バイクの運転でもっとも大事な部品と言っても過言ではないのがブレーキ。
このブレーキをしっかりと機能させる役割を持っているのがブレーキフルードです。(ブレーキオイルやブレーキ液なんて呼ばれることもあります。)
ブレーキフルードは時間の経過と共に水分が増えたり、劣化をしていきます。
フルードの劣化は、放置しておくとブレーキの効きが悪くなったりするため非常に危険。
そのため、それほど頻繁な交換は必要ないのですが、定期的な交換は必要と言うことですね。
ここでは
などについて解説しています。
バイクのブレーキフルードの交換時期
バイクのブレーキフルード(ブレーキオイル)は、一般的に
交換が必要とされています。
そのため、車検のあるバイクであれば、車検のタイミングごとに交換しておけば問題ないかと思います。
一方、250cc以下のバイクの場合は車検が無いので、ブレーキフルードの交換は疎かになりがち。
ただ、ブレーキフルードの劣化は事故にも直結しますので、忘れずに交換をするようにしましょう。
ブレーキフルードの色で判断する事もできる
ブレーキフルードは劣化してくると変色してきます。
そのため、時間や走行距離が進むと色が変わってくるのです。
頻繁にバイクに乗る場合は、2年経つ前に交換タイミングが来るケースもあるので、フルードの色も定期的にチェックしておくと良いでしょう。
新しいブレーキフルードは、少し黄色っぽい透明色です。
ただ、これが劣化してくると
と言うように変色します。
そのため、2年経過していなくてもフルードの色が茶色っぽくなっていれば、交換の時期と判断することができます。
もし黒に近いような茶色であれば、かなり劣化が進んでいるので、早急に交換をするようにしましょう。
ブレーキフルードが劣化した時の症状
では、ブレーキフルードが劣化してくると、どのような症状が出てくるのでしょうか。
具体的には
と言うことがあげられます。
ブレーキフルードの劣化は徐々に進んで行きます。
そのため、レバーのタッチの変化には気づきにくいと言えます。
とは言え、以前よりもブレーキの「遊び」が多くなった感覚が出てきます。これはフルードの交換後に実感すると思います。
劣化したブレーキフルードを変えた後には、明らかにブレーキレバーのタッチ(感触)が変わると思います。
また、わかりやすいのはブレーキを掛けた時の制動距離。
なんだかブレーキの効きが悪くなったな・・・と感じた時には、フルードの劣化が原因と言うケースも多いです。
ただ、もちろんパッドの減りなどが原因のケースもあるので、一通りチェックするようにしましょう。
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フルード劣化で起こりやすいベーパーロック現象とは?
べーパーロック(vapor lock)現象とは、液体の過熱によって気泡が発生し、液体の流動や圧力の伝達がうまくいかなくなる現象のこと。
意外と知らない人も多いのですが、ブレーキを掛けると摩擦でパッドやキャリパーが物凄い高温になります。
この熱がブレーキフルードに伝わる事で、フルードも高温になってしまうのです。
そのため、通常のブレーキフルードの沸点は200℃以上になっていると言うわけです。
ところが、ブレーキフルードの中に沸点が100℃の水が増えてしまうと、沸騰して気泡がたくさんできてしまう事があります。
気泡ができてしまうと、いくらブレーキを掛けても気泡を圧縮するだけで、ブレーキが効かないと言うことですね。
これがべーパーロック現象です。
ブレーキフルードは主成分がエチレングリコールでできており、空気中の水分を吸収する性質を持っています。
(※一部、主成分がシリコン系のフルードもあります。)
つまり、時間の経過と共に水分が増えてしまい、沸騰しやすくなってしまうので、2年に1度は交換しましょうと言うことですね。
ブレーキフルードの交換費用(工賃)
では、ブレーキフルードの交換はいくらくらいの費用が掛かるのでしょう。
バイクショップにブレーキフルード交換を依頼すると
の工賃が相場でしょう。
どちらも、複雑なバイクでなければ30分ほどで終わるでしょう。
フロントでダブルディスクの場合や、フルード交換でマフラーやカウルの脱着が必要な車種は少し高くなると思います。
ブレーキフルードの交換は自分でできる?
ブレーキフルードの交換は自分で行うことも可能です。
ただ、聞いた事があるかも知れませんが、ブレーキフルード交換には「エア抜き」という作業が必要になります。
これは、ブレーキフルードの中に入った空気を抜く作業。
空気が入ったままだと、前述のべーパーロック現象の原因になり、ブレーキが効かなくなる恐れがあると言うことですね。
ブレーキ周りは、事故や転倒に直結する整備です。
そのため、自信がない場合には無理せずショップに任せるのも良いと思います。
もちろん、自分で整備することを否定するわけではありませんので、挑戦した場合には、安全な場所で試運転や確認をしっかりと行いましょう。