バイクに興味があって、ネットや本を見ていると「SS」とか「NK」とかの略語が出てくることが良くあります。
これはスーパースポーツ、ネイキッドバイクの略でバイクのタイプを表しています。
また、最近はアドベンチャーバイクが人気とも言われていますが、そもそもアドベンチャーバイクってどんなバイクなのでしょうか?
他にもツアラーやアメリカン、オフロードなど様々なバイクのタイプが存在します。
ここでは、
について解説しています。
バイクのジャンル(タイプ)には色々ある
一概にバイクと言っても色々な種類があるのはご存知かと思います。
50㏄の原付スクーターでも、1000㏄以上のハーレーでも同じバイクという括りでまとめる事は可能です。
ただ、バイクには色々な種類があって、サーキットを走るようなスポーツタイプのオンロードバイクから、悪路走行ができるオフロードバイク、他にもその特性や姿(スタイル)からそれぞれ名称があります。
それぞれのジャンル(タイプ)に付いて説明していきましょう。
SS(スーパースポーツ)とレーサーレプリカってどんなバイク?
SSとは、SuperSports(スーパースポーツ)の略した言い方のこと。
オンロードのレースでもそのまま走れるようなハイパワー&高性能のスポーツバイクのことを指します。
加速性や最高速、旋回性に優れているバイクですね。
速度性能を重視しているため、多くのSSバイクには空気抵抗を考えられたカウルが付いていて、そのほとんどがバイク全体を覆う形状のフルカウルと言っても良いでしょう。
昨今では、200馬力オーバーのバイクも出てきています。
これらのような高性能バイクは、サーキットでもない限りはその性能を完全に発揮するのは難しいと思います。
見た目にも、とにかく早そうなバイクですね。
関連記事≫バイクの馬力とトルクって何?違いをわかりやすく解説【初心者向け】
特に性能の高い600㏄クラス以上をSSという事が多く、1000㏄を超えるものはリッターSSと呼んだりもします。
ただ、250㏄でもヤマハのYZF-R25やホンダのCBR250RRなどはスーパースポーツであるという声もありますね。
また、80年代のバイクブームの時には、当時のレースマシンをレプリカ車として、灯火類やスタンドを付けたりエンジンを公道仕様にして積極的に販売していました。
これらの車両は「レーサーレプリカ」と呼ばれ、同じ高性能マシンでも、もとから市販車のSSとは別に扱うという人が多いです。
バイク初心者からすると、見た目はSSもレーサーレプリカも、しっかりとカウルが付いた速そうなバイクです。
NK(ネイキッド)とはどんなバイク?
NKはNaked(ネイキッド)の略で「裸の」という意味です。
カウルが付いていないエンジンがむき出しになっているバイクを、総じてネイキッドバイクと呼んでいます。
基本的には、エンジンがむき出しになっているかという点が重視されるので、中にはヘッドライト周辺を覆う小型のビキニカウルが付いているものもあります。
80年代のバイクブームが落ち着いてきたときに、カワサキから出てきたゼファーがネイキッドの火付け役になったと記憶しています。
人によっては、一番「バイクっぽい」バイクと言う人も多いですね。
また、「エンジンがむき出しになっている=ネイキッド」ではありますが、この定義だと、この後説明するアドベンチャーバイクやアメリカンもネイキッドという事になってしまいます。
そのため、一般的にはエンジンがむき出しで、且つ、スポーツ性能が高く、ポジションや操作性の安定しているバイクを指すことが多いと思います。
アドベンチャーってどんなバイク?
アドベンチャーバイクは、Adventure(冒険)の意味の通りに、基本的にはオフロードをベースに悪路走行をすることを前提にしつつも、オンロードでの走行性能も追及したバイクのこと。
「高速道路でも、山道でもドンと来い!どこでも走るぜ!」のようなバイクで、また、荷物の積載性も追及したバイクが多いように思います。
有名なのはBMWのGSシリーズが人気ですが、昨今は国内でも250クラスのアドベンチャーバイクが注目を集めています。
また、最近はアドベンチャーという呼び方が主流になってきましたが、このようなオンロードとオフロードの両方の走行性能を持つバイクは昔からあります。
当時はデュアルパーパスという呼び名でも呼ばれていました。
アメリカン(クルーザー)とはどんなバイク?
アメリカンは直線をゆっくりと長く巡航するのに適した構造のバイクで、ハーレーに代表されるバイクです。
ゆったりとしたポジションでロー&ロングスタイル(低く長く)のバイクがほとんどですね。
80年代後半にホンダからSTEED(スティード)が販売され、国産アメリカンに火が付いたと記憶しています。
そこからは根強いファンの居るジャンルですね。
ワインディングや起伏にはあまり適していませんが、長距離を走るには向いているバイクです。
もちろん、「アメリカン」と呼ばれていますが、ヨーロッパや日本のバイクでもこのタイプならアメリカンと呼ばれます。
また、巡航を意味する「クルーザー」と呼ぶこともあリます。
ツアラーとはどんなバイク?
ツアラーは英語でTourer、一言でいうと「ツーリング」目的のバイク。
ツーリングと言っても、高速で長距離の走行をするツーリングをイメージして頂くと良いかもしれません。
高速長距離走行を重視しているので、しっかりとしたカウル付きで安定性や防風性に優れています。
積載性や色々な装備も充実しているバイクが多いですね。
関連記事≫バイクの荷物の積載制限!【高さ・幅・長さ・重量】を詳しく解説
前述のアメリカン(クルーザー)もツアラーの一種と言う人もおり、クルーザーと分けるためにスポーツツアラーと言うケースもあります。
オフロード(モタード)とはどんなバイク?
オフロードはその名の通り、未舗装(砂利や土)路を走る事を重視したバイクで、「オフ車」と略して呼ばれることが多いです。
多くのオフ車は、軽い車体でストロークの長いサスペンション、大きなアップタイプのフロントフェンダーが付いていて、オフ走行向けのタイヤを履いています。
関連記事≫バイクのタイヤの種類を解説!ラジアルとかバイアスって何?
このオフ車の足回りを、オンロード走行向けに変えたのがモタードです。
モタードバイクは一見オフ車に見えますが、ホイールが小径になっていてロードタイヤを履いているのが特徴。
また、オフ車の中でもレース向けの「モトクロッサー(モトクロス)」「エンデューロ」があります。
これらは競技用のオフ車ですね。
ちなみに、モトクロッサーは未舗装の周回コースを走るレースで、エンデューロは自然の中を走る耐久レースのようなものです。
スクーター(ビックスクーター)とはどんなバイク?
スクーターの説明を敢えてするのは意外と難しいのですが、ギアチェンジが不要でアクセル(スロットル)操作だけで運転できるバイクです。
50㏄の原付は原チャリ、51㏄~125㏄は原2(げんに:原付2種の略)なんて呼ぶのが一般的でしょうか。
※スクーターの定義については、下記の記事内でも詳しく触れています。是非参考にしてみて下さい。
関連記事≫【単車】【オートバイ】【バイク】に違いは?意味や由来を解説
また、一般的には、普通二輪免許(AT含む)が必要になる126㏄以上のスクーターをビックスクーターと言います。
ヤマハのマジェスティから、ビックスクーターブームが始まり、エアロパーツやLEDカスタム、ローダウンなどで一世を風靡しました。
オールドルックとはどんなバイク?
オールドルックの定義は非常に難しいのですが、ある意味そのままで、古いバイク「風」なバイクと言えるでしょう。
この「風」と言うのがポイントで、本当に古いビンテージバイクや旧車の場合には、むしろオールドルックとは言いません。
ビンテージ、クラシックバイク、旧車と呼びます。
オールドルックの場合、見た目は古いバイクのようなスタイルですが、機能は発売当時の最新技術を採用してることが多いです。
例えば、最新のインジェクションや消音機能を搭載しているとかですね。
オールドルックの代表的なところで言うと、カワサキのW650、カワサキのエストレア、ヤマハのSRなどですね。
ストリートバイクとはどんなバイク?
ストリートと言うジャンルは、定義が曖昧なバイクのジャンルと言えるでしょう。
このストリートは、完全に筆者の見解になりますが、ツーリング目的や林道&オフロード目的ではなく、街中(ストリート)で乗るという、むしろバイクのタイプではなく乗り方のようなイメージ。
街の中で乗る事が前提なので、機能や性能よりもファッション要素のカスタムや使い方ができるバイクのイメージです。
このジャンルが出てきたのは、ドラマで木村拓哉がカスタムされたTWに乗って爆発的に売れたのがきっかけでしょうか。
その後、FTRが同じようにバカ売れして、スカチューン、スーパートラップのカスタムが定番になって、グラストラッカーなども街乗りカスタムをされて非常に売れていました。
この当時はファッション誌でも多く特集していた記憶があります。
オフ車のオンロード仕様である「モタード」も街乗り仕様という意味では、ストリートバイクと言えるでしょう。
まとめ
実は、この手の「バイクのタイプや分類」には、明確な定義がありません。
あくまでも一般論として言われているバイクの分類です。
そのため、これからもメーカーの発表時の言葉やキャッチコピー、それを取り上げるバイク関連のメディアの影響で新しいジャンル(タイプ)もどんどん出てくるでしょう。
たとえば、最近はヤマハのXSR900が出た頃に「ネオクラシック(ネオ・レトロ)」という言葉が流行りました。
クラシックと言うのは「古典的な、古い」のような意味で、ネオは「新しい」ですね。
つまり、性能は新しいのですが、どこか古いバイクの雰囲気を持っているバイクのジャンルです。
(オールドルックも同じような感じではありますが・・・。)
関連記事≫最近流行りのバイク【ネオクラシック】とは?人気の車種も紹介!
これからも時代の変化に伴い、いろいろなバイクのジャンルやタイプの呼び名が出てくるのでしょうが、それはそれで、バイクが盛り上がる事に繋がればと思います。
※本記事は2019年4月に記載しています。ご活用の際は、有用性をご確認くださいますようお願い致します。
※2020年2月に更新しました