バイクを買おうと思って色々探していると、「並行輸入車(へいこうゆにゅうしゃ)」という表記を見かける事があります。
良く見てみると、並行「輸入車」でもホンダやヤマハなど国産メーカーと言うこともあります。
「ホンダとか、ヤマハのバイクなのに輸入車ってなんで?」
「この並行輸入ってどういう意味??」
こんな風に疑問に思っている人も居るのではないでしょうか。
そのため、ここでは
など、バイクの並行輸入について解説しています。
並行輸入のバイクって何?
「並行輸入」という言葉自体は、バイクに限ったワードではありません。
車でも使いますし、例えば腕時計やブランド品など、他のものでも使う言葉です。
この並行輸入とは、「正規代理店のルート以外で、合法に輸入する」こと。
ちなみに、正規代理店のルートで輸入する商品は「正規輸入品」なんて言われますよね。
例えばバイクの場合。
ハーレーやドカティであれば「ハーレーダビッドソンジャパン」とか「ドカティジャパン」と言うように日本法人が総輸入元になっています。
その日本法人と契約をしているディーラーから購入するバイクは、「正規輸入品」になると言うわけですね。
もし、正規ディーラーではない第三者が、海外で直接ハーレーやドカティを買い付けて輸入すると「並行輸入車」になります。
また、一例を挙げると、全国展開しているバイク館(旧バイカーズステーションSOX)さん。
バイク館さんの場合は、外車ではなく国内メーカーのバイクの並行輸入に力を入れています。
中国やタイ、インドネシアなどで生産されている「現地向け」のホンダやヤマハなど。
例えば、ヤマハのXSR155や、WR155R、MT-15。
ホンダならHORNET160RやCBF190R。
スズキならGIXXER250SF、GN125-3F。
カワサキならW175などなど・・・。
日本国内で未発売のモデルを、たくさん輸入して日本で販売しています。
これらのバイクは、日本での正規販売がありません。つまり、日本のディーラーでは売っていないモデルと言うことですね。
ただ、バイク館(旧SOX)さんが現地で買い付けて、輸入&販売している「並行輸入品(バイク)」と言うわけです。
つまり、「並行輸入のバイクとは、正規輸入元を介せずに、第三者が直接輸入して販売しているバイク」というわけですね。
並行輸入のバイクのメリットとデメリットは?
では、この並行輸入のバイクにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリットとデメリット、それぞれ説明しますね
並行輸入のバイクのメリット
メリットとしては
という事があげられます。
海外向けのモデルの場合、日本では未発売のモデルやカラーがあります。
国内では手に入らないモデルやカラーのバイクが入手できると言うのは、メリットのひとつと言えるでしょう。
人と同じバイクに乗りたくないと言う人は、海外向けのモデルをチェックするのも良いかも知れませんね!
また、車種にもよりますが、国内モデルよりも価格が安いバイクが多いです。
これは、現地の販売価格が安いと言うのが理由。
特にアジア圏の現地モデルは安いので、輸入に掛かる費用や利益を乗せても、国内の正規品よりずっと安く販売できると言うわけですね。
また、資本力のある大手の場合、まとめて購入する事で(輸入コストなども含め)安く仕入れやすいと言うこともあります。
並行輸入バイクのデメリット
では、並行輸入のバイクのデメリットについても触れておきましょう。
デメリットとしては
と言うような事があります。
それぞれ補足していきますね。
まず、並行輸入はメーカーが定める正規の販売方法ではないのがポイント。
そのため、通常新車を買った時に受けられる「メーカー保証」がありませんし、国内モデルにリコールが起きた時も自分で直す必要があります。
関連記事≫バイクのリコールとは?案内が来た時の対処法や調べ方を詳しく解説
※ショップによっては、メーカー保証が無くても「自社保証」を用意している事もあります。前述のバイク館(旧SOX)さんだと、自社でしっかり保証を付けてくれています!
また、部品の供給が不安なこともあります。
国内モデルと同じ部品なら問題ありませんが、現地モデル特有のパーツが必要になった時が心配です。
バイクを買ったお店で対応してくれる場合でも、取り寄せに時間が掛かるケースは想定しておく必要はあるでしょう。
(※大手さんの場合、主要のパーツをストックしてあるケースもあります。)
それから、何か不具合が起きた場合。
修理やメンテナンスでショップに持って行くと、「正規品ではない」と言うことで嫌な顔をされる事もあります。
ただ、これはショップ次第。
快く受けてくれるショップやディーラーもあります。
ただ、嫌な顔をするショップやディーラーもあるのは事実でしょう。
ほかには、取説やマニュアルが現地の言語になっているケースもあるということ。
あくまでも「現地向けのバイク」であることは認識しておきましょう。
昔、ホンダのPCX125が人気だった時に、国内正規品よりも安い並行輸入モデルがたくさん出回っていたことがありました。
当然、安い方を欲しがるユーザーも多かったのですが・・・マニュアルが「タイ語」だったのを見て、やっぱり正規ディーラーで買ったと言う人も多かったですね。
最後に、売却する時。
買取店などの査定時に、「並行モデルだから」という理由で低めの査定を付けられることもあるでしょう。
少しでも安く買い取るための理由にされてしまうと言うわけですね。
並行輸入のバイクって買っても平気なの?
メリットとデメリットを見ると、デメリットの方が多く感じてしまいますよね。
ただ、国内未発売のモデルがあったり、価格面の魅力も大きいです。
では、並行輸入のバイクは買っても平気なのでしょうか。
もし、「とにかく安心してバイクが購入したい」と言う場合には、少し高くても国内の正規モデルを購入しましょう。
一方で、「どうしても国内未発売のモデルが欲しい。」もしくは「安い方が良い!」と言う場合には、並行輸入を買うと言う選択になりますね。
ただ、並行輸入車を買うなら、購入後のアフターがしっかりしているショップで買う事をおススメします。
例えば、バイク館(旧SOX)さん。
非常に並行輸入車に力を入れているようで、
など、並行輸入車の不安をカバーするサービスがあります。
もちろん、バイク館さんはあくまでも一例です。
他のショップでも、保証の有無や部品調達の状況、故障時の修理対応など、アフターもしっかりと対応しているショップなら安心と言えるでしょう。
そのため、並行輸入バイクの購入を検討しているなら、購入後の対応についてもしっかりと確認をしてから契約することをおすすめします。
関連記事≫バイクを買う時に保証は必要?バイクの保証で注意する事
バイクの並行輸入車と逆輸入車の違いは?
並行輸入のバイクについて説明しましたが、似たようなものに「逆輸入」と言うバイクがあります。
よく、「逆車」と呼ばれるバイクですね。
この「逆輸入車」は並行輸入と何が違うのでしょうか。
です。
逆車の具体的な例としては、ヤマハのYZF-R1やGSX1300Rハヤブサなど。
これらのバイクは、ヨーロッパ仕様や北米仕様などがあり、海外市場向けに日本で製造されていました。(年式によっては国内仕様もあります。)
この海外市場向けのモデルを、再び日本に輸入したのが「逆輸入車」と言うわけです。
逆車は国内モデルよりもパワーが出る仕様が多いので、魅力に感じる人も多いですね。
ちなみに、これらのバイクを輸入しているのが、プレスト(ヤマハ)やモトマップ(スズキ)、ブライト(カワサキ)という輸入会社(インポーター)です。
※現在は上記のプレスト、モトマップ、ブライトは業務を終了しています。
そのため、例えばバイク館さんで売っているヤマハのXSR155。
これは海外向けですが、海外生産なので逆輸入とは言わないのです。