バイクのバッテリーを交換しようとした時に、色々な種類があって良くわからないという人も多いようです。
バイクによって、バッテリーの種類や容量、大きさが異なりますので、間違ったバッテリーを購入してしまうと、正常に使用できない事もあります。
また、バッテリーのメーカーを変える時には「互換性」があるかが重要になります。
そのため、ここでは
詳しく解説しています。
バイクのバッテリーにはどんな種類がある?
まず、バッテリーの種類は大きくわけると2つの種類があります。
ひとつは鉛バッテリー。
もうひとつがリチウムバッテリーです。
大きな違いは、電気を蓄電するための素材の違い。
名前のとおりですが、鉛を使ったバッテリーなのか、リチウム系の素材を使用しているかの違いです。
現在は、ほとんどのバイクは鉛バッテリーを使用しています。
また、鉛バッテリーについては、更に
に種類が分かれます。
そのため、「密閉型」「開放型」「リチウム」の3つに分かれると説明する人もいます。
まずはリチウムバッテリーについて補足しましょう。
高性能なリチウムイオンバッテリー
バイクのリチウムバッテリーは「リン酸鉄リチウム」を使用している事が一般的です。
バイク用のリチウムバッテリーが出てきたのは2016年頃で、まだ歴史の浅いバッテリーです。
リチウム系の素材を使用したバッテリーは
という特徴があり、高性能なバッテリーと言えるでしょう。
ただ、性能的は優れているのですが、高価な素材を使用することで価格は鉛バッテリーよりも高くなってしまいます。
充電をする場合にも、専用の充電器が必要になる事がほとんど。
バイクの世界では、レースなどで使われる事が多いバッテリーです。
ただ、最近では少しずつ、純正でリチウムバッテリーが採用されているバイクも出てきています。(とは言っても、まだまだ少ないですが・・・)
鉛バッテリーは開放型と密封型の2種類
では、鉛バッテリーについて深掘りしていきましょう。
鉛バッテリーは
の2つに分けられます。
開放型バッテリー
開放型バッテリーは、その名の通り、バッテリーの蓋の部分が解放できる(開けられる)形式のバッテリーです。
バッテリーは、簡単に言うと鉛と希硫酸の化学反応によって電気が蓄えられるのですが、開放型バッテリーは長く使用していると希硫酸が減ってきます。
そのため定期的に補充液(精製水)を補充する必要があります。
また、6Vと12Vのラインナップがあるのは開放型だけ。(密閉型は12Vのみ)
古いバイクは6Vの場合があるので、その場合には開放型バッテリーを使用しているはずです。
もともとは、バイクのバッテリーは開放型が主流でしたが、昨今はメンテナンスの不要な密閉型のバイクが主流になっています。
密閉型バッテリー
バッテリーは使用するとガスが発生し、開放型の場合には排出口から放出されます。
密閉型バッテリーの場合には、
このふたつの構造によって、バッテリーを密閉しています。
密閉している為、バッテリー液の減少もなく、液の補充も不要になっています。
そのため、MF型(メンテナンスフリー)バッテリーとも呼ばれています。
メンテナンスが不要な事とその構造から、開放型よりも高価になる傾向にはあります。
ただ、現在のバイクは、この密閉型バッテリーが主流です。
また、そのしくみから「VRLAバッテリー(valve-regulated lead-acid battery/制御弁式鉛蓄電池)」と言う事もあります。
さらに、シールドバッテリー、ドライバッテリーと呼ばれる事もあります。
シールドバッテリーはsealed(密封された)の意味。
ドライバッテリーは、乾いている訳ではありませんが、開放型に比べ液量が少ない為です。(逆に開放型はウェットバッテリーと言われる)
様々な呼び方があるのですが、多くの人が密閉型バッテリーと呼んでいます。
AGMバッテリーとかゲルバッテリーって何?
バッテリーを探していると、
と言うような表示を目にする事があります。
これらはどういうバッテリーなのでしょうか。
AGMバッテリーのAGMとは、Absorbed Glass Matの略です。グラスマットにバッテリー
液を吸収させた構造のことです。
一方、ゲル(ジェル)バッテリーはバッテリー液をゲル(ジェル)状にして繊維に含ませたバッテリーです。
要は、同じ密閉型バッテリーですが、バッテリー液を浸み込ませているのか、ジェル状にして浸み込ませているかの違いです。
ジェル状の方が耐震性などに優れ、高価になる傾向にあります。
バッテリーを交換する時に種類を変えても平気?
バッテリーが寿命を迎えると、交換をしなくてはなりません
交換をする時に、バッテリーの種類を変えても平気なのでしょうか?
国内のバッテリー最大手、GSユアサさんによると、次のように解説されています。
車両のレギュレーターからバッテリーへの充電制御は、新車時搭載のバッテリーを元に設計されています。
引用:GSユアサ
バッテリーの構造上、開放型タイプとVRLAタイプは充電電圧の制御方法が異なります。よって、むやみに載せ換えを行うと、思わぬ短寿命や爆発が起きる可能性がありますので、載せ換えは行わないでください。
密閉型と開放型の変更はしてはならないとの事です。
交換するときには、現在使用中のバッテリーと同じタイプのバッテリーを使うようにしましょう。
関連記事≫バイクのバッテリーの寿命は何年?症状と判断する方法!
バッテリーの互換性とは?
バッテリーの種類は変えなくても、メーカーを変えたいというケースは多々あるでしょう。
例えば、「現在GSユアサのバッテリーを使っているけど、古河電池のバッテリーに変えたい」
と言うようなケース。
最近は格安バッテリーも多く出ているので、安いバッテリーに変えたいというケースもありますよね。
このように、メーカーが違くても、バッテリーが適合することを「互換性」があると言います。
また、互換性のあるバッテリーを「互換バッテリー」と呼びます。
互換性のあるバッテリーであれば、メーカーが異なっても使用できるという事ですね。
互換性のあるバッテリーは型番と互換表で判断
バッテリーを互換性のある他メーカーに変えるには
という手順で判断します。
バッテリーの型番は、バッテリー本体に記載されていますので、見ればすぐにわかります。
一例をあげると、「YT7B-BS」など英数字の表記です。
使用中のバッテリーの型番がわかれば、購入予定のメーカーの互換表をチェックすれば良いと言う訳です。
バッテリーのメーカーならHPなどに互換表があるはずです。
参考までに、GSユアサさんのバッテリー互換表を貼っておきます。
参考≫GSユアサ互換表
また、Amazonなどネットで購入する場合には、互換表を確認しなくても商品の説明書きに記載されているケースも多いです。
いずれにせよ、バッテリーを交換する時、且つ、メーカーを変える時には、互換性のあるものを選びましょう。
でないと、バッテリーの大きさや容量、端子の形状が異なって、正常に使用できない事があると言う訳です。
まとめ
バッテリーは意外と高額な部品になるので、安いものを探しがちです。
もちろん、安いものを探すことは悪い事ではないのですが、バッテリーの種類を間違えると正常に付かないことも。
バッテリーの知識を持つことで、失敗しないバッテリー選びの参考になれば幸いです。
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