バイクのタイヤを見てみたら、溝はたっぷり残っているのにひび割れがある!
こんな時は、走行に問題が無いのか気になるところです。
結論から言うと、ひび割れが発生しているとスリップやバーストの原因にもなる為、早めにタイヤの交換をするべきです。
ここでは、バイクのタイヤのひび割れについて、詳しく解説しています。
バイクのタイヤがひび割れを起こす原因
タイヤがひび割れを起こす原因は色々ありますが、基本的には普通に走っていても、いつかはひび割れは起きるものです。
そのため、ひび割れはタイヤが劣化してきたサインであるという事です。
まずはひび割れが起きる原因について見てみましょう。
経年劣化
タイヤはゴムでできていますが、時間が経てば経つほど劣化していきます。
タイヤの使用寿命は一般的には3年程度と言われていますが、使用しているうちに徐々にゴムが硬化していきます。
また、雨風にさらされたり、直射日光による紫外線のダメージの蓄積がひび割れを起こすと言う訳です。
関連記事≫バイクのタイヤの寿命はいつ?交換時期の判断方法とは
薬品の使い過ぎ
タイヤの艶出し剤や、タイヤの洗剤などの薬品は、使いすぎるとタイヤの劣化・効果の原因にもなります。
通常タイヤには劣化を防ぐために油分(劣化防止剤)が入っているのですが、艶出し剤や洗剤の成分によっては、この油分が抜けて行く原因にもなります。
空気圧
走行しているうちに、少しずつですがタイヤの空気は抜けて行くものです。
そのため、通常は定期的に空気を充填します。
一方、空気圧が低い状態で走行することにより、タイヤが変形した状態で走行することになります。この空気圧が低い状態での走行もひび割れの原因とされています。
関連記事≫バイクのタイヤ空気圧!適正値や入れ方・頻度を解説!
荷重や積載の過多
荷物を多く積んだり、タンデムが多くなると、タイヤにも大きな荷重が掛かります。
その分、タイヤがつぶれたような状態になり、このような状態が頻繁に続くと、ひび割れをしやすい状態に繋がります。
ひび割れしたタイヤの危険性
タイヤがひび割れをしてくると、まず危険なのはバースト(破裂)の原因になるという事です。
バーストの場合、徐々に空気が抜けて行くパンクとは異なり、タイヤが破裂します。
バーストすれば、そのまま転倒に繋がりますので、重大な事故になる可能性も非常に高いですよね。
ひび割れしたタイヤはバーストの代表的な兆しと言われているのです。
特に、トレッド面(地面との接地面)にひび割れが入っている場合には、バーストの大きな原因になります。
また、バーストまで行かなくても、ひび割れをしているタイヤの場合は、劣化が進んでゴムが硬化している事は間違いありません。
程度にもよりますが、ゴムが硬化したタイヤの場合にはグリップ力がかなり落ちている状態です。グリップが落ちているタイヤであれば当然「スリップ」もしやすくなります。
特に路面がぬれている場合や、高速走行、ワインディングなどは、ひび割れタイヤだと更にスリップの危険は高くなります。
ひび割れしたタイヤの対処法
タイヤがひび割れしてきた場合には、一番の対処法はタイヤの交換です。
特に接地面にひび割れが発生している時には、なるべく早く交換しましょう。
良く、バンク修理剤などで応急処置をすると言うような話もありますが、基本的にはおすすめしません。
タイヤの劣化状態が回復するという事はありませんし、ひび割れが発生している時には部分的にではなく、全体的にひび割れが発生しているケースがほとんどです。
はっきり言って効果的とは言えません。
何より、バイクの場合には車と異なり、スリップやバーストが起きれば、ほぼ間違いなく転倒します。
大きな事故につながる可能性は車よりよっぽど大きいのです。
側面のひび割れと接地面のひび割れ
バイクのタイヤがひび割れを起こす場所は2つあります。
ひとつはトレッド面(接地面)ともうひとつがサイドウォール(側面)です。
一般的には、側面のひび割れの方が先に発生しやすく、側面のひび割れは接地面のひび割れに比べると、バーストの危険性は低いと言えるでしょう。
側面のひび割れのみで、且つ軽度であれば、しばらくはそのまま走行しても大丈夫です。
とはいえ、タイヤの劣化と硬化が進んでいる事には間違いありませんので、スリップなどには充分気を付けて走行するようにしましょう。
また、多少でもひび割れが出てきている以上は、徐々にひび割れがひどくなっていきます。
車検の時や、ショップにメンテナンスを依頼するタイミングなどで、早めのタイヤ交換をしましょう。
逆に、接地面にひび割れがあるでようでしたら、できるだけ早急に交換しましょう。
ひび割れをしているタイヤでも車検は通る?
良くある疑問に、「ひび割れしたタイヤで車検は通るのか?」と言うものがあります。
結論から言うと、車検の保安基準にはタイヤの溝の深さはあっても、ひび割れの有無はありません。
そのため、ひび割れしたタイヤでも溝が0.8㎜あれば問題ないという事になります。
(※バイクの車検の保安基準では、必要な溝の深さは0.8mm。車の場合には1.6mm)
しかしながら、車検場や検査員によっては、あまりにも酷いひび割れの場合にはNGにされる事もあります。
そのため、車検のタイミングであれば、よっぽ軽微な側面のひび割れでなければ、交換してしまった方が良いでしょう。
中古バイクを買う時にもひび割れはチェックしよう
中古のバイクを買う時には、タイヤの溝の残りはチェックする人も多いでしょう。
中古バイクのサイトでも、溝の残りについては良く記載があったりしますが、意外とひび割れは盲点になります。
どんなに溝が残っていようが、ひび割れが発生しているタイヤの場合には、購入後の早い段階でタイヤ交換が発生します。
中古バイクの場合には、タイヤの経年劣化も進んでいる場合も多いです。
中古バイクのタイヤをチェックする時には
を併せてチェックすると良いでしょう。
関連記事≫タイヤのサイズ表記や製造年月日の見方を詳しく解説!
タイヤのひび割れを防ぐ方法
前述のとおり、タイヤのひび割れ自体は、普通に乗っていてもいずれは発生してしまうものです。
とはいえ、できるだけ発生しないように寿命を延ばしたいものです。そのために、できる対処法をいくつか紹介します。
マメに空気圧をチェックする
低下した空気圧の状態で走る事は、タイヤに変形の原因になりひび割れに繋がります。
できるだけ、マメに空気圧をチェックして適性な空気圧を保つようにしましょう。
保管状態に気を付ける
ゴム劣化には紫外線の影響も大きいです。
自宅やガレージに保管している時には、直射日光に当たり続けないように、屋内やバイクカバーを使うようにしましょう。また、屋外の場合には紫外線対策のしてあるバイクカバーを選ぶと良いでしょう。
バイクカバーはすっぽりとタイヤが隠れるサイズを選ぶことも重要です。
関連記事≫バイクカバーのおすすめ厳選4点!長持ち・耐熱・防水で選ぶ!
タイヤの艶出し剤などは劣化を早めるものもある
真っ黒で艶々としたタイヤはカッコいいものです。
とはいえ、あまりにも使いすぎるとタイヤの劣化を早める原因にもなります。
また、艶出し剤の種類や成分によっても大きく変わってきます。特に油性のタイヤワックスはあまり良くないと言われています。
まとめ:ひび割れしたタイヤは早めに交換
バイクにとって、タイヤは非常に重要な部分です。
二輪という不安定な乗り物で、タイヤの状態ひとつで大きな事故につながる事もあります。
一方で、タイヤは大きなバイクになればなるほど、高価なものになってきます。多少のひび割れであれば、まだ平気だろうと思ってそのまま乗りたくなるのは無理もありません。
しかしながら、ひび割れをしているという事は、確実に劣化しているというサインです。
安全第一で、タイヤにひび割れが出てきたら、早めに交換を検討することをおすすめします。
※2019年9月更新