
ブリヂストンさんの方では「皮むき」という表現は使用していませんが、タイヤの「ならし走行」について解説しています。
ならし走行とは?
引用:ブリヂストン
タイヤは、新品から急激に過酷な条件で使用すると異常発熱による損傷を起こしやすくなります。ならし走行を行うことで、タイヤの表皮がとれて本来のゴムのグリップが発揮されます。
薬剤は使ってなくても、本来のグリップ性能を発揮するには、タイヤの表皮を取ってくださいと言う事ですね。
結局、ダンロップさんも、ブリヂストンさんも言い回しは違えど、本質的な点は一緒です。
つまり、一般的に良く言われるタイヤの皮むきとは
「タイヤ本来のグリップ性能を発揮するために行う作業のこと」
と言うわけです。
その方法として、
というような事があげられると言う訳です。
タイヤの皮むきの具体的な方法
では、タイヤの皮むきの方法である
についてより具体的に解説していきましょう。
①タイヤを洗って表面の離型剤・油膜を落とす
前述のとおり、タイヤの表面には離型剤が付着しているタイヤがあります。
また、離型剤を使用していないタイヤでも、表面に油分が出ている場合もありますので、洗浄して落とすことは効果的です。
トレッド面(タイヤの接地面のこと)の中心は、走行する事で自然と皮むきができてしまいますが、端っこは驚くほど水を弾きます。
離型剤や油分が残っているためです。
また、濡らした後に指で触ってみると、さらに良く分かります。
センター部がゴムのしっとりした感触なのに対して、端の方はヌルっとした感触がすると思います。
そのため、トレッド面の端の方を中心に、
と言う手順で洗浄します。
洗う時は、たわしやブラシで思い切りガシガシ洗って大丈夫です。(その方が落ちます。)
トレッド面(接地面)の端の方、バイクをバンクさせた時に接地する部分をメインに洗浄します。
(タイヤのサイドウォール(側面)は洗わなくて大丈夫です。)
また、タイヤは薬品にはあまり強くありませんので、できれば水だけの洗浄が良いのですが、水だけだと落ちにくいのも事実です。
洗剤を使うなら中性洗剤(台所用などでOK)を薄めに希釈して使いましょう。
洗剤を使った時は、洗浄後にしっかり洗い流します。
離型剤や油分が落ちると、水を弾く感じや触った感触が明らかに変わります。
洗浄後は、タイヤの慣らしをする必要もありますが、いきなり慣らしをするよりは、洗浄して油膜を落としておくと安心です。
②ならし走行でタイヤの皮むきをする
新品のタイヤは表皮(表面)がツルツルしています。これは、離型剤や油分が付着していない場合でも一緒です。
そのため、バイクを走らせる事で、タイヤと路面の摩擦によりゴムの表皮を剥いていくと言うわけですね。
表皮が剥けてグリップするゴムが露出した部分は、明らかに触った感じが異なるのがわかると思います。
ベテランのライダーの場合でも、新品タイヤでの走行は気を使います。
直線走行ならまだしも、カーブ路でバイクを傾ける時にはとりわけ注意する必要があります。
初めはゆっくり浅めに、タイヤのグリップを確認しながらバンク角を徐々に深くしていくようにしましょう。
いきなりタイヤの端まで使おうとすると、転倒リスクが一気に高まりますので徐々に行います。
また、
ことも重要です。
ある程度の距離を走り、タイヤの表皮が摩耗して一皮むけたようになればOKです。
いきなり「ならし走行」をして皮向きをする人も居ますが、心配な人は先に洗浄しておくとだいぶ違います。
タイヤの慣らし走行のもうひとつの効果
ならし走行のメリット
引用:ブリヂストン
ゆるやかな寸度の成長及びリムとのなじみによって故障耐久性が向上します。
タイヤの表皮がとれて本来のゴムのグリップが発揮されます。
タイヤ交換前後の性能差に馴れていただくことで、安全走行が確保できます。
タイヤの慣らしは、「皮むき」をする意味もありますが、そのほかにも目的があります。
少し難しい話になりますが、新品タイヤに初めて空気を入れて走行をすると、ゴムだけでなくカーカスと呼ばれる「芯」などタイヤ全体が膨張します。
これを「寸度成長(寸法成長)」といいます。寸度成長が落ち着くまでは、過酷な使い方をするとタイヤの損傷にもつながると言うわけですね。
そのため、新品タイヤは、徐々にタイヤを慣らしながらゆっくり走ると言うわけです。
また、新品タイヤを装着した直後は、ホイールへの均一な密着ができていません。
慣らしをすることで均一にタイヤとリムの密着ができ、偏摩耗等の予防に繋がるという効果もあります。
つまり、新品タイヤは慣らし走行をすることで
ができると言う事です。
皮むきや慣らしの距離はどれくらい?
新品タイヤの場合には、皮むきや慣らしが重要ですが、どれくらいの距離を行えば良いのでしょうか。
皮むきの場合には、実際にタイヤを確認しながら、ツルツルだった表皮が剥けていれば大丈夫です。
また、タイヤの慣らしはバイクの場合「50km~100km」くらいと言われています。
これくらい走るまでは、急発進や急停車、高速での走行は避けて、ゆっくり慣らすことをおすすめします。
タイヤの慣らしが終わったら空気圧を確認
また、タイヤの慣らしを終えると、空気圧が減っている事が多いです。
空気が漏れたわけではなく、きちんとタイヤが寸度成長(膨張)して、馴染んできた証拠です。
とはいえ、そのまま低い空気圧で走行するのは良くありません。
そのため、タイヤの慣らしを終えたら、空気圧の点検と適正な空気圧にしておきましょう
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まとめ:新品タイヤは皮むきと慣らしをしよう!
タイヤの皮むきや慣らしは、バイクだけでなく車でも同様です。
ただ、バイクの場合には、グリップしない、滑るという事は転倒に直結します。
そのため、より慎重に行う必要があります。
新品タイヤの時には、嬉しくてガンガン走りたいところですが、グッと堪えて慎重な運転をしましょう。