バイクが水冷エンジンの場合、クーラント(冷却水)は、エンジンを冷やすために重要な役割を担っています。
このクーラント、通常はLLC(ロングライフクーラント)というものが使用されており、長期間使う事ができるとされています。
とは言え、少なからず劣化していきますので、2~3年に1度はクーラント交換をするのが良いとされています。
ただ、
「どのクーラントを選べば良いかわからない」
「車用のクーラントを使っても平気なの?」
「赤とか青とか色が違うけど何が違うの?」
と言うような疑問を持つ人も多いようです。
そのため、ここでは
などについて解説しています。
関連記事≫バイクの冷却水(クーラント)交換!時期や工賃・方法を解説
バイクにおすすめのクーラント(冷却水)
クーラント液は、冷却水やLLC(ロングライフクーラント)とも呼ばれます。
これらは呼び方が違いますが、基本的には一緒と考えて問題ありません。
水冷エンジンのバイク(車)のエンジン冷却に使用される薬品ですね。
一般的には、主成分はエチレングリコールで、防錆の添加剤を加えてあります。
もちろん、エンジンの熱を冷ますのが一番の目的ですが、他にも
という効果があるわけですね。
エチレングリコールは不凍液として有名で、寒くても凍らないようにクーラントの主成分になっています。
また、更に高性能なプロピレングリコールが主成分になっているクーラントもあります。
こちらはやや値段が高めですが、現時点ではそれほど多くはありません。
また、このような事を言ってしまったら元も子もないのですが、基本成分はどのクーラントもほぼ一緒です。
ただ、入っている添加剤や主成分の濃度に違いがある事は事実です。
そのうえで、おすすめのクーラントをいくつかご紹介します。
ワコーズLLC ロングライフクーラント 2L / R311
モーター系のケミカルメーカーとして有名な和光ケミカルさん(WAKO’S)のクーラント。
定番中の定番です。
ワコーズさんの商品と言うだけで、安心感がありますね・・・。筆者も長い間使用しているクーラントです。
エチレングリコール濃度95%のクーラント(JIS規格)で希釈して使用するタイプ。
30%の濃度で、マイナス15℃の環境まで使用が可能です。
定価で2,112円(税込:2L)です。
希釈タイプなので、実はコスパもかなり良いクーラントだと言えます。そのうえ品質も心配なし。
迷ったらワコーズのLLCを選んでおけば良いのではないでしょうか。
また、チューニングマシンに乗っている方には、「チューニングマシン向けヒートブロックプラス」というクーラントもあります。
エルフMOTO COOLANT ORGANIC
クーラントにもこだわりたいと言う人には、エルフのバイク用クーラントもおすすめです。
原液使用タイプで、1Lで1,000円~1,500円前後(実勢価格)しますので、高価なクーラントです。
ただ、冷却系統の金属パーツに対する攻撃性が、一般的なクーラントに比べて極めて低く熱交換性も優れているクーラントだそうです。(※elf調べ)
レビューでは、ファンが回る頻度が減ったと言う声も少なくありません。
また、クーラント液には珍しい蛍光イエローで、カッコいいと言う声も多いです(リザーブタンクの残量が少し見にくいと言う声もあります・・・。)
メーカー純正のバイク用クーラント
色々悩むのが面倒・・・ただ、ホームセンターなどのクーラントはちょっと抵抗がある・・・。
そんな人には、メーカー純正のクーラントがおすすめ。
ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ。
各メーカーからバイク用の純正クーラントが販売されています。
ただ、それぞれ原液使用タイプであったり、希釈でも希釈割合には違いがありますので、購入前には確認しましょう。
車用のクーラントをバイクに使っても平気?
クーラントには、車用やバイク用と明記されている場合もあります。
ただ、車もバイクも同じクーラント液を使用している人も居ますが、問題ないのでしょうか。
実は、車用のクーラントをバイクに使用しても特に問題はないのです。
前述の通り、クーラントの成分は主成分がエチレングリコールで防錆添加剤などが加えられてます。
見てみるとわかるのですが、車用でもバイク用でもこれは変わりません。
そのため、車用のクーラントをバイク用に使用してもトラブルになる事はないと言うわけですね。
(むしろ、なぜ車用、バイク用に分かれているかが謎です・・・。)
車もバイクも、両方のメンテナンスを自分でやる人が、同じクーラントを併用しているのはそのためです。
ちなみに、おススメしたワコーズさんのLLCも、バイク専用と言うわけではありません。
クーラントの色や種類に違いはあるの?
クーラントには、青や赤、緑など様々な色が付いています。
前述のエルフさんは、蛍光イエローです。
これらの色に、何か意味はあるのでしょうか。
実は、クーラントの色には特に意味はありません。メーカーが好きな色を着色していると言うわけですね。
車の場合だと、トヨタが赤系、日産は青系と言うのは結構有名な話です。
(バイクの場合には、このような決まりと言うか定番色はあまり聞いたことがありませんが・・・。)
ただ、着色するのは「メンテナンスや点検の時に便利だから」という理由があります。
リザーブ内の残量チェックや、漏れた時の判別が着色されているとわかりやすいと言うわけですね。
そのため、クーラント選びに迷ったら、好きなカラーで選ぶと言うのもありかも知れませんね!
クーラントの継ぎ足しで違う色を混ぜても平気?
クーラントの色には特に意味はないのですが、補充や継ぎ足しをする時には、同じ色を選ぶ方が良いと言えます。
なぜなら、色の違うクーラントを混ぜると、黒っぽくなってしまうため。
そうなると、
と言うことになってしまいます。
そのため、色の違うクーラントを混ぜるのは、あまりおすすめしません。
関連記事≫バイクの冷却水(クーラント)漏れ!症状や原因、修理費用を解説
クーラントは希釈タイプが原液使用かをチェック
クーラント(冷却水)を選ぶときには、
のどちらかを確認するようにしましょう。
希釈タイプとは、水で薄めて使うタイプのことです。
クーラントの価格も、原液か希釈かで全く違ってくるのです。
例えば
希釈割合にも拠りますが、50%濃度での使用なら、値段は変わりません。
また、希釈するのが面倒だと言う人は、原液使用タイプを選ぶのも良いでしょう。
まとめ
※2021年3月に加筆・修正、更新しました。