「バイクが故障して修理して欲しい。」
「バイクの調子が悪いので見てほしい。」
バイクに乗っていれば、このような事は珍しい事ではありませんよね。
自分で修理ができるようなベテランライダーでなければ、ほとんどの場合はバイクショップにお願いすることになるでしょう。
こんな時、気になる事のひとつに
「どれくらいの修理期間が掛かるのか」
と言うことがあると思います。
また、簡単に直りそうなのに、なかなかバイクが戻ってこないと言う人も居るかも知れません。
そのため、ここでは
などについて解説しています。
バイクの修理期間はどれくらい?
結論から言えば、バイクの修理期間は、
と言うような感じです。
非常にざっくりした表現になっているのですが、事実、修理期間の目安を明確に表現するのは難しいと言えます。
まず、バイクを修理するには
と言う流れで進んで行きます。
そのため、実際の修理作業のほかにも必要な工程があると言うことですね。
この「原因特定~部品到着までの期間」が意外と長い事は把握しておくと良いでしょう。(詳しくは後述しています。)
また、具体的な修理に掛かる期間は、その作業内容にも変わってきます。
ただ、
この条件を全て満たしていれば、数十分~数時間で修理は完了するケースがほとんどです。
一般のユーザーさんはあまり知らないと思いますが、バイク屋の修理や整備は「時間工賃」と言うものが目安として決まっています。
これは、メーカー側で「〇〇の作業時間はこれくらいです。」とマニュアル化されているもの。
この作業時間をもとに1時間いくらで工賃が決まると言うわけです。(もちろん、ショップによって差はあります。)
この辺は敢えて詳しくは解説しませんが、参考までにいくつか抜粋すると、以下のような感じです。
作業内容 | 作業時間(単位:時間) |
ウインカーバルブ交換 | 0.1h |
チェーン交換 | 0.5h |
冷却水の交換 | 0.8h |
リアタイヤの交換 | 1.3h |
フロントフォークオーバーホール | 2.0h |
キャブレター分解調整 | 2.4h |
エンジン脱着 | 2.9h |
ミッションオーバーホール | 6.4h |
ピストンリング交換 | 7.2h |
「エンジンを脱着してミッションのオーバーホールをする」と言うような非常に重い整備・修理でも、「それだけに集中できれば」1日あれば終わると言うことですね。
もちろん、接客や他の業務もあるので、作業だけに一点集中するのは困難です。
ショップの作業環境や、修理した後のテスト(試乗確認)などの時間も必要なので上記の時間だけで終了すると言うことは無いでしょう。
ただ、作業時間自体は、数日~数週間もかからないのはわかります。
修理よりも部品取り寄せや原因特定に時間が掛かる
前述の通り、バイクショップで実際に修理する作業自体においては、それほど時間が掛かる訳ではありません。(もちろん、例外もありますが)
そのため、修理において時間が掛かるのは
の2つと言えます。
特に、バイクショップにとって、原因がわからない故障が厄介。
例えばですが
「走っているとエンジンが止まってしまう」
と言うようなケース。
どこが原因かわからなければ、修理もできないと言うことです。
とは言え、バイク屋もプロです。
今までの経験や、症状を見ながら原因を特定して修理してくれると言うわけですね。
ただ、バイク屋に持ち込んですぐ修理が始まると言うわけではありません。
原因がわからない場合は、特定するのに日数を要すると言うことです。
もちろん、見た瞬間に原因がわかるケースもたくさんあります。
その場合には、修理期間も早くなると言えます。
必要な部品は取り寄せになるケースも多い
バイクを修理するにあたり、部品の交換が必要なケースも多々あります。
例えば、スパークプラグやウインカーバルブのようにバイク屋にストックがあるようなパーツであれば問題ありません。
ただ、あらゆるパーツがバイク屋にあるわけではありません。
多くの場合、部品番号をもとにメーカーに発注する必要があります。
そうなると、部品が届くまでに2~3日は掛かってしまうと言うことですね。
また、メーカー側でも部品が欠品していると言うケースもあります。その場合には更に時間が掛かる事は覚悟しなくてはなりません。
バイクショップのスケジュールでも修理期間は左右される
もうひとつ、バイクの修理期間を大きく左右するのが、バイクショップの事情(スケジュール)。
当然、お店を開けていればお客さんが来る事もあります。
また、他に手掛けている修理や整備がある場合もあります。
つまり、修理を依頼されても、すぐに作業できるかと言えば、そうとも言えないのです。
特に、個人で経営しているバイクショップの場合には、バイクの修理や整備以外にも、接客やバイクのレッカー、登録業務、車検など色々な業務を少人数で回している事も珍しくありません。
そのため、ショップによっては比較的簡単な修理でも、預かりで数日かかってしまう事もあると言うことです。
外注業者の都合もある
修理の内容によっては、バイクショップから専門業者に外注することもあります。
たとえば、タンクやカウルの塗装が必要な場合。
また、シリンダーのボーリングなど特殊な作業。
このような時には、外注業者のスケジュールによっても修理期間が延びる事もあります。
関連記事≫バイク塗装の料金相場はいくら?費用について知っておくべき事とは
少しでも早く直して欲しい時はどうする?
バイクショップの事情も加味すると、修理に時間がかかってしまうのも仕方ないケースもあると言えます。
とは言っても、できれば早く修理して欲しいというのも本音ですよね。
当然、どうにもならないケースもありますが、いくつかのポイントはあります。
急いでいる事は必ず伝える
修理を依頼した時に、バイク屋に他の作業が全く無いと言うケースは少ないです。
いくつかの業務を抱えながら、スケジュールを組んでいるのが普通です。
ただ、
この2つは重要です。
例えば、ツーリングの予定がある場合や、通勤で使用している場合などは、しっかりと伝えておかないとショップの作業優先度も後回しになってしまう事も。
最優先でやって欲しいと言うのはやりすぎですが、できるだけ早くお願いしたいと言う意向は伝えておきましょう。
また、「いつ頃直るか」においては、ショップも明確に回答できない事もあります。(原因が分からないなど)
ただ、目安を聞いておかないと、完全にショップからの連絡待ちになってしまいます。
そのため、目安でも良いので修理が終わる予定が必ず確認しておきましょう。
※通勤などで毎日必要なケースは代車があるショップにお願いするのもひとつの方法です。
関連記事≫バイクにも代車の貸出しはある?借りられるショップや費用について
大手やディーラーの方が修理が速いこともある
もし、日頃から付き合いのあるショップがある時は、別のショップに依頼するのはおすすめしません。
ただ、そのようなショップが無く、修理してくれるショップを探す場合には大手ショップやディーラーの方が修理期間が速いというケースも多いでしょう。
これは、
と言うことがあるため。
特に、営業(接客)スタッフとメカニックが分かれていると言うのは非常に作業効率が良くなります。
また、ディーラーであれば作業スケジュールなどもきっちりしており、取扱メーカーのパーツストックも一般の専業店よりも豊富と言えます。
(それでも取り寄せになる部品も多いですが。)
あくまでも一般論ですが、行きつけのショップが無く、急いで修理したいときは大手やディーラーの方が早いと言えます。
関連記事≫他店で買ったバイクの修理を断る理由と直してくれるショップの見つけ方
なかなか修理が終わらない時の対処法
予定では1週間程度で終わるはずの修理。でも、修理予定を過ぎてもバイク屋から連絡がない。
こんな時にはどうしたら良いのでしょうか。
結論から言えば、自分からバイク屋に連絡をしましょう。
バイク屋から連絡が無い場合、
と言うようなケースがあります。
普通であれば、修理予定が長引く場合にはバイク屋から連絡があるのが当然です。
ただ、残念ながらこのような接客ができないショップがあるのも事実です。
とは言え、そのまま待っていても仕方がありません。
現状どのようになっているのか、また、いつ頃終わる予定なのかを改めて確認をするようにしましょう。
もしかしたら、自分から連絡をしにくいと言う人も多いかもしれません。
ただ、あくまでも目安とはいえ、予定の期日を超えているのであれば遠慮する必要は全くありません。
いつまで経っても修理が終わらない時はどうする?
エンジンのフルオーバーホールなどの重整備や、絶版車などで部品を揃えるのが難しいバイク。
このような時には、修理に1か月以上かかるようなケースもあります。
ただ、明らかに預けたまま放置されているようなケース。
当初の修理期間を大幅に超えているのに、全然進んでいないような場合ですね。
このような場合には注意が必要です。
なかには、仕事を受けるだけ受けて、待たせるだけ待たすと言うようなスタンスの悪質なショップもあるからです。
改めてショップに事情や現在の状況を確認して、全く手つかずであれば、キャンセルしてしまう方が良いとも言えます。
まとめ
バイクの修理は、修理作業だけでなく、故障原因の特定や部品の調達にも時間が掛かると言うことは知っておくと良いでしょう。
とは言え、できれば少しでも早く直して欲しいというのも、正直なところだと思います。
もちろん、メーカーの部品在庫やバイク屋のスケジュールなど、どうにもならない事もあると思います。
ただ、しっかりとショップとコミュニケーションをとる事は非常に大事だと言えます。