バイクのフロントフォークには、オイルが入っている「テレスコピック式」と呼ばれるフォークが多く採用されています。
ただ、このフォークオイルは、漏れてきてしまったり滲んできてしまう事も。
そのため、
「フロントフォークのオイル漏れって放置しておくとどうなるの?」
「フォークのオイル漏れを直す方法は?」
「修理にいくらくらい掛かるの?」
このような疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
ここでは、バイクのフロントフォークのオイル漏れについて
などについて解説しています。
フロントフォークの仕組みとオイル漏れの症状
バイクのフロントフォーク(フロントサスペンション)には、色々な種類があります。
ただ、最近のバイクの多くは、テレスコピック式と呼ばれるフロントサスペンション(フロントフォーク)が採用されていると言えるでしょう。
よく言う、「正立フォーク」とか「倒立フォーク」とは、このテレスコピック式フォークの一種ですね。
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一般的なテレスコピック式フォークの場合、フォークオイルとフォークスプリングによって、衝撃を吸収する仕組みになっています。
このフォークオイルが漏れないように閉じ込めているパーツがフォークシールと言われるパーツですね。
ゴミが侵入しないための「ダストシール」、それからオイルを閉じ込めるためのメインの「オイルシール」です。
そのため、フォークオイル漏れが起きるのは、フォークシールの場所からと言うことになります。
フロントフォークのオイル漏れの症状としては、
と言うのが一般的です。
初期症状のうちは、インナーチューブに滲んだオイルが付着するケースがほとんど。
インナーチューブとは、フォークの細い方(正立フォークなら上の部分)ですね。
衝撃を受けてストローク(上下)する部分に、オイルが付着していればオイルが漏れが発生していると言うことです。
初期症状としては軽微なオイル漏れが多いので、滲んだオイルが「黒いリング状」に付いている事が多いでしょう。
比較的軽微な場合には、緊急性は要さないとも言えます。(もちろん早く直すに越したことはありません。)
ただ、もし、オイルが「たれる」くらい漏れていたら、非常に危険な状態なので大至急修理が必要です。
フォークのオイル漏れの原因は?
前述の通り、オイルを閉じ込めている蓋の役割をしているのがフォークシール(オイルシール)です。
そのため、フロントフォークのオイル漏れの原因としては
というケースがほとんどでしょう。
シールはゴム状のパッキンなので、経年劣化で硬化する事でもオイル漏れの原因になります。
また、バイクの手入れ不足でフロントフォーク(インナーチューブ)に錆が出ているような場合には、錆が原因でシールを傷つけてしまう事もあります。
そのため、フロントフォークの錆(特にストロークする部分)には注意が必要です。
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また、フォークオイルの交換を行ったとき。
きちんとオイルシールが取付けされていないと、フォークオイルを交換したばかりなのにオイル漏れが発生するという悲劇もあります・・・。
フォークのオイル漏れやオイル滲みを放置しておくとどうなる?
一般的には、フォークのオイル漏れは徐々に進んでいく事が多いと言えます。
初めは、インナーチューブにオイルが付着する程度。
そのまま放置していれば、徐々にオイルの付着量も増えて行きます。
実際のところ、軽微な「にじみ」程度であれば、それほど大きな影響は感じないでしょう。
ただ、オイルの「にじみ」があるという事は、シールに劣化や損傷があるということ。
これは放置しておいてももとに戻ることはありません。
そのため、徐々にオイル漏れの程度は酷くなって行ってしまいます。
そうなれば、
と言えます。
特に、注意が必要なのは後者の方。
漏れたフォークオイルがブレーキディスクやブレーキパッドへ付着すれば、ブレーキ性能の低下により、転倒や事故に繋がる可能性があります。
オイルが滴りやすい倒立フォークの場合には、更に注意が必要と言えるでしょう。
フロントフォークのオイル漏れの修理方法と費用
フロントフォークのオイル漏れが発生した時には、基本的にオーバーホールが必要になります。
オイル漏れを直すためには「シールの交換」が必要になり、そのためにはフロントフォークを外して分解する必要があると言うわけですね。
また、シールを新品に交換するだけでなく、必要に応じて
なども必要になります。
シールを新品に交換しても、インナーチューブの錆や傷がシールを傷つける原因になっていれば、またすぐにオイル漏れを起こすと言うことですね。
場合によっては、新品のインナーチューブに交換してしまう方が良いケースもあります。(その分費用も掛かりますが・・・)
修理にかかる費用(フォークのオーバーホール費用)としては、あくまでも一般論ですが
が相場と言えるでしょう。(※2本合わせての料金)
ただ、基本的なオーバーホール料金なので、シール代やオイル代の消耗品代は別途かかります。
また、もしインナーチューブを新品に交換となればその分の費用が掛かります。
それから、フォークを外すのに脱着が大変な車種や、輸入車の場合にはもう少し高くなる事もあるでしょう。
そのため、それなりの費用が掛かってしまう事は否めないと言えます。
フロントフォークのオーバーホールは自分でもできる?
フロントフォークのオーバーホールは、作業としては上級者向けと言えるでしょう。
まず、フォークをバイクから脱着する作業が結構大変。また、フォークオイルの「適正量」や、「エア抜き」の知識も必要です。
オイルシールインストーラー(プッシャー)などの専用工具も持っていないと難しいと言えるでしょう。(他のもので代用できるケースもありますが)
そのため、初心者の場合には
方が良いと思います!
フロントフォークのオイル漏れの応急処置について
軽微なフォークオイル滲みの場合、それほど緊急を要さないケースもあるのは事実です。
そのような時に、ネット上で良く見かけるのが「フォークオイル漏れの応急処置」。
いくつかの方法があるようですが、たとえば
と言った方法です。
ただ、個人的な見解としては、やめておいた方が良いと思います。
(具体的な方法は敢えて記載しませんので、自己責任で調べてみて下さい。)
場合によっては、症状を酷くする可能性もありますし、効果も怪しいと思われるためです。(もちろん、実際に効果があったと言う人も居るようです。)
ちゃんと修理する(オーバーホール)となれば、それなりの費用が掛かるので抵抗があるのも事実でしょう。
ただ、一度傷がついたり劣化してしまったオイルシールがもとに戻る事はあり得ません。
オイル漏れがひどくなれば、事故につながるケースもあると思えば、早急に修理する方が賢明でしょう。
まとめ
フォークのオイル漏れは、修理にそれなりの費用が掛かってしまいます。
そのため、一番良いのは「オイル漏れを未然に防ぐ」ことでしょう。
経年劣化によるシールの損傷は仕方がないかも知れません。
ただ、フォークの錆などは日ごろのメンテナンスで予防できるでしょう。
きちんとバイクカバーを掛けておいたり、雨や洗車後の拭き上げなども大事と言えるでしょう。
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