バイクのスプロケットは、エンジンの動力をリアタイヤに伝えるための重要なパーツです。
このスプロケットは歯車状の部品ですが、この、歯数(丁数)を変更することで、バイクの乗り味を変える事ができます。
ここでは、バイクのスプロケットについて
などについて解説しています。
そもそもスプロケットの丁数(歯数)とは?
チェーンドライブのバイクの場合には、エンジンの動力をスプロケットとチェーンでリアタイヤに伝えています。
このスプロケットは歯車状のパーツですが、この歯の数を「丁数」と呼びます。
また、英語の「T」で表記されることもあります。(※T=「Teeth」のこと)
純正ノーマルのバイクだと、車種によっても違いますが
くらいのスプロケットが付いています。
丁数は多い方が良い、少ない方が良いと言うわけではなく、フロントとリア丁数のバランスでそのバイクの特性が出ると言う事ですね。
スプロケの丁数を変更する効果とは?
前述の通り、スプロケットは交換するときに、歯の数(丁数)を変える事ができます。
では、スプロケットの丁数を変えると、どのような効果があるのでしょう。
専門用語では「二次減速比」と言うのですが、「リアプロケットの歯数÷フロントスプロケット歯数」で算出される減速比が変わることによって、バイクの走行特性が変わると言う事です。
基本的には
◆エンジン側のフロントスプロケット(ドライブスプロケット)の丁数を
◆タイヤ側のリアスプロケット(ドリブンスプロケット)の丁数を
と言うような特性に振れると言う事になります。
丁数の関係をまとめると、以下のようになります。
フロントスプロケット (ドライブスプロケット) | リアスプロケット (ドリブンスプロケット) | |
丁数を増やす | 高速が伸びる 加速は悪くなる | 加速力が良くなる 高速は伸びない |
丁数を減らす | 加速力が良くなる 高速は伸びない | 高速が伸びる 加速は悪くなる |
スプロケットの減速比の計算方法
前項で少し触れましたが、スプロケットの減速比は
「リアプロケットの歯数÷フロントスプロケット歯数」
で算出ができます。
例えば、フロントのスプロケが15丁、リアが30丁だったとすると、「30÷15=2」となります。
これは、フロントスプロケットが2回まわると、リアのスプロケが1回まわると言う事ですね。
具体的な例を見てみましょう。
フロント丁数 | リア丁数 | 減速比 | 乗り味 |
14 | 40 | 2.857 | 加速重視 |
15 | 39 | 2.600 | 高速重視 |
15 | 40 | 2.667 | ノーマル |
15 | 41 | 2.733 | 加速重視 |
16 | 40 | 2.500 | 高速重視 |
純正ノーマルのスプロケットがフロント15T、リア40Tであったとすると、減速比は2.667ですね。
フロント、リアのスプロケの丁数をそれぞれひとつ上げる(下げる)と、減速比も変わります。
純正の減速比を基準として、
へ振れるということです。
丁数を変えるならフロントスプロケットからがおすすめ
スプロケットの丁数を変える時には
という3つの選択肢があります。
ただ、始めの丁数変更の場合には、フロントから変更をすることをおすすめします。
その理由としては、
と言うような事があげられます。
そのため、初めてスプロケットの丁数をかえる時には、フロントから変えてみると良いでしょう。
スプロケの丁数(歯数)を変更するときの注意点
スプロケットの丁数(歯数)を変える時に、注意してほしいのは「チェーンの長さ」。
丁数が1~2丁くらいの変更ならば、スイングアームのところに付いているアジャスターで調整ができるでしょう。
ただ、あまりにも大きく丁数を変えると
という事もあり得ます。
そうなると、チェーンの交換やチェーンのカット(リンクを詰める)という作業が発生します。
また、極端に大きいスプロケットを装着すると、チェーンが車体に干渉する可能性もあります。
そのため、ノーマルからスプロケットのサイズや丁数を換える時には、まずショップに確認してみることをおすすめします。
まとめ
スプロケット自体は、それほど頻繁に交換するパーツでは無いと思います。
ただ、摩耗して交換する時には、思い切って丁数を変えてみるのもひとつの選択肢でしょう。
もちろん、交換時期になっていなくても、カスタムの一環で丁数を変えるのも楽しいです