バイクには、フロントサスペンション(フロントフォーク)を繋ぐ「スタビライザー」と言うパーツがあります。
このスタビライザーですが、アフターパーツとして販売されています。
ただ、その目的や効果が、いまいち良く分からないという人も多いのではないでしょうか。
そのため、ここでは
などについて解説しています。
バイクのスタビライザーとは?
バイクのスタビライザーとは「フロントフォークスタビライザー」とも呼ばれ、2本あるフロントフォークを繋ぐ金属製のパーツのこと。
英語ではstabilizerと表記し「安定させる人」「安定板」と言う意味となります。
また、アルミの削りだしなどで製作されている事が多く、主にアウターチューブの上部、フロントフェンダーの少し上に取付けられるのが一般的です。
スタビライザーを付ける目的は?
バイクにスタビライザーを付ける目的は
の2つとされています。
剛性とは、曲がりや捻(ねじ)れなどの力に対して、歪(ゆが)まない性質のこと。
バイクの場合、2本のフロントフォークでタイヤを支え、フロントの衝撃吸収をしています。
その構造上、コーナーリングの時や衝撃吸収の際に、少なからず曲がりや捻れの力が掛かります。
この時、スタビライザーがフロントフォークに掛かる歪みの力を抑制してくれると言うわけですね。
また、前述の通りアルミの削り出しや、アルマイト加工がされているスタビライザーも多く、装着することでレーシーな感じや高級感を高めてくれるとも言えます。
そのため、走行性能の変化よりも、ドレスアップ目的で装着する人も多いと言うわけです。
スタビライザーはいらない?効果ってあるの?
ドレスアップ目的であれば、走行性能の変化は特に気にする必要がありません。
ただ、実用目的で装着を検討している場合には、やはり機能的な「効果」が気になるところです。
スタビライザーを装着し、フロントの剛性が高まる事によってどのような効果が生まれるのでしょうか。
具体的な効果としては
と言うような事があげられます。
ただ・・・もちろん理論上では間違っていないと思われますが、実際に取付けても効果を実感できない人も多いのは事実です。
理由としては
と言うような事があげられるでしょう。
例えば、普段から「フロントの剛性が気になる・・・」なんてことを意識して運転している人はかなりの少数派ではないでしょうか。
普段からサーキット走行やレースを経験していたり、峠を攻めたりしているような人ならともかく、多くの人はあまり気にしていないと思います。
また、最近のバイクの性能向上も大きな理由のひとつと言えます。
昔のバイクの場合、アスクルシャフトが細かったり、フォーク自体も細いバイクが多かったのです。
このようなバイクのほうが、スタビライザーの効果は実感しやすいと言えます。
そのため、絶版車や古いバイクに乗っている人の方が、スタビライザーを利用する人が比較的多いと言うわけですね。
ただ、最近はフロント廻りの剛性も良くなっていますし、倒立フォークが純正で入っている車種まで増えてきました。
そのため、スタビライザーを付けても、効果が体感できないと言う人が多いと言うわけです。
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スタビライザーは付けない方が良い?デメリットは?
スタビライザーには、場合によってはデメリットもあると言えます。
具体的には
まず、剛性が上がり乗り味が変わったとしても、感じ方は人それぞれと言うことです。
なかには、「曲がりにくい」「乗りにくい」と感じる人も居ると言うわけですね。
また、しっかりとしたメーカーが出しているものならともかく、商品的に信頼性に疑問があるスタビライザーもあります。
例えば、製品の寸法がずれていてフロントフォークに余計な力を掛けてしまうようなケース。
無理やり取り付けると、かえってフォークの動きを悪くしてしまう様なこともあります。
有名メーカーなら安心と言うわけでは無いですが、安物買いの銭失いにならないように注意が必要と言うことですね。
スタビライザーを購入する時の注意点
スタビライザーを購入する時には、
と言うことがポイントです。
サイズにおいてはフォークピッチ(2本のフォークの円の中心間の距離)やフォーク径(フォークの直径)を確認しておく必要があります。
もちろん、ノーマルであれば適合車種で確認しても大丈夫です。
また、車種によってはフロントフォークガードを外す(ずらす)必要があったり、ブレーキホースのステーなどに干渉することもあります。
スタビライザーはボルトオンで付けられるものも多いですが、そのままでは付かない場合もあると言うことは認識しておくと良いでしょう。
まとめ:スタビライザーの効果は乗り方やバイクによって違う
前述のとおり、最近のバイクは性能も上がって来ているので、もともと十分なフロント剛性があるとも言えます。
そのため、以前に比べたらスタビライザーのニーズも減ってきているのかも知れません。
ただ、車種によっては効果も感じられるでしょうし、ドレスアップ目的なら機能性は気にする必要もないと言えます。