「バイクで立ちごけしてカウルが割れてしまった・・・。」
「よく見ると細かい傷がたくさんあって綺麗にしたい・・・。」
バイクのカウルは、走っているだけでも細かい飛び石などで傷が付くこともあります。
また、転倒などで目立つ傷が付いたり、割れてしまったというケースもあるでしょう。
できれば、綺麗な状態に戻したい!
そんな人は多いと思います。
そのため、ここでは
などについて詳しく解説しています。
カウルの補修方法は症状や傷の程度によって変わる
一概にカウルの傷と言っても、程度には差があります。
カウルの表面を擦ったような細かい傷から、塗装の下地が見えてしまっているようなケース。
もしかしたら、ヒビが入っていたり割れてしまっている事もあるでしょう。
いずれの場合にも、綺麗に修理することは可能です。
ただ、症状によって効果的な修理の方法が異なると言うわけですね。
軽微な傷であれば、数百円~1,000円程度の材料費で綺麗にすることもできますので、自分でチャレンジしてみるのもおススメ。
一方で、大きなヒビや割れになってくると、難易度も上がってきます。
仕上がり(塗装)を気にするなら、バイクショップや業者に依頼すると言うのもひとつの方法でしょう。
カウルの傷の状態別に、修復方法を紹介していきますので、参考にしてみて下さい。
カウル表面の細かい線傷や擦り傷
まず、カウルの表面だけに軽微な傷がある場合。
転倒していなくても、路肩の植物に擦ったり、小石が当たったりして傷はついてしまいます。
また、長い事バイクに乗っていれば、洗車でも細かい線傷が付いてしまうことも。
表面の軽微な線傷やひっかき傷は、市販のコンパウンドを使って磨くだけでも綺麗になります。
ただ、塗装の下地まで傷が達していない事が条件です。
また、下地まで出ていなくても、やや傷が目立つようなら、
と言う手順で行うと、より綺麗に仕上がります。
耐水ペーパーは番手が少ない方が粗い目になります。耐水ペーパーを掛けると、白っぽく艶がなくなるようになりますが、コンパウンドで磨くと綺麗になります。
また、あまり粗い(番手の)ペーパーを掛けると、塗装まで剥げてしまうので注意が必要です。
塗装の下地まで見えているカウルの傷
バイクの塗装は下地の上に塗料とクリア塗料が乗っています。
そのため、傷が深いと塗料が削れて下地が見えてしまうと言うことですね。
もし、塗装の下地まで出てしまっているような傷の場合には、「傷の修復」と「塗装」の両方が必要になります。
本当に綺麗に仕上げたい場合には、塗装業者に依頼するのが間違いありません。
ただ、
と言うような場合には自分でチャレンジしてみても良いでしょう。
傷の面積が小さければ、タッチアップペン(タッチペン)を使うのが簡単です。
手順としては、
と言う手順です。
タッチペンの塗料がしっかり乾燥してから仕上げの磨きをするのがポイントです。
乾燥時間は商品に記載がありますが、少し長めにとってしっかりと感想させると良いでしょう。
タッチアップペンは色の選び方に注意
タッチアップペン(タッチペン)などを使って「塗る」時に、非常に重要なのが「色」選びです。
ホームセンターなどでもタッチアップペンは売っていますが、もともとのカウルの色と合わせるのは非常に困難です。
特にバイクの場合には、純正塗料の配合データが塗料メーカーに公開されていないのです。
そのため、近い色を選んでも、塗ってみたら色の差が出てしまうと言うことも少なくありません。
ただ、バイクのアフターパーツの大手「デイトナ」さんでは、「純正色対応」の塗料を販売していて、かなり純正色に近いです。
注意としては、あくまでも「純正色対応」であって、純正色ではないということ。
デイトナさんのほうでも
通常の本格塗装とは違い純正塗装と同一の色合いを再現することは不可能です。ご了解のうえご使用ください。
引用:デイトナ
と明言しています。
とは言っても、ホームセンターなどで近い色を購入するよりは、かなり純正色に近くなるのでおすすめです。
タッチアップペンは「イージーリペア」と言う商品です。
また、バイクの適合色は、デイトナさんのホームページでも確認ができますので、自分のバイクに合ったものを選びましょう。
カウルの傷面積が大きく深い場合の修理
カウルが割れていなくても、転倒などで広く擦り傷になってしまった場合には、コンパウンドやタッチペンでは限界があります。
塗装も剥げて、カウルの表面がささくれ立ってしまったりバリが出てしまったケースですね。
この場合には、一度パテ埋めで補修をしてから塗装処理をする方法が良いでしょう。
手順としては
となります。
ささくれやバリ取りは少し粗めのペーパーでも平気ですが、塗装前の研磨(磨き)のペーパーは1000~1500番くらいのものが良いでしょう。
パテはホームセンターや模型店で購入できる「ポリパテ(ポリエステルパテ)」を使います。
また、パテ埋めよりもポイントになるのは、塗装仕上げでしょう。
塗装は技術の違いで仕上がりに大きな差が出てきますので、缶スプレーなどではどうしても限界があります。
なかなかスプレーガンなどの道具を用意するのは大変ですし、技術も必要になります。
どこまでの完成度を求めるかによりますが、完ぺきを求めるならば業者に依頼するのが間違いありません。
ちなみに、業者に依頼するのであれば、パテ埋めも併せてやってくれますので安心です。
ただ、自分で塗装をする場合には、プラサフ(サフェーサー)を初めに吹いておくと仕上がりが断然綺麗になります。手間を惜しまずに吹いて(塗って)おくのがおすすめです。
また、純正色対応のものを選ぶなら、前述の通り、やっぱりデイトナさんのものがおすすめです。
ヒビや割れてしまっているカウルの修復
ヒビが入ったり、割れてしまったカウルを補修する時の定番は「プラリペア」です。
プラリペアは、粉と液を混ぜて使う、2種混合タイプの造形補修剤。
通常の接着剤と違い、カウルを溶着(溶かして固める)して補修するので強度もあり、カウルの補修によく使われています。
固まった後には樹脂になるので、ヒビを埋めたり割れたカウルの補修だけでなく、折れたカウルのツメの補修などにも適しています。
まずは、ヒビや割れをくっつける作業が必要と言うことですね。
プラリペアを使用する時は、薬剤をぬる前に塗布面を加工(削って)おきます。
硬化後に表面を成型した時の強度を保つために、プラリペアが入り込むように、V字型に溝を作っておくのがポイントと言うわけですね。
この溝を作っておかないと、硬化後にプラリペアの部分が薄くなり、再び割れやすくなってしまいます。
プラリペアは、ホームセンターなどでも手軽に入手できます。
バイクのカウル以外にも、色々使えるのでひとつ持っていると便利ですよ。
ヒビや割れ補修の手順としては、
と言う流れですね。
表面の成型は耐水ペーパーを使います。
始めは粗めの300番台から600番台、1000番台と言うように徐々に細かくしていくと良いでしょう。
一番最初は、あまりにも凸凹が大きければカッターなどで大まかに削ってしまうと時間短縮もできます。
丁寧に行う場合には、パテ埋めの作業を挟んでも良いでしょう。
カウルの修理費用はどれくらい?
カウルの修理をするときには、どれくらいの費用が掛かるのでしょうか。
自分でやる場合には、材料費だけで済みます。
では、バイク屋や業者にカウル修理を依頼した時の料金はどれくらい掛かるのでしょうか?
軽微な擦り傷で、ペーパーやコンパウンドで綺麗になる場合は、簡単な作業なので自分でやってみる事を勧めるショップも多いです。
依頼する場合は3,000円~4,000円ほど掛かるので、自分でやってみた方が良いでしょう。
ただ、大きな傷でパテ埋めや、ヒビ・割れの補修が必要になる場合だと、修理費用もそれなりに掛かってしまいます。
当然バイクショップや塗装業者はプロですので、新品同様に仕上げる必要があるからです。
もちろん、傷の場所や大きさ、程度によって変わってきますが
これくらい掛かってしまう事も一般的です。これは、傷の補修から塗装仕上げまでの費用です。
更に言うと、塗装においても色の数や種類で値段は変わってきます。複数の色が入っている場所であったり、ロゴのステッカーの張替えもあると、更に価格も上がってきます。
そのため、安く済む場合もあれば、驚くほどの費用が掛かる事も。
新品のカウル交換に交換してしまった方が安く済むケースもあるということですね。
ちなみに、塗装単体の費用については、下記にまとめていますので参考にしてみて下さい。
関連記事≫バイク塗装の料金相場はいくら?費用について知っておくべき事とは
カウルを新品に交換する時の費用はどれくらい?
どうせだったら新品のカウルに交換してしまおうと考える事もあるでしょう。
古いバイクでなければ、純正のカウルを購入する事も可能です。
ただ、以外とカウルは高価な部品です。
あくまでも一例ですが、フルカウルスポーツの純正パーツの価格は
くらいが相場です。
もちろん、車種やカウルの形状によっても変わりますが、新品のカウルに交換するのは結構費用が掛かるものです。
とくに輸入車などの場合にはもっと費用が掛かる事もあります。
大型バイクなら、全部のカウルを新品にすると、20万円~30万円以上かかることも一般的です。
フルカウルのバイクは、昔から「ひとコケ〇万円」なんて事も良く言われてきましたね・・・。
また、海外製の社外品カウルだと安いものもありますが、パーツの精度が低いこともあるので注意してください。
カウルの大きな傷や割れはショップに見積もりを取ってみる
修理をするべきか新品に交換するか、迷った時にはバイク屋に相談してみる事をおススメします。
カウルの傷の程度によっては、それほど費用が掛からず直せる事もあります。
(もちろん、逆のパターンもありますが)
どこまでの修復を求めるかにもよりますが、まずはショップに相談してみると良いでしょう。
予算に応じて、修理するか、新品にするか、それとも自分でできるとこまでやってみるか。
まずは見積もりを取ってみないとわからない事も多いと言うわけですね。