バイクのタイヤをよく見てみると、サイドウォール部(側面)に色々な表示があります。
この表記には、メーカー名や銘柄のほかに、タイヤの製造年月やサイズ表示など色々な情報が詰まっています。
バイクのタイヤを選ぶときには、この表記を読めるようになると非常に役に立つと言う訳です。
そのため、ここではバイクのタイヤの表記について
などを詳しく解説しています。
バイクのタイヤには何が表記してある?
普段はあまり気にしていないかもしれませんが、タイヤのサイドウォール(側面)には多くの情報が表示されています。
この表示には、
が表記されています。
メーカー名や銘柄はともかく、サイズ表記や製造年月は、タイヤ交換をする時やタイヤを購入する時には大事な情報になります。
サイズが合わないタイヤを購入してしまうと、大きな損をしてしまいますし、古いタイヤを購入してしまうと、すぐに寿命を迎えてしまうと言う訳ですね。
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バイクのタイヤの製造年月の見方
タイヤの製造年月は、側面に4桁の数字で表記されています。
各メーカーによって多少のデザインの違いはありますが、左右どちらかに4桁の数字表記があるはずです。
この4桁の数字は
を表していると言う事になります。
週の表記は、1月の1週目だと「01」、2週目だと「02」と言うように表記されますので、「08」だと2月の後半。「43」だと43週目なので10月と言う事がわかります。
また、年の表記は2018年なら「18」、2001年なら「01」と言う事ですね。
ただ、古いタイヤの場合には3桁表記のタイヤもあります。具体的には1999年以前のタイヤ。
この場合には、前の2桁が「週」最後の1桁が年を表記しています。
例えば、「158」と表記があれば、1998年の15週目と言う事ですね。ただ、年の場合には1998年の可能性もあれば、1988年の可能性もあります。
どちらにせよ、3桁(1999年以前の製造)のタイヤで走るのは危険すぎるのでやめておきましょう。
バイクのタイヤサイズ表記の見方
もうひとつ、タイヤの表記で重要なのが「サイズ表記」です。
サイズの表記は、基本的には車の表記と一緒ですが、バイク用タイヤの場合は一部特殊な箇所もあります。
また、基本の表示方法は国内で統一されていますのです、デザイン的に各メーカーで多少の違いはあれど、メーカーによって大きく異なることはありません。
ちなみに、バイク用のタイヤの場合、総幅は10mm単位、扁平率は5%単位になっているのが慣例的です。
一般的に、バイクのタイヤのサイズ表記は
の3つが主流です。メトリックとは「ミリメートル」のこと。ラジアルタイヤなのか、バイアスタイヤなのかで分かれていて、さらにバイアスタイヤはミリかインチで分かれていると言う事ですね。
順番に見ていきましょう。
ラジアルメトリック表示
ラジアルメトリック表記はラジアルタイヤの場合に使われる表示です。単位は「mm(ミリ)」になります。
左から順番に
が表記されています。
例えば、「120/60 R 17」というタイヤの場合には、タイヤの幅が120mm、扁平率が60%、リム径が17インチと言うサイズだと言う事がわかります。
また、「R」というのはラジアルタイヤの構造の種類のこと。最高速度が270km/hを超えるタイヤの場合は「ZR」と表示されます。
⑤のM/Cは「Motorcycle」の略でバイク用のタイヤであることを示しています。
それから⑥、⑦の荷重指数と速度記号。
これは、所定の内圧でタイヤが受け止めることのできる最大荷重と、規定の使用条件で走行できる最高速度を表す「記号」です。
記号なので、それぞれ「55なら218㎏」、「Hは210km/h」と言うように記号に対しての数値が定められています。
バイアスメトリック表示
バイアスタイヤの場合には、バイアスメトリック表示(ミリ表示)が主流です。
基本的には、ラジアルメトリック表記と同じ表示になっています。
(詳細は前述のラジアルメトリックの項を確認してください)
ただ、③のバイアス構造の部分が少々異なります。
通常のバイアスタイヤの場合には「-」(ハイフン)が表記され、「ベルテッドバイアス構造」の場合には「B」と表記されます。
ベルテッドバイアス構造とは、バイアス構造のタイヤをベルトで補強したタイヤで、重い車両に適しています。
そのため、クルーザータイプの車両に使われることがあります。
バイアスインチ表示
バイアスタイヤのもうひとつの表示が「インチ単位」のバイアスインチ表示です。
最近のタイヤは、全てメトリックで設計されています。ただ、1990年代までには設計されたタイヤにはインチ設計のモノもあります。
そのため、昔の設計のタイヤの場合には、今でもバイアスインチ表示があると言う事です。
旧車系や、オフロードバイクなどで見ることが多いのではないでしょうか。
バイアスインチ表示の場合には
のみの表示になります。
タイヤ幅は当然「インチ表示」と言う訳ですね。
また、荷重指数、速度記号の代わりに、プライレーティング表示の場合もあります。
プライレーティング(PR)とは、タイヤの強度を示す耐荷重強度指数で、数字が大きくなるほど負荷能力が高いと言う事です。
ハーレーのタイヤ表示の見方
ハーレーダビッドソンの場合、一部の純正タイヤには少々異なる表示が使われている場合があります。
この場合、Motorcycleを意味する「M」表記から始まります。
また、タイヤ幅はミリでもインチでもなく、「記号」で表示されているのも特徴です。
タイヤ幅記号のミリ換算表は以下の通りです。
タイヤ幅記号 | タイヤ幅(mm) |
H | 80 |
J | 90 |
M | 100 |
R | 110 |
T | 120 |
U | 130 |
V | 140 |
その他は、扁平率、バイアス構造、インチ径、荷重指数に速度記号と、基本的には同じ内容が表示されています。
並びが異なるので、少し戸惑うかもしれませんね。
タイヤの矢印は何の意味がある?
また、タイヤに「矢印」が記載されているタイヤも多いです。
各メーカーによってデザインは異なりますが、明らかに矢印になっているはずです。
実は、タイヤには「向き」があります。
タイヤが回転する方向を考えて、溝のパターンなどを決めているのです。
そのため、逆向きにタイヤを付けてしまうと、十分にグリップをせずに滑るような事もあります。(結構危険です。)
この、向き(回転方向)を間違えないように「矢印」が記されていると言う事ですね。
自分でタイヤ交換にチャレンジする時には、逆に付けてしまわないように注意が必要です。
(一部、矢印や回転方向の指定が無いタイヤもあります)
スリップサインも重要な表示
タイヤのサイドウォールには、様々な情報が詰まっていますが、スリップサインも大事な表示のひとつです。
スリップサインは、タイヤの使用限度(摩耗状態)を教えてくれる「印」です。
タイヤの側面に、「△」の印がいくつか刻印されているはずです。
この△から、トレッド面(タイヤが地面と接触する面のこと)に向かって辿っていくと、溝の中に少し高くなっている段差があります。
これがスリップサイン。
通常は、溝の底よりは高くなっていますが、トレッド面よりは低くなっています。走行を重ねるとタイヤが減ってくるので、そのうちトレッド面とスリップサインの段差がなくなります。
そうなると、タイヤの交換時期と言う訳です。
まとめ
バイクに乗り始めの頃は、タイヤの表示には興味がない人が多いと思います。
ただ、色々知ってみると興味も出てきます。
タイヤ交換の時には、自分でタイヤを選べるようにもなりますし、楽しみも増えるのではないでしょうか。
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