バイクに乗っていると、金属やメッキ部分に錆が出るのは良くあることです。
もちろん、日々のメンテナンスや手入れで防止することもできるのですが、錆が出てきたらできるだけ早めに落とすのがベスト。
そのまま放置しておくと、錆が広がり他の部分に影響を与える事もあります。もちろん、見た目にも良くないですよね。
今回はフロントフォークの錆について
などについて解説しています。
フロントフォークの点錆の落とし方
バイクは基本的に錆が出やすいと言えます。
特に、チェーンやハンドル周りのメッキ部分などは手入れを疎かにすると、いつの間にか錆が出ていると言うことも。
関連記事≫ バイクのチェーンは錆びていても平気?錆落としの方法と防止法
また、フロントフォークも錆が出やすいパーツ。インナーチューブの点錆などは最たる例でしょう。
フロントフォークの点錆を落とすには
という手順で落としていくと良いでしょう。
また、できればシールの部分にゴミや錆のカスが入らないように、作業前にマスキングテープを貼っておくのがベストです。
大きめの点錆の場合、目の細かいペーパーやコンパウンドだと時間が掛かってしまいます。
そのため、大きめの錆はスチールウールで、大まかに綺麗にしておくと早いです。
スチールウールはホームセンターや100均でも売っていますよ。
その後、1,000番程度の耐水ペーパーで磨きを掛けていきます。
これであらかた綺麗になるはずです。
もし、錆の程度がそれほど酷くなければペーパーから始めても問題ありません。
ペーパーの番号は数が大きいほど目が細かいので、#1000~#1500くらいを選ぶようにします。
ペーパー仕上げでも充分な場合は、これで終了にしても構いません。せっかく綺麗にしたら、錆の防止作業でひと手間掛けておくのがおススメです(詳しくは後述しています)。
金属のくすみが気になる場合や、より綺麗に仕上げたい!と言う場合には、仕上げ用の細目のコンパウンドで磨くとピカピカになります。
おすすめはワコーズさんのメタルコンパウンド。
フォーク磨きだけでなく、色々な用途に使えるのでひとつ持っていると便利です。
フロントフォークの錆落としの注意点
また、フロントフォークの錆落としをする時には、摺動部なのか、そうでないのかをしっかり意識しておくことが重要。
摺動部とは、フロントフォークが沈み込む(ストロークする)部分のことです。
一般的なフロントフォークは、フォークオイルが入っていてフォークシールでオイルが漏れないようになっています。
そのため、摺動部に傷が付くと、シールにも傷が付いてオイル漏れの原因になってしまうと言うわけですね。
極端な話ですが、摺動部でなければ錆が出ていても機能的には問題が無いとも言えます(見た目的なマイナスはありますが)。
また、
と言うことも意識しておきましょう。
インナーチューブの錆落としや磨きは、フォークの方向に対して横方向に擦るのが基本です。
これは先ほどのシールのオイル漏れ防止のため。縦方向に研磨痕が残るとシールを痛めてしまうと言うことです。
ペーパーなどを掛ける時には、細く切って磨くとやりやすいですよ。
また、まとめて全体をガシガシこすりたくなりますが、錆が出ていない場所はできるだけ避けるようにしましょう。
少なからず、メッキにダメージを与える事もあります。
それから、シール部分。
ここに傷が付いてしまうと、フォークオイルが漏れる原因にもなるので、傷つけないように注意してください。
関連記事≫フロントフォークのオイル漏れ!修理の方法や費用について解説
フロントフォークの錆の防止方法
錆を落として綺麗になったら、今度は錆防止のために、ひと手間かけると良いでしょう。
具体的には「シリコンスプレー」を吹いてウェスで拭き上げるだけ。
これをやるだけで錆が出にくくなります。
シリコンの膜が錆を防いでくれると言うわけですね。
良く、CRCの5-56を吹きつける人も居ますが、 5-56 はゴム製品の(フォークシール)劣化の原因になってしまいます。
シール部分に付着しなくても、5-56が付着したフォークが沈みこめば、当然シールにも影響する可能性もあります。
シリコンスプレーならシールを痛めないので安心です。
また、一番の錆防止は日々のメンテナンス。
乗った後に、軽くウェスで拭く習慣をつけておくだけで、かなりの錆防止効果があります。
また、しっかりバイクカバーを掛けておくことなども重要です。
関連記事≫ バイクカバーのおすすめ厳選4点!長持ち・耐熱・防水で選ぶ!
濡れたまま放置したり、乗らない期間が長かったりすると、あっという間に錆が出てしまいます。
錆を放置しておくとどうなる?
フロントフォークのインナーチューブですが、錆を放置しておくと最悪のケースは
という事になってしまいます。
特に、インナーチューブの摺動部分(沈み込む部分)の錆は要注意です。
フロントフォークが沈みこんだ時に、フォークシールに傷が付くことで、オイル漏れの原因になってしまうと言うことですね。
症状によっては、インナーチューブ交換やオーバーホールが必要になることもあります。
車種にも拠りますが、インナーチューブは1本15,000~20,000円くらい、オーバーホールになると5~6万円かかるのが普通です。
そのため、フロントフォークの錆は甘く見てはいけないと言うことです。
特に、摺動部分(沈み込む部分)の錆には注意が必要です。
白いアルミ錆も落とせる?
フロントフォークの錆で、「アルミ錆」が気になっているという人も多いかも知れません。
通常の錆の場合には茶色く錆びますが、アルミ錆の場合には白錆とも言われるように「白くなる」錆です。
このアルミ錆も厄介な錆ですが、綺麗にすることは可能です。
ひとことで言うと、根気よく磨いていくだけ。
ポイントは、
がおすすめです。
耐水ペーパーは、錆の程度にもよりますが
#200→#400→#600→#800→#1000
と言うように、徐々に目を細かくしながら磨いていきます。
それほど酷くなければ#600くらいからでも良いかも知れません。
200番などの粗いペーパーだと、かなり「傷」がついたような感じになりますが、目を細かくしていけば段々綺麗になって行きます。
最後は、ワコーズさんのメタルコンパウンドで仕上げ磨きです。
アルミ錆は、とにかく根気が重要。
時間が無い時にはやらない方が良いですね。
フォークだけでなく、その他のアルミ錆も根気よく磨くと綺麗になります。
それから・・・アルミにはクリア塗装が吹いてあるケースが多いので、磨くことによってクリア塗装が剥がれてしまう事は認識しておく必要があります。
クリア塗装が剥げてしまえば、一度綺麗になってもその後は曇りやすくなったり、錆が出やすくなります。
そのため、定期的にバイクを綺麗にするように心がける必要があります。
クリアの再塗装までやる(やってくれる業者さんにお願いする)のも選択肢としてはありですね。
まとめ
フロントフォークは錆が出やすい場所ではありますが、摺動部だけに限れば意外と錆びにくいとも言えます。(常にストロークしているので)
そのため、摺動部に錆が出ているようだと、かなりまずい状況です。
そのまま放置しておくと錆が広がり、シールを傷つけ、オイル漏れの原因になってしまいます。
一番良いのは、常に綺麗にしておくこと。
日ごろの手入れで錆を出さないようにする事ですね。