高速道路を走行していると、路肩に故障した車が停まっているのを見かける事があります。
この時、車の後方には赤い三角形の反射板、いわゆる「三角表示板(三角停止板)」を置いていますよね。
これは、後続車へ停車している事を知らせるためのものですが、実はバイクでも必要な事はあまり知られていません。
バイクで高速道路の路肩に停車した時に、三角表示板を置かないと違反になってしまうのです!
ここでは、
等について詳しく解説しています。
そもそも三角表示板とは?
三角表示板は「三角停止表示板」、「三角停止板」とも呼ばれます。
また、道路運送車両の保安基準では「警告反射板」または「停止表示器材」と呼称されています。
色々な呼び方がありますが、簡単に言うと車が故障した時に置く「三角形の反射板」のことですね。
車(バイクが)これを設置しなくてはならないのは、道路交通法で定められています。
第七十五条の十一 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
引用:道路交通法
つまり、故障やその他の理由で路肩などに停車している時には、停まっている事を表示する必要があると言うことですね。
ちなみに、この75条の11項は「高速自動車国道及び自動車専用道路における自動車の交通方法」についての条文です。
そのため、一般道では表示義務がないことになります。
(自動車専用道路も対象なのはポイントです!)
三角表示板はバイクの場合にも必要!
「車は表示義務があるのはわかるけど、バイクには必要ないんじゃない??」
「道路交通法にも【自動車】って書いてあるし・・・」
このように思う人も居るでしょう。
ただ、道路交通法上では、バイクは自動車に含まれるのです。
道路交通法の定義でも明確に記載があります。
自動車 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
引用:道路交通法 第二条九項
つまり、バイクでも高速道路や自動車専用道路で故障した時には、三角表示板を表示しなくてはいけないと言うことですね。
三角表示板で違反になった時の罰則は?
もし、三角表示板を表示しなかった。
このような時には道路交通法違反ですから、当然罰則があります。
具体的には「故障車両表示義務違反」にあたり、バイクの場合には
となります。
なかには、「表示しなくても違反を取られなかった!」というライダーも居るかもしれません。
ただ、それは運が良かっただけと言えるでしょう。
なぜなら、実際にバイクで「故障車両表示義務違反」で切符を切られている人もたくさんいるのですから・・・。
おすすめのバイク用三角表示板
バイクが故障して、そのうえ違反まで取られたら辛すぎますよね・・・。
となると、バイクで高速道路(自動車専用道路)を走る時には、三角表示板を持って行くしかありません。
(もしくは、故障をしないように祈るか・・・)
ただ、バイクの場合には積載スペースが限られているので、できるだけコンパクトな三角表示板を選ぶ必要があります。
以前は、デイトナさんからもバイク用の三角表示板が販売されていたのですが、現在は残念ながら販売されていないようです。
そのため、バイク用で販売しているのは以下のエマーソンの三角表示板になります。
そのため、バイク用で販売しているのは以下のエマーソンの三角表示板になります。
サイズは
となっています。
バイク専用なので、できる限りコンパクトになっており、リアタイヤに括るための紐付きです。(飛ばされないように)
もし、このサイズでも積載が困難と言う場合には、コミネさんから三角停止表示型のリフレクターが付いたヘルメットバッグ販売されています。(バッグというより、袋ですが。)
袋状になっているので、ヘルメットに被せて地面に置いて使うと言うことですね。
こちらなら、 小さく折り畳んでおけば場所を取りません。
ただ・・・このヘルメット袋を使った時に、警察のほうで三角表示板とみなしてくれるかは不明です。
ちなみに、三角表示板の基準も決まっています。それによると、ギリギリセーフかなとは思いますが・・・ギリギリアウトな気もします。
そのため、あくまでも自己責任でお願いします!
先に紹介したエマーソンの三角表示板は、国家公安委員会認定品ですので確実に適合品です。
三角表示板の基準とは?
三角表示板は、なんでも良いと言うわけではありません。
道路交通法施行規則にて、明確な基準が決まっているのです。
(夜間用停止表示器材)
引用:道路交通法施行規則第九条の十七
一 板状の停止表示器材(次条において「停止表示板」という。)にあつては、次に該当するものであること。
イ 別記様式第五の五に定める様式の中空の正立正三角形の反射部若しくは蛍光反射部を有するもの又は別記様式第五の六に定める様式の中空の正立正三角形の反射部を有するものであること。
ロ 夜間、二百メートルの距離から前照灯で照射した場合にその反射光を照射位置から容易に確認できるものであること。
ハ 反射光の色は、赤色であること。
ニ 路面上に垂直に設置できるものであること。
ちなみに、夜間用停止表示器材となっていますが、道路交通法施行規則第九条の十八項では昼間用の基準が決まっています。
ただ、どこのメーカーも昼夜兼用で停止表示機材を作るので、夜間の基準をクリアしておけば昼間の基準もクリアできます。
三角表示板の表示義務と携帯義務
バイクでも三角表示板の表示義務がある事はわかりました。
では、高速道路を走る時に、三角表示板を携帯しているライダーは実際どれくらい居るのでしょうか?
おそらく・・・1割も居ないのではないかと思います。
でも、三角表示板は持っていなくても違反にはなりません。
あくまでも、故障時などの「表示義務」しかないのです。
つまり、
と言うことになります。
バイクには発煙筒も必要なのか?
三角表示板と同じく、事故や故障の時に役に立つのが発煙筒ではないでしょうか。
車の場合には、発煙筒は「備え付けの義務」があります。
三角表示板と違って、車に携帯しておかないといけないと言うことですね。
また、これは「道路運送車両の保安基準」で決まっているので、発煙筒を備え付けていないと車検にも通らないのです。
ただ、バイクの場合には発煙筒は無くても問題ありません。
これは、明確に自動二輪車は対象外と明記があるからです。
(非常信号用具)
引用:道路運送車両の保安基準
第 43 条の2 自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することがで
き、かつ、安全な運行を妨げないものとして、灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し告
示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならない。ただし、二輪自動車、
側車付二輪自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車及び被牽引自動車にあつては、この
限りでない。
まとめ:三角表示板は安全面を考えても携帯したほうが良い!
今回は法律的な観点からバイクにも三角表示板が必要なことを解説しました。
ただ、
「とは言ってもやっぱり邪魔になるし・・・。」
「多分故障なんてしないから平気でしょう・・・。」
こんな風に思う人も居ると思います。
もちろん、三角表示板を持って行くかは、最終的には自己判断になります。
ただ、交通違反の観点だけでなく、安全面と言う観点でも、携帯しておいた方が良いのは間違いないでしょう。