バイクに乗る時の雨対策と言えば、真っ先に思い浮かぶのはレインウェア(カッパ)でしょう。
しかしながら、身体だけでなく、手先が濡れないように対策する事も非常に重要です。特に寒い時期などは濡れている事によって手先が冷え、バイクの操作にも大きな影響が出てきます。
そのため、レインウェアの他にも手先が濡れないようにレイングローブやオーバーグローブを用意しておくと良いでしょう。
ここでは、バイクの雨対策として、おすすめのレイングローブやオーバーグローブや選び方を解説しています。
雨の時は手が濡れないようにする事も大事
グローブが濡れたままで運転をすると、普段以上に集中力や体力を消耗します。また、濡れた手に風があたる事で指先がどんどん冷えていきます。特に気温が低い時期には、指先がかじかんで、ブレーキ操作やクラッチ操作にも大きな影響が出てきます。
雨の時に手が濡れないようにする事は、安全運転にも繋がります。
レイングローブ(オーバーグローブ)の選び方
種類で選ぶ
雨対策のグローブの種類としては大きく2つあります。
グローブ単体で防水性能を持つのがレイングローブで、普段使っているグローブの上から重ねて装着するのがオーバーグローブです。
レイングローブは雨専用だけあって、上質な防水素材を使用しているものも多く、ヘルメットのシールドに付いた水滴を拭うシールドワイパーが付いているものもあります。
オーバーグローブの場合には、重ねるために若干操作性が悪くなりますが、携帯しておくと急な雨の時にも便利です。操作性や防水力で若干劣りますが、急な雨対策として携帯しておくには良いかも知れません。
素材で選ぶ
レイングローブを選ぶ時には、「ゴアテックス」「アウトドライ」「ネオプレイン」の3つの素材が主流になっています。また、他にも防水機能を持つ素材として、「HIPORA」「ドライマスター」などもあります。
どのような素材なのかに注目して選ぶのも良いでしょう。
ゴアテックス(防水透湿)
ゴアテックスとは、アメリカの会社が製造・販売する防水透湿性をもった素材です。水を通さない防水素材ですが、水蒸気は通すという優れものです。つまり、雨を防ぎつつも蒸れない構造になっているので、過酷な環境での活動が必要なアウトドアメーカーもウェアなどに多く採用しています。グローブだけでなく、レインウェアやシューズなどにも使われています。
アウトドライ (防水透湿)
防水透湿性素材というと、前述のゴアテックスがあまりにも有名ですが、新世代の防水透湿性素材と言われているのが「アウトドライ」です。
ゴアテックスは基本的に、生地と生地の間に防水透湿性素材を挟む3層構造でできていますが、アウトドライの場合には表の生地の外側に防水透湿性素材を直接接着する2層構造になっています。
生地の厚みを抑えることができ、また伸縮性にも非常に優れている防水透湿性素材として注目されてます。
ネオプレン(防水保温)
ネオプレンは、これまでの2つとは大きく異なります。簡単に言うと、合成ゴム素材で、ダイビングのウェットスーツを思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。防水性に加えて、耐寒性・保温性に非常に秀でています。
ネオプレンは、はっきり言って濡れるグローブと思った方が良いでしょう。ただ、濡れても保温性に優れているため、手先が冷たくならないと言うのがネオプレーンの特色です。
また、ゴムでできているため、操作のしにくさを感じる人も少なくありません。比較的安価で購入できる傾向にあります
おすすめのレイングローブ
ゴアテックスのおすすめレイングローブ
ゴールドウイン:ゴアテックスレイングローブ GSM26706
ゴアテックスのレイングローブでヘルメットのシールドに付いた水滴を拭えるワイパー付き。起毛トリコットと言う素材を裏地に使用してる為、滑りが良く、雨の時の濡れた手でも着脱が容易になっています。
クイックロンによるアジャスターでグローブを手首にしっかりホールドします。
コミネGK-128 GTX レイングローブ-アニーマ
薄手な作りで、夏でも使えるスタイリッシュなレイングローブです。
GORE-TEX(R)グローブインサートを中綿を入れずに薄手に仕上げているため、操作性を損なわないレイングローブです。
アウトドライのレイングローブ
RSタイチ RST439
OutDryを採用しており、高い防水性、快適性と操作性をもつレイングローブです。スマホタッチにも対応しているので、グローブを脱がなくてもスマホの操作が可能です。
クシタニ アウトドライ レイングローブ K3021
クシタニ製のレイングローブ。モノトーンの色合いやデザインがクシタニっぽくてスタイリッシュなレイングローブです。
ネオプレインのレイングローブ
コミネ ネオプレーン GK753レイングローブ
操作しやすい薄手のネオプレングローブです。防風性と適度な保温性で肌寒い時期に活躍しそうなグローブ。2000円以下で購入できる価格も魅力。
デイトナ RIDEMITTネオプレン防水グローブ
4mmのかなり厚いネオプレンのウインターグローブ。素材同士の縫製時に外側まで針が突き抜けないよう、難易度の高い『すくい縫い』を施すとともに、接合面の特殊カットと特殊接着剤により高性能ウェットスーツ並の防水性を実現している防水グローブ。
その他のレイングローブ
RSタイチ ドライマスター RST398レイングローブ
防水/透湿機能では定評のあるDRYMASTER を使用し、操作性と防水・透湿性を両立したレイングローブにプロテクションを追加
おすすめのオーバーグローブ
ラフアンドロード RR8909 オーバーグローブ
重ねて使える大きめサイズの防風・防水オーバーグローブ。雨天時だけでなく、冬場の寒さ対策にも活用できるオーバーグローブ。
リード工業 3セパレートタイプ 雨天用 グローブカバー
耐水圧10000mm以上の防水性生地を使用していますが、長距離や長時間には少々不安かも知れません。フィンガー部を親指、人指し指、中指・薬指・小指、と3分割にしたセパレートタイプ。
簡易的な緊急用として携帯しておくのにおすすめです。2,000円弱で購入できます。短距離の走行や通勤通学のときの、折り畳み傘感覚で積んでおくのにもおすすめです。
レイングローブを選ぶ時の注意点
レイングローブは防水性能があるとは言え、濡れる時は濡れてしまいます。濡れる時の多くは、袖口からの水の侵入です。
そのため、ロングタイプ(袖口まで長いタイプ)を選んだり、レインウェアとの隙間を無くす工夫も重要です。
また、グローブの縫い目からの染みこみ・防水生地の劣化による染みこみも良くありますので、乾かした後や使用する前に撥水スプレーなどを使うなどのメンテナンスも重要です。
また、季節を考えて用意することも重要です。
冬用のグローブの場合には、防水機能を持ったゴアテックス素材を使った物も多く出ています。少し高価ですが、防水性能の高い冬用グローブを持っていれば、冬はレイングローブ単体で用意する必要が無いという人も多くいます。3シーズンを乗り切れるレイングローブがあれば充分と言う事です。
ネオプレンのタイプの場合には、ゴムのにおいが気になるという人も居たり、スロットルを握った時の感じが苦手と言う人も居ます。一方で、濡れた時に冷えないので便利であると言う人も多いのは事実です。
それぞれの好みがある事、また、グローブはサイズが重要であることは否めませんので、可能であれば近所のバイク用品店などで試着ができると良いでしょう。
欲しいグローブの試着ができない場合には、メーカーのHPなどにあるサイズ表をしっかりとチェックすることをおすすめします。なお、オーバーグローブの場合には、普段のグローブの上から使う事は忘れないようにしましょう。
冬はグリップヒーターもおすすめ
冬場の場合には、グローブや手先が濡れると急激に冷えます。濡れた手先で風を切って走っていると痛いくらいの時も良くあります。
このような状況になるとバイクの操作にも影響が出てきますので、寒いだけでなく危険な状況になります。
雨対策とは少しずれますが、こんな時に重宝するのがグリップヒーターです。使ったことがある人はわかると思いますが、大げさではなくグリップヒーターがあると無いとでは、天と地くらいの差があります。
元から付いているバイクもありますが、汎用の後付けグリップヒーターもご紹介しておきます。
また、最近は電熱グローブ(ヒーターグローブ)も徐々に使う人が増えてきているようですね。防水面の検証はしていませんが、防水になっているものが多いようです
まとめ:グローブの雨対策は侮れない!
雨=レインウェア(カッパ) と言うのは間違っていないでしょう。ただ、グローブの雨対策も非常に大事です。
特に、寒さを感じる季節には、指先の感覚を左右します。また、濡れた手やグローブのままで運転をするのは意外に集中力を欠き、不快感を感じるものです。結果的に、非常に疲労感も感じます。
そんなときに、雨用のレイングローブがあると、かなり違います。
是非、雨の時のグローブ対策も検討してみてはいかがでしょうか。また、グローブ以外の雨対策についても以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください