バイクを購入する時に、ローンを組んで購入したという方も沢山いらっしゃるかと思います。
そのような場合で、ローンの返済中にも関わらずバイクを売却したくなった時にはどうしたら良いのでしょうか?
また、そもそも手放すことができるのでしょうか?
結論から言うと、ローン返済中で残債があるバイクでも売却は可能です。
ここでは、ローン残債のあるバイクを売却する方法や事前に確認すべきポイントを詳しくを解説しています。
まずはバイクの名義(所有者)を確認しよう
ローン返済中のバイクを売却する際に、一番重要なポイントがバイクの所有者が誰なのかという点です。
ローンを組む時にはあまり気にしていないかもしれませんが、実はバイクの所有者(所有権)が自分になっていないケースが多々あります。バイクの所有者はバイク販売店や信販会社(クレジット会社)になり、使用者は購入者というようになる場合が多いです。これを所有権留保と言います。
所有権留保とは、売買契約において売主が代金の完済など一定の時期まで売買される物の所有権を留保することです。
これは、ローンが完済されなかった時や、ローン返済中に第三者に売却されてしまうリスクを考慮した上での対応になります。
ただ、ローンを組んだからと言って、必ず所有権留保されて所有権が自分にないと言う訳ではありません。
ローンで購入した場合でも、所有者が自分になっているケースもありますので、まずはバイクの名義(所有者)を確認しましょう。
バイクの名義(所有者)の確認の仕方
バイクの所有者は書類で確認しますが、排気量によって名義を確認できる書類が異なります。名義の確認書類は以下の通りです。
◆125㏄以下の原付バイク・・・標識交付証明書
ナンバーを交付してもらった時に市区町村役所で交付された書類です。バイクショップでバイクを購入した場合には、バイクショップから受け取っています。
◆125cc超え250cc以下の軽二輪バイク・・・軽自動車届出済証
こちらもバイク購入時に受け取っている書類です。使用者、所有者や車体番号や型式が記載されています。
◆250cc超えの小型二輪バイク・・・自動車検査証(車検証)
250㏄超えのバイクは車検を受けることが義務になりますが、その車検証に所有者の記載があります。
軽自動車届出済証と車検証には「使用者」「所有者」それぞれの記載箇所があります。この「所有者」が誰の名前になっているかがポイントです。
所有者がバイク販売店や信販会社(クレジット会社)になっていると、バイクの所有権は自分にはありませんので、そのままでは売却することはできません。
原付バイクの場合は、ローンで購入しても所有者を販売店や信販会社(クレジット会社)にするケースは少ないのが実情です。しかしながら軽二輪や小型二輪など、250cc以上のバイクの場合は所有者が自分になっていないケースも多いので、確認が必要です。
所有者(所有権)が自分名義になっている場合の売却方法
書類を確認して所有者が自分になっていれば、ローンの残債があって返済中でも全く問題なく売却が可能です。少しでも高く買取してくれるところを探してみてください。
ただ、注意が必要なのはローンの残債は残るという点です。バイクは無いけど毎月の支払いは残るという、虚しい状況になります。
もちろん、売却して手に入れたお金の使い道は自由です。ローン返済に充てても、飲み代やレジャーに使っても問題ありません。
所有者(所有権)が信販会社や販売店名義の場合の売却方法
書類を確認して、所有者名義が自分ではなかった場合が少し厄介です。ローンを完済して所有者の名義を自分に変えてからでないと、基本的には売却ができません。
しかしながら、それでも売却する方法がありますので、詳しく解説しましょう。
まず、自分で一括返済できる方は、残債をなくして所有名義を変更(所有権解除)すればローン残債のないバイクと同じように売却ができます。
とは言っても、一括返済する現金が用意できなかったり、毎月の返済で完済するまで待てない場合は、次の2つの方法で売却が可能です。
①所有者が購入した販売店名義なら、購入販売店に持ち込む
バイクを買った販売店が所有者の場合、その販売店が所有権を持っていますので、手っ取り早いです。ローンが残っているけど売却をしたい旨を伝え、査定をしてもらいましょう。
②買取専門店に依頼する
買取専門店の場合は、所有者がバイク販売店でも信販会社(クレジット会社)でも売却が可能です。手間のかかる手続きなども代行してくれます。
ただ、残債額とバイクの査定額によっていくつかのパターンがありますので注意が必要です。
ローン残債額よりバイクの査定額のほうが多い場合
残債<査定額
例えば、ローンの残債が30万円あったとして、バイクの査定額が35万円だったとします。この場合は、残債を引いた5万円が買取専門店より支払われます。
残債の30万円の完済処理も買取専門店が無料で行ってくれることがほとんどですので、手間いらずで売却が可能です。
注意点としては、念のため完済処理を行ってくれるのかの確認はしっかり取りましょう。大手の有名買取店なら問題はないかと思いますが、中には手続き代行をしてくれなかったり有料(手数料)だったりする買取店もありますので必ず流れを確認するようにしましょう。
ローン残債額よりバイクの査定額のほうが少ない場合
残債>査定額
例えば、ローンの残債が30万円あったとして、バイクの査定額が25万円だったとします。この場合は、逆に買取店に5万円を支払うことでローンの残債をなくすことができます。
その5万円を用意するのが厳しい、もしくはローン残債をなくすのはあとで良い!という方も居るかと思います。
そのような時は、買取専門店が提携している信販会社でローンの組換えをすることで売却が可能になります。いったん残っている残債を買取店が立て替えて完済し、おなじ金額でローンを組み直すというわけです。なんだかややこしい気がしますが、手続きはすべて買取専門店がやってくれるので、特に面倒なことはありません。
ただ、注意してほしいのが新しく組み替えるローンの条件です。なにも確認せずにローンの組換えをするのはおすすめしません。ローンを組む会社が変わりますので、金利や返済期間なども確認をしたうえで組換えをすることをお勧めします。
ローン返済後の所有権解除は早めにやるべき
自分のバイクの所有者がバイク販売店や信販会社である時(所有権留保)に、ローンを完済したら所有者の名義を変える必要があります。このローン完済後に、所有者名義を自分に変更することを「所有権解除」と言います。
中にはローン完済後も所有権留保のまま乗っている人も結構いるようです。しかしながら、ローン完済後は直ぐに所有権解除をすることをおすすめします。
仮に、すぐにバイクを手放す予定はなかったとしても、いずれ売却や廃車をする際には自分の名義になっていないと手続きができないのです。
購入から何年も経って、いざ所有権を解除しようと思った時には、所有者名義であった販売店が無くなっていた。そのため売却も廃車もできないという話は、実は少なくないのです。
(さすがに信販会社では聞いたことがありませんが)
もちろん、所有権解除はローンを完済しないとできないのですが、所有権留保の状態でローンを完済できた時は、なるべく早く所有権解除をするようにしましょう。
まとめ:ローン返済中でも売却は可能
ローン残債があるバイクでも売却は可能なこと、売却の仕方を解説しました。
バイクを買った販売店に行けるのであれば、まずは購入店に行って相談してみるのがおすすめです。バイク販売店としては、自分のお店が売ったバイクが知らないうちに、また売却されてしまうのって結構寂しいものだったりします。
また、自店で販売したバイクの場合は、高めの査定をしてくれる場合もあります(もちろん、そうでない場合もあります。)
可能であれば、買取専門店の査定と購入販売店の査定と比べてみるのが一番良いかもしれません。
また、買取専門店の場合には、残債の組み換えや完済処理など面倒な手続きをまとめて行ってくれますので、ローン中のバイクでも手間なく売却が可能です。また、専門店のため、ローン中のバイクの買取も多数の実績がありますので安心です。
ただ、売却を依頼する場合は、ローンの完済処理の流れや、組み換えの際の金利などの確認は忘れないようにしましょう。