バイクのエンジンを掛ける場合、多くのバイクがセルモーター方式です。
そのセルを回すのがバッテリーですが、
「バッテリーが弱くなってきた気がする・・・」
「バッテリーの寿命って何年くらいなの?」
そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
そのため、ここでは
などについて詳しく解説しています。
バイクのバッテリーの寿命は何年くらい?
バイクのバッテリーの寿命は、あくまでも一般論ですが
と言われています。
ただ、バッテリーは個体差が非常に大きいのも事実。
全てのバッテリーが上記の年数(走行距離)で寿命を迎えるかというと、そうとも言えません。
5年くらいしっかり使える場合もあれば、使い方によっては1年持たないという事もあるのです。
そのため、寿命の症状や判断方法を知っておくと、適切な時期で交換ができると言う訳です。
バッテリーの種類
また、バッテリーにはいくつかの種類があります。
基礎知識として、簡単に説明しておきます。
バッテリーを大きく分けると、鉛バッテリーとリチウムバッテリーがあります。
鉛バッテリー
まず、鉛バッテリーは更に2つの種類があります。
開放型バッテリー
開放型は、バッテリーの蓋が開くタイプ。バッテリーの液を補充して使用します。
液は少しづつ減ってきますので、減ったら補充する必要もあります。
MF型バッテリー
MFはメンテナンスフリーのことです。
密閉型とも言われています。こちらは、その名の通り密閉されていますので開ける事ができません。バッテリー液の補充などは不要です。
最近のバイクは、ほとんどがこのMF型バッテリーを使っています
リチウムバッテリー
リチウムバッテリーは、鉛バッテリーに比べて「軽い」「小さい」ため、レース車や一部のSS系バイクに使われています。
自然放電も少なく良い事ばかりですが、専用の充電器が必要であったり、価格も高価なため、まだまだ普及率は低いのが現状です。
バッテリーの寿命の症状とは
では、バッテリーは寿命になるとどのような症状が出るのでしょうか。
具体的には
という症状が見られます。
分かりやすいのは、エンジン始動のセルを回した時。
「キュルキュルキュル」と調子よく回っていたのが、「キュルッ・・・キュルッ・・・」と勢いが無くなってくるとバッテリーも弱くなっているという事。
バッテリーはセルを回す時に、一番電力を消費します。
そのため、セルが弱くなってきたら危険信号です。
また、バッテリーの電力が弱くなってくると、当然ライトやウインカー、各ランプなどの光が弱々しくなってきます。
これらの症状が出てくると、寿命の可能性もあるという事です。
一番正確にバッテリーの状態を判断する方法は、テスターで電圧を測る事。
正常なバッテリーの場合の電圧は12.5~13V(ボルト)です。
12.4V以下の場合には、かなり弱っている証拠です。
【参考:充電状態の目安】
電圧 | 充電状態 |
---|---|
13.0V | 100% |
12.4V | 60% |
11.8V | 20% |
10.5V | 0% |
電圧テスターはひとつ持っていると便利です。(デジタル表記がわかりやすくておすすめ)
ピンキリですが、安いものなら1,000円くらいでも買えますよ。
寿命でなく放電の可能性もある
セルが回りにくかったり、ライトなどの光が弱くなっている場合には、まずバッテリーを疑います。
ただ、寿命を迎えている事もあれば、放電しているという場合もあります。
放電とは、機能的には問題がないけど、バッテリーの中の電気が不足している状態。
バッテリーは、使っていないと少しずつ電気を失っていってしまうのです(自然放電)
例えば、
こんな時には、バッテリーの電力が弱くなって寿命の時のような症状が出ます。
セルが弱くなったり、ライトやウインカーが弱くなったりですね。
寿命ではなく放電の場合には、バッテリーを充電することによって、本来の機能を取り戻すことができます。
ただ、放電⇔充電を繰り返していると、バッテリーの寿命を縮める原因にもなるので注意が必要です。
寿命を判断する方法
では、寿命なのか放電なのかはどうやって判断すれば良いのでしょうか。
寿命まずは、使用年数です。
この場合で、症状が見られる時には寿命の可能性も高いでしょう。
年数が経っていなくても、4~5万㎞走っていれば寿命の可能性もあります。
充電をする事で一時的に回復する事もありますが、またすぐに電力が弱くなってしまうので、新しいバッテリーに交換する方が良いでしょう。
一方で、
このような時には、充電で回復する可能性も高いので、まずは充電してみると良いでしょう。
バッテリーの充電は、充電器があれば自宅でもできます。
テックメイトのOptimate(オプティメイト)は少々お値段がしますが、バイクはもちろん、車まで使えます。高性能で使い方も簡単なのでかなりおすすめです。
もし、自分で充電する事に自信が無い場合、バイク屋さんでも対応してくれるところは多いです。
ただ、当然「工賃」が発生しますので、2~3千円は掛かります。
バイクも半日~1日預けるのが普通です。
また、充電したけど実は寿命だったという事もあるでしょう。
このような時には交換時期ですので、新品に変えてしまいましょう。
バッテリーの寿命を延ばすコツは?
バッテリーの寿命には、個体差があるのは事実ですが、少しでも長く使うコツもあります。
具体的には、「満充電の状態を維持する」というのがポイントです。
バッテリーは常に満充電の状態にしておくことで、長く使う事ができます。
逆に、充電量が不足している状態が続くと、寿命が短くなるのです。
そのため、
と良いでしょう。
バイクは走っていると発電をして、バッテリーにも充電されて行きます。
そのため、一番簡単なのは定期的にバイクを走らせること。
アイドリングだけとかコンビニまでのチョイノリだけでは不十分なので、20~30㎞くらいは走ると良いでしょう。
定期的に電圧をチェックして、不足が見られる様なら充電をしておくのもポイント。
繋ぎっぱなしでも大丈夫な充電器があると便利です。
また、バッテリーはどんどん自然放電して言ってしまいます。ある程度の期間乗る事が出来ない時には、バッテリーを外しておくことで自然放電を抑えることができます。
完全にバッテリーを降ろさなくても、マイナス端子を外しておくだけで効果があります。
(長期間乗っていなかった時には、再充電してから乗りましょう)
関連記事≫長期間乗らない時のバイクの保管方法
あとは、セルを回し続けないこと。
冬場などは、エンジンが掛かりにくい事もあります。
このような時に、セルを延々と回し続けると一気に電力を消費してしまいます。
エンジンが掛かりにくい場合には、チョークで燃調を調整したり、(キックがあれば)キックスタートを使うなどをして、セルの回し過ぎに注意しましょう。
ジェネレーターやレギュレーターの不調が原因のケース
もし、新しいバッテリーに交換しても
「すぐにバッテリーが上がってしまう」
「セルが弱くなってしまう」。
こんな時には、他の原因も考える必要があります。
怪しいのは
ジェネレータ(オルタネータ)とレギュレーターの不調です。
バイクは走っていることで発電しています。
ジェネレータ(オルタネータ) とは、この電気を発電する部品です。
ただ、この発電した電気はそのままだと使えないので、使えるように整えて安定させるのがレギュレーター。
つまり、
というサイクルでバッテリーの電圧を保っているという事ですね。
そのため、バッテリーが新品でも、ジェネレーターやレギュレーターに不具合があると、セルが回らなくなったり、電装系の不調が出ると言う訳です。
こうなると、ジェネレーターやレギュレーターの交換が必要になります。(数万円の費用が掛かってしまう事が多いです。)
新品バッテリーでも不調が続くときは、このような原因も考えられますが、正確な原因を把握するにはバイク屋さんに相談するのが一番良いでしょう。
関連記事≫バイクのレギュレーターとは?故障した時の症状や交換費用も解説
関連記事≫バイクのジェネレーターとは?故障時の症状や修理についても解説
まとめ
中型以上のバッテリーになると、1~2万円くらいはしてしまいます。(車種によってはそれ以上も)
費用も馬鹿にならないので、できれば長く使えると良いですよね。
一番のコツは、満充電の状態をキープしておく事。
そのためには、定期的にバイクを走らせるのが一番簡単です。
乗らないで放置しておくと、バッテリーもヘソを曲げてしまうと言う事かも知れませんね!
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