自分でオイル交換をすると、購入したオイルを全て使い切ると言うことは稀ですよね。
だいたい、中途半端に残ってしまうものです。
また、「オイルはまとめ買いしておく!」と言う人もいるでしょう。
このような時に気になるのが、「エンジンオイルの使用期限」です。バイクのエンジンオイルはどれくらい保管できるのでしょうか。
そのため、ここでは
について、メーカーに問い合わせた結果など含めて解説しています。
バイクのエンジンオイルの使用期限はどれくらい?
自宅に保管してあるオイルを使う時に、
「このオイル、買ったのいつだっけ?」
こんな風に思う事は良くありますよね。
オイルの缶(容器)を見てみても、使用期限どころか製造年月の記載がないことも多く、いまいち良く分かりません。
(製造年月は記号などで刻印されているケースもあります。)
結論から言うと、エンジンオイルの場合は「明確な」使用期限は設けられていない事がほとんどです。
ただ、メーカーに問い合わせてみた結果も踏まえ、敢えて言うなら
と言えます。(※あくまでも推奨)
ただ、開封済の場合は、保存方法にもよりますので、残ったオイルは適切な保管をするようにしましょう。
(保存方法は後述しています。)
オイルの使用期限、メーカーの見解は?
良く分からなければ、製造・販売してるメーカーに確認するのが一番です。
ただ、各社のホームページで調べてもほとんど記載がありません。(ヤマハさんは簡単な記載がありました。)
そのため、筆者が実際に良く使う「ホンダ」「MOTUL」にメールで確認してみました。
ホンダのエンジンオイルの使用期限
バイクショップでも良く使う、ホンダの純正エンジンオイル「ホンダウルトラシリーズ」。
未開封の場合と、開封済みの場合の使用期限を確認した回答が以下の通りです。
エンジンオイルは、保管される環境(場所、気候、気温等)において劣化の状況が異なるため、 一概には、品質保持できる期間はご案内できません。
また、エンジンオイル製造メーカーとしては、未開封状態と開封後では、下記の使用期限を経過したエンジンオイルは使用しないように推奨しております。
●未開封状態:2年以上経過
●開封状態 :1年以上経過
ご参考になりましたら幸いです。このたびは、お問合せいただきありがとうございました。
ポイントとしては、
と言う感じです。
MOTULのエンジンオイルの使用期限
同じように、300Vを使わせて頂いているMOTULさん。
こちらも迅速な回答を頂けました。
いつもMOTUL製品をご愛用頂きまして誠に有難うございます。お問い合わせの使用期限ですが、
1、未開封の物:室内などであれば2年を目途に使用して頂ければと思います。
2、開封済みの物:室内などで半年を目途に使用して頂ければと思います。
今後ともMOTUL製品をご愛顧頂けますようお願い致します。
と開封済のオイルに関しては、ホンダさんより少しシビアな感じです。
ただ、MOTULさんも「目途」と言うように明確には決まっていない事がわかりますね。
ヤマハのエンジンオイルの使用期限
ヤマハのバイクに乗っている人であれば、ヤマハの純正オイル「ヤマルーブ」を使っている人も多いでしょう。
ヤマハさんのサイトでは、以下のように記載があります。
Q:エンジンオイルの使用期限はあるのか?
引用:ヤマハ発動機
A:未開封なら成分変化はほとんど起きません。開封したエンジンオイルには水分やゴミが混入と酸化の可能性があるので、交換毎に適量を購入することをお勧めします。
明確に「何年」と言う表現はしていませんが、
という事ですね。
結局エンジンオイルはいつまで使えるの?
各社の見解を見てみると、微妙に違いがあるようです。
ただ、基本的な部分では共通しているとも言えます。
こうなると「結局はいつまで使って良いの?」となるので、結論を改めてまとめておきましょう。
未開封のエンジンオイルの使用期限
ヤマハさんのホームページにも記載されてるとおり、未開封のエンジンオイルの場合は、エンジンオイルの「成分変化」はまず起こりません。
そのため、通常の保管方法であれば、5~6年ほど経過していても品質上は特に問題が無いとも言えます。
(さすがに10年20年経過すると怖いですが。)
そもそも、経過年数で問題が出るようなら、製造メーカー側も使用期限を設定して表記(販売)するはずです。
ただ、実際は明確な使用期限は記載されているエンジンオイルはほとんどありません。
しかしながら、問い合わせにご回答いただいた「ホンダ」さん「MOTUL」さんなど、販売元としてみれば、ユーザーがどんな環境で保管しているかはわかりません。
もし、極端に劣悪な保管状況であって、何かあれば困ってしまいます。
そのため「2年を目途」という返答になっていると言うのが実情でしょう。
これが未開封のエンジンオイルの使用期限と言えるのではないでしょうか。
ただ、普通に考えれば、何年もエンジンオイル保管している場合は、オイル交換をしていない「バイクの状態」の方が不安です・・・。
開封済み(使いかけ)のオイルの使用期限
一方で、オイル交換をして残ってしまったオイルになると、少々事情が変わります。
などが原因で、品質が落ちる事があるからです。
ただ、普通に1L缶や4L缶であれば、しっかりと蓋を閉めて保管しておけば急激に品質が落ちることは考えにくいと言えます。
とは言え、使いかけの場合はできるだけ早めに使うのに越したことはないでしょう。
これは、少なからず空気に触れる事による酸化や、結露などによる水分の混入があるためです。
MOTULさんは少しシビアでしたが
と言えます。
また開封済のオイルは、保管する環境や状態にも大きく影響するので、保管方法についてもう少し深く解説していきましょう。
残ったエンジンオイルの適切な保管方法
余ったエンジンオイルを保管する時には、できる限り成分の劣化を防ぐことを心がけることが重要です。
一番は「オイルの酸化」に注意すること。
エンジンオイルは空気中の酸素に触れる事で「酸化」していってしまいます。
良く、バイクのオイルは「あまり走行していなくても半年に1度は交換をした方が良い」と言われます。
これは、走行距離に関係なく、空気に触れることでオイルの劣化(酸化)が進んでしまうからです。
そのため、使いかけのエンジンオイルも、蓋はしっかりと閉めて密封することが重要です。
また、容器の中にも空気は入っていますので、「厳密に言えば」オイルに触れる空気を少なくする方が良いと言えます。
例えば、4L缶で残りがわずかであれば、小さな容器に移すことで空気に触れる量を減らすことができます。
とは言え、半年や1年程度の間に使い切る予定なら、それほど神経質になる必要もありません。きちんと蓋を閉めて、保管しておけば平気です。
ただ、20Lのペール缶で購入している場合などは、残りが少ない状態でそのまま長期保管するのは避けた方が良いと言えます。(缶の中の空気量が多い)
それから、蓋をしっかりと閉めていても、冬場には結露が発生で水分が混入することもあります。
そのため、常温の保管で問題ないのですが、温度変化の少ない場所で保管するようにしましょう。
また、オイルは紫外線の影響も受けますので、屋内の日の当たらない場所に保管することも大切です。
まとめると、使いかけのエンジンオイルは
という事です。
ただ、開封している以上は、できるだけ早めに使うのに越したことはありません。
ちなみに、余ったオイルを別の銘柄のオイルと混ぜて使う事や、少しだけ余ったからと言って適正量以上に入れるのはやめておきましょう。
(不具合の原因にもなります。)
関連記事≫バイクのエンジンオイルを混ぜるのは平気?継ぎ足しの注意点
まとめ
定期的なオイル交換をしている場合、半年に一度くらいはオイル交換をすると思います。
その場合、残ったオイルは次回の交換で普通に使えますので心配は不要です。
結局、定期的にオイル交換をしていれば何の問題も無いと言うことですね。
保管方法だけには注意をしておくと良いでしょう。