バイクのエンジンが掛からない場合の原因のひとつに、「ヒューズ切れ」があります。
また、最近はUSB電源などをバイクに取り付けたいと言う場合に、ヒューズから電源を引っ張ってくると言うケースもあります。
普段はあまり触れる事のない部品ですが、ヒューズはバイクにとって電気系を守る大事な部品でもあります。
そのため、ここでは
などを詳しく解説しています。
ヒューズの役割とは
ヒューズは、過電流によって電装系が危険な状態になることを防ぐ役割を持っています。
例えば、家庭でも一度に多くの電化製品を使うと、ブレーカーが落ちることがあると思います。
基本的にはこれと同じで、バイクの電装系に異常な過電流が流れたときには、ライトやウインカー、メーターなどの電装系が危険な状態になることがあります。
バイクの場合だと、ブレーカーが落ちる代わりにヒューズが切れて、電装系に悪影響が及ばないようになっていると言う事です。
ヒューズは体を張って、過電流からバイクを守っていると言うことですね。
ただ、ヒューズは一度切れたら元に戻らないので、交換をしなくてはなりません。
バイクのヒューズはどこにある?
ヒューズは普通にバイクに乗っていれば、それほど頻繁に切れるわけではありません。
そのため、いざヒューズ交換となると、どこにあるのか場所がわからないと言うケースも多いでしょう。
もちろん、車種によって変わりますが、系統別ヒューズボックスはシート下かサイドカバーの中に収納されていることがほとんどです。
シートやサイドカバーを外すと黒いボックスがあり、開けると中にヒューズが格納されています。「FUSE」と書いてある場合もあるので、比較的見つけやすいと思います。
一方で、メインヒューズはわかりにくい事が多いのですが、バッテリーのそばにある事が一般的です。
バッテリーのプラス端子を辿っていくとプラスチックのケースやカプラーがあり、その中にメインヒューズが入っている事が多いです。
もし分からなければ、メンテナンスマニュアルや取扱説明書に記載されているのでチェックしてみましょう。
系統別ヒューズボックスって何?
車種によって異なりますので、一概には言えないのですが、メインヒューズとは別に各装置にヒューズが設けられているバイクも多いです。
例えば
それぞれにヒューズがあると言う事です。これらのヒューズがまとめて収納されている箱を系統別ヒューズボックスと呼んでいると言うわけですね。
だいたいボックスの蓋の裏に、どのヒューズがどこの部品を管理しているか記載があります。
また、ヒューズが飛んだ(切れた)時の交換用スペアヒューズも一緒に入っている事が一般的です。
ヒューズが無いバイクもある?
基本的には、バッテリーがあるバイクには必ずヒューズがあります。
ただ、
と言う事はあります。
とは言っても、ヒューズがないバイクと言うのはかなり少ないと言えるでしょう。
ヒューズが切れる原因とは?
ヒューズが切れる原因としては、何かしらの不具合で電気系がショートしたり、過剰な電気が流れる事です。
具体的には
と言うような事が原因で、ヒューズが切れてしまいます。
ただ、最も多いのは配線のショートでしょう。
配線の被覆が劣化などで破れてしまい、振動やアースへの接触でショートしてしまうと言うケースです。
特に、ハンドル周りやサス周りなど、良く動く場所の配線は、干渉によって被覆が破れやすいと言う事もあります。
ただ、このヒューズ切れの原因を突き止めるのは意外と大変な作業です。
ヒューズが切れて交換をしても、またすぐに切れてしまう時には、根本の原因を突き止めて修理する必要があると言う事ですね。
ヒューズが切れた時の交換方法
電装系の部品が動かない時や、エンジンが掛からない時には、ヒューズ切れの疑いがありますが、切れていたら交換が必要になります。
ヒューズの交換自体は、それほど難しい作業ではありません。
と言う手順です。
ヒューズボックスの蓋には、どのヒューズがどの部品を管理しているか記載されていますので、怪しい所からチェックしましょう。
ヒューズは押し込んで差さっているだけなので、引き抜いて確認します。
手で抜けなければ、ヒューズクリップやラジオペンチで挟めば簡単に抜くことができます。
良く使われているのが平型ヒューズと言うもので、通常は金属の線が繋がっているのが目視で確認できます。
ヒューズが飛んでしまうと、この線が断裂すると言う仕組みですね。
ヒューズの種類
ヒューズはバイクショップでも売っていますが、ホームセンターやオートバックスなどの車用品店でも売っています。
比較的どこでも入手が可能ですが、購入する時にはヒューズの種類やサイズを確認しておきましょう。
平型ヒューズを使用しているバイクが多いですが、最近は小さいサイズのミニ平型を使用しているケースもあります。
また、古いバイクであれば円柱型のガラス管ヒューズの場合もあります。
購入前に現在使用しているヒューズの種類を確認しておきましょう。
ヒューズのアンペア
また、ヒューズにはアンペアの種類もあります。だいたい
辺りが中心ですが、バイクによって違います。
交換するときは必ずアンペアを合わせるようにしましょう。ちなみに、各アンペアは規格でそれぞれ色が決まっています。
メインヒューズが30Aでもアクセサリー系は10Aだったり、1台のバイクでも複数のアンペアのヒューズを使っている事が多いです。
それほど高価なものではないので、いくつかの種類を予備ヒューズとして持っておくと良いかもしれません。
ショップにヒューズ交換を依頼した時の費用
ヒューズ交換自体は、それほど難しい作業ではありません。
ヒューズ(部品)自体も100円程度ですし、ショップにお願いした時の工賃は2~3,000円程度です。
ただ、ヒューズが切れる時の「原因を突き止める作業」は非常に大変な作業です。
たとえば、ヒューズが切れて交換した後に、何も問題がなければ良いでしょう。
ただ、ヒューズが切れると言う事は、どっかでショートしたり過電流が流れていると言う可能性が高いです。
その原因を修理しないと、またヒューズが切れてしまいます。
場合によっては、原因を付き止めるためにバイクの配線を片っ端からチェックしなくてはならない事もあります。
そうなると、数日間は掛かってしまう可能性もありますし、それなりの時間工賃も発生します。(もちろん、すぐに直る場合もあります)
そのため、単純なヒューズ交換ではなく、原因の追究と修理を依頼したい場合には、事前にショップと相談の上で依頼するようにしましょう。
ヒューズからの電源の取り方
最近はバイクにUSB電源やドライブレコーダーを後付けするようなケースも出てきています。
このような時には、どこからか電気を引っ張ってくる必要があります。
選択肢としては、
と言う様な方法があります。
それぞれ、メリット・デメリットがあるのですが(ここでは詳しくは割愛します)、手軽な方法であるため、ヒューズボックスから引っ張ってくると言う人も増えています。
具体的には、既存のヒューズを「平型ヒューズ電源」と言うものに変えてしまえば、簡単に電源が取れてしまいます。
ただ、注意点としては
と言う事があげられます。
特に難しい事は無いのですが、下記の動画で非常にわかりやすく解説しているので、参考にしてみると良いでしょう。
また、ヒューズから電源を取る場合、むしろ難しいのは配線の取り回しのほうです。
配線がゴチャゴチャと乱れていると、見た目にもカッコ良くないですし、どこかに干渉したりすると断裂の恐れもあります。
すっきりと安全な取り回しをしたい場合には、バイク屋さんに依頼するのも良いと思います。
まとめ
ヒューズが切れた場合には、交換後に再び切れる事がないか注意しておく必要があります。
もちろん、ヒューズ自体の劣化で交換するだけで問題ないと言うケースもあるのですが、他の原因(どこかの配線のショートなど)があるケースがほとんどです。
立て続けにヒューズが切れる時には、根本の原因を修理しないといけませんので、原因がわからない場合にはショップに相談することをおススメします。