バイクはもともと燃費の良い乗り物です。
特に原付や小排気量のバイクは、燃費が良いとされているハイブリットカーも相手にならないほどの低燃費。
通勤や通学にバイクを使う人にとっては、非常にメリットがあります。
また、大型バイクに乗る人や、ツーリングで長距離を走る人の場合は、バイクの燃費が気になると言う人も多いのではないでしょうか。
ロングツーリングに行く時は、ガソリン代も馬鹿になりませんからね。
そのため、ここでは
などについてまとめています。
そもそも燃費とは?

バイクの燃費ランキングの前に、燃費の基礎と「WMTCモード値」について触れておきましょう。
そもそも、燃費とは「リットルの燃料で走ることのできるキロ数」のこと。
つまり、燃費が20km/Lであれば1Lのガソリンで20km走れると言う事になります。
また、この燃費については個々のバイクの使い方(運転の仕方)によって差が出てきます。
エンジンをガンガン高回転まで回したり、急発進&急停止を頻繁に行う人と、一定の速度で穏やかな発進&停車をする人では燃費に差が出ると言うわけですね。
燃費のカタログ値「定地燃費値」と「WMTCモード」
人によって差が出るとは言っても、バイクの基本的な燃費がどれくらいかは知りたいものです。
そのため、メーカーではバイクごとに「燃料消費率(燃費)」を公開してます。いわゆるカタログ値です。
ただ、注意が必要なのが、このカタログ値には
の2種類あると言うこと。
昔は定地燃費値しかなくて、これは「平坦な直線の舗装路を時速60km(50㏄以下は時速30m)で走行」して計測する方法。
ただ、実際にバイクに乗る時の燃費とは大きな差が出ていました。
そこで、2012年から導入されたのが、WMTCモード値です。
WMTCモード値の場合には、
して算出しています。
そのため、より実燃費に近い数値が出せるようになっていると言う事です。
カタログ値には定地燃費値とWMTCモード値が併記されていますので、実燃費に近いWMTCモードを参考にすると良いでしょう。
排気量別の低燃費バイクのランキング
低燃費(燃費の良い)バイクをランキング化するにあたっては、排気量別に調査しています。
やはり、50㏄とリッターバイクを同じ土俵で比べるのは無理があるからです。
ただ、バイクの種類(スポーツやアメリカン、オフロードなど)は特に区分していません。
あくまでも「燃費」での比較です。
また、以下の点にもご留意ください。
50㏄(原付1種)クラスの燃費ランキング

日常の足にも便利な50㏄クラスは通勤や通学に使う人も多く、燃費が気になる人も多いでしょう。
ランキングトップは、やはりスーパーカブ。
69.4km/Lという驚異の数値を出しています。ちなみに、定値燃費だと105.0km/L(時速30km)という数字です。
※クロスカブも同燃費の69.4km/Lなのですが、定値燃費が94.0km/Lだったのでスーパーカブをトップにしています。
仮に実燃費がカタログ値の7割だとしても、1Lで50kmくらい走れてしまうのは、本当に素晴らしいですね。
ただ、その他のスクーターもかなりの低燃費です。昨今は、50㏄クラスの販売数は落ち込んでいますが、燃費だけで考えれば50㏄は最強の乗り物と言えるでしょう。
メーカー | 車種 | 排気量 | 燃費(WMTCモード値) |
ホンダ | スーパーカブ | 50 | 69.4km/L |
ホンダ | クロスカブ | 50 | 69.4km/L |
ホンダ | タクト | 50 | 58.4km/L |
ヤマハ | ビーノ | 50 | 58.4km/L |
ヤマハ | JOG | 50 | 58.4km/L |
スズキ | レッツ | 50 | 53.4km/L |
スズキ | アドレスV50 | 50 | 53.4 km/L |
ヤマハ | ギア | 50 | 52.2km/L |
ホンダ | ベンリィ | 50 | 50.7km/L |
125㏄(原付2種)クラスの燃費ランキング

125㏄になると、スクーターやミニバイクなど、色々な種類が選べるようになります。
燃費にも各車差が出てきますが、トップはホンダのモンキーとGROM。
スーパーカブ110をわずかに抑えて、同時にトップです。
ちなみに、モンキー125は、GROMのエンジンをベースにして開発されていますが、全く同じエンジンではありません。
また、ホンダのCB125Rや、スズキのGSX-R125など、ミッションバイクでも125㏄ならかなり燃費が良いですね。
メーカー | 車種 | 排気量 | 燃費(WMTCモード値) |
ホンダ | モンキー125/GROM | 125 | 67.1km/L |
ホンダ | スーパーカブ110 | 110 | 67.0km/L |
ヤマハ | アクシスZ | 125 | 54.6km/L |
カワサキ | Z125 | 125 | 54.2km/L |
スズキ | アドレス125 | 125 | 51.0km/L |
ホンダ | PCX125 | 125 | 50.7km/L |
スズキ | スウィッシュ | 125 | 50.1km/L |
スズキ | アドレス110 | 110 | 48.9km/L |
ホンダ | CB125R | 125 | 47.2km/L |
スズキ | GSX-R125 | 125 | 44.7km/L |
ヤマハ | NMAX | 125 | 43.6km/L |
ヤマハ | トリシティ125 | 125 | 43.6km/L |
ヤマハ | シグナスX | 125 | 37.3km/L |
250㏄クラスの燃費ランキング

250㏄クラスは、125㏄超~250㏄までの軽二輪のバイクです。
最近人気の150㏄や、本格的な250㏄ロードスポーツまで。
その中で低燃費トップになったのは、スズキのジクサー。51.0km/Lと言う、原付並みの低燃費です。
また、250㏄で限定すると、ヤマハのセローがトップ。ホンダのCBR250RRや、ヤマハのR25、カワサキのNinja250など、本格ロードスポーツ系は燃費面で見るとやや不利な結果になっています。
メーカー | 車種 | 排気量 | 燃費(WMTCモード値) |
スズキ | ジクサー | 155 | 51.0km/L |
ホンダ | PXC150 | 150 | 46.0km/L |
ヤマハ | トリシティ155 | 155 | 41.7km/L |
ヤマハ | NMAX155 | 155 | 41.7km/L |
ヤマハ | セロー250 | 250 | 38.7km/L |
ヤマハ | マジェスティS | 155 | 37.5km/L |
ヤマハ | XMAX | 250 | 34.5km/L |
ホンダ | レブル250 | 250 | 34.1km/L |
ホンダ | CB250R | 250 | 33.7km/L |
カワサキ | KLX230 | 230 | 33.4km/L |
ホンダ | フォルツァ | 250 | 33.3km/L |
ホンダ | CRF250L | 250 | 33.1km/L |
スズキ | GSX250R | 250 | 32.5km/L |
スズキ | Vストローム250 | 250 | 31.6km/L |
スズキ | バーグマン | 200 | 30.3km/L |
ヤマハ | YZF-R25 | 250 | 27.2km/L |
ヤマハ | MT-25 | 250 | 27.2km/L |
カワサキ | Z250 | 250 | 27.2km/L |
ホンダ | CBR250RR | 250 | 26.7km/L |
カワサキ | Ninja250 | 250 | 26.2km/L |
カワサキ | VERSYS-X 250 | 250 | 24.8km/L |
400㏄クラスの燃費ランキング

車検のある小型二輪でも、排気量の小さい400㏄まで。
このクラスは、ヤマハのSR400がトップ。
SRは重量(乾燥重量)が175㎏しかないのも大きく影響していると思われます。(ちなみに、ホンダのCB400SFは201㎏)
軽くて燃費も良い、人気のバイクですね。
余談ですが・・・気になったのは、このクラスの現行車両の少なさ。筆者は400㏄のラインナップが豊富だった時代の人間なので、少し寂しいですね。。。
メーカー | 車種 | 排気量 | 燃費(WMTCモード値) |
ヤマハ | SR400 | 400 | 29.7km/L |
ホンダ | CBR400R | 400 | 28.3km/L |
ホンダ | 400X | 400 | 28.3km/L |
ヤマハ | YZF-R3 | 320 | 27.6km/L |
ヤマハ | MT-03 | 320 | 25.0km/L |
スズキ | バーグマン400 | 400 | 25.0km/L |
カワサキ | Ninja400 | 400 | 24.8km/L |
カワサキ | Z400 | 400 | 24.8km/L |
ホンダ | CB400SF | 400 | 21.2km/L |
750㏄クラスの燃費ランキング

大型バイクについては、
の二段階に分けていますが、750㏄以下のクラスでの低燃費トップバイクは、ホンダのNC750。
NC750XとNC750Sが同時にトップですが、この2車種のエンジンは共用です。
また、3位のX-ADVも同じエンジンの共用です。
このミドルクラスのバイクも最近人気のカテゴリですが、燃費だけで見るとかなりの差が出ている事がわかります。
もちろん、カワサキの6Rなどは燃費を気にして選ぶ人も少ないように思いますが・・・。
メーカー | 車種 | 排気量 | 燃費(WMTCモード値) |
ホンダ | NC750X/NC750S | 750 | 28.3km/L |
ホンダ | X-ADV | 750 | 27.0km/L |
ホンダ | レブル500 | 500 | 27.0km/L |
スズキ | SV650X | 650 | 26.6km/L |
スズキ | Vストローム650 | 650 | 24.2km/L |
カワサキ | Ninja 650 | 650 | 24.0km/L |
ヤマハ | MT-07 | 700 | 23.9km/L |
ヤマハ | XSR700 | 700 | 23.9km/L |
カワサキ | VULCAN S | 650 | 22.8km/L |
ホンダ | CB650R | 650 | 21.3km/L |
ヤマハ | TMAX530 | 530 | 20.6km/L |
スズキ | GSX-S750 | 750 | 20.1km/L |
カワサキ | Ninja ZX-6R | 636 | 18.3km/L |
リッタークラスの燃費ランキング

リッタークラスとしていますが、正確には750㏄超のバイクです。
このクラストップはホンダのアフリカツイン(1100㏄)。
次いで、ヤマハのBOLT(950㏄)でした。
リッターバイクになると、カタログ値(WMTCモード値)では20km/Lを切るのが普通になってきます。
特にSS系は燃費が良くないのは、ある意味では仕方のない事かもしれません。
とは言っても、個人的にはそこまで燃費が悪いとは言えないような気がします。
もちろん、小排気量のバイクと比べてしまえば差は大きいですが、その分優れた走行性能を持っているのですから。
メーカー | 車種 | 排気量 | 燃費(WMTCモード値) |
ホンダ | CRF1100AfricaTwin | 1100 | 21.3km/L |
ヤマハ | BOLT | 950 | 21.2km/L |
カワサキ | W800 | 800 | 21.1km/L |
スズキ | Vストローム1000 | 1000 | 20.5km/L |
カワサキ | Z900RS | 900 | 20.0km/L |
ヤマハ | MT-09 | 900 | 19.7km/L |
ヤマハ | TRACER900 | 900 | 19.7km/L |
ヤマハ | XSR900 | 900 | 19.7km/L |
スズキ | KATANA | 1000 | 19.1km/L |
スズキ | GSX-S1000 | 1000 | 19.1km/L |
ホンダ | CB1100 | 1100 | 18.9km/L |
ヤマハ | NIKEN | 850 | 18.1km/L |
カワサキ | Ninja H2 SX SE | 1000 | 17.9km/L |
ホンダ | GOLD WING | 1833 | 17.7km/L |
ホンダ | CBR1000RR | 1000 | 17.7km/L |
スズキ | 隼(生産終了) | 1300 | 17.6km/L |
カワサキ | VERSYS 1000 SE | 1000 | 17.6km/L |
カワサキ | Z1000 | 1000 | 17.5km/L |
カワサキ | Ninja 1000 | 1000 | 17.5km/L |
ホンダ | CB1300SB | 1300 | 16.8km/L |
カワサキ | Ninja ZX-10R | 1000 | 16.8km/L |
ホンダ | CB1100R | 1100 | 16.7km/L |
ヤマハ | FJR1300AS | 1300 | 16.6km/L |
スズキ | GSX-R1000R | 1000 | 16.6km/L |
ヤマハ | MT-10 | 1000 | 14.0km/L |
カタログ値と実燃費には違いが出る
前述のランキングは、あくまでもメーカーのカタログ値を基にしています。
そのため、実際の燃費とは差が出て来るでしょう。
過去に定地燃費値しか表示がなかった時には、カタログ値の5割~7割くらいの実燃費になるケースが一般的でした。
ただ、WMTCモード値ではここまでの乖離が出る事は考えにくく、多くの人は8割~9割くらいの実燃費で走行ができると思います。
また、人によってはWMTCモード値よりも燃費良く走れるというケースもあるでしょう。
まずは、自分のバイクの燃費(実燃費)を知っておくことから初めて見ると良いかもしれません。
関連記事≫バイクの燃費の計算方法は?燃費を向上させるコツや走り方も解説
まとめ:燃費最強バイクはスーパーカブ50
排気量別に区分しましたが、全ての総合ランキングでは、ホンダのスーパーカブ50が燃費最強バイクです。
ちなみに、燃費が良いとされている車のプリウスですが
と言われています。
こうしてみると、いかにスーパーカブの燃費が凄いかが分かりますよね。
もちろん、カブだけでなくバイク自体が燃費の良い乗り物です。
バイクは燃費だけで選ぶわけではありませんが、バイクの魅力のひとつとして浸透してほしいですね。
※2020年1月に更新しました。