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バイクのマフラー保安基準!車検に通る音量と排ガスを詳しく解説!

バイクの車検
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バイクのマフラーにも保安基準があります。

この基準を満たしていないと、車検に通らない事は多くの人がご存知でしょう。

そのため

「マフラーを交換したいけど車検に通るかな?」
「バイクに社外マフラーが付いているけど車検は平気?」

こんな疑問を持つ方も多いようですよね。

マフラーの保安基準は「騒音規制」「排ガス規制」です。

ただ、厄介なのが、数年ごとに新しい規制がされて来たということ。

そのため、バイクの年式によって該当する基準が違うのです。

ここでは、バイクのマフラーについて

  • 騒音規制
  • 排ガス規制

の2点をできるだけわかりやすく解説しています。

少し長くなりますが、「自分のマフラーが車検に通るのかどうか」がわかると思います。

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バイクのマフラーの保安基準は騒音と排ガス

前述のとおり、バイクのマフラーについては

  • 音量
  • 排気ガス

の2つになります。

騒音規制、排ガス規制とも言われますが、それぞれに基準値が定められているという事ですね。

この基準を「両方」クリアしていれば車検に通るという事です。

この記事では、少しでもわかりやすくする為に「音量」と「排ガス」の2つのパートに分けて説明していきます。

バイクの年式によって基準が異なる

騒音、排ガスの具体的な話のまえに、共通する「前提」の話です。

バイクのマフラーは、今までに何度も新しい規制がされて来ています。

ここでひとつポイントがあります。

基本的には、新しい基準(規制)が施行された時点で、すでに乗っているバイク(施行日よりも古いバイク)に対して、さかのぼって新しい基準が適用されることはありません。

なぜなら、仮に基準が厳しくなった時に全てのバイクが対象になると、それまでに販売されたバイクに乗る事が出来なくなってしまうからです。

つまり、バイクの製造年式によって、当てはまる保安基準が異なるという事です。

これは、音量についても排気ガスについても同じです。

※乗っている人は少ないかも知れませんが、旧車と言われるような古いバイクだと規制が無いというケースもあります。

関連記事≫バイクの年式の調べ方と初年度登録との違い

車検に通るバイクのマフラーの音量の基準

では、まずはマフラーの音量についての保安基準について解説していきましょう。

音量の測り方を知っておく

まず、マフラーの音量の保安基準を知る上では、「音」の測り方を知っておく必要があります。

具体的には、音の測定の方法は3つあります。

マフラーの音量測定方法
  • 定常走行騒音
  • 加速走行騒音
  • 近接排気騒音

先にお伝えしておくと、車検の時には3つ目の「近接排気騒音」で測定をします。

3つの方法がある事と、車検は近接排気で測るという事がわかれば大丈夫です。

一応補足しておくと、

定常走行騒音

「最高出力の60%の回転数で走行した速度(この速度が50km/hを超える場合は二速または三速50km/h)で発生する騒音を7.5m離れた場所で測定

簡単に言うと、普通に走行している時の音量です。

加速走行騒音

「定常走行状態からスロットルを全開にして10m走行した時点で発生する騒音を7.5m離れた場所から測定。」

簡単に言うと、全開に加速した時の音量です。

近接排気騒音

「停車状態で、最高出力回転数の75%(最高出力回転数が5000回転以上の場合は50%)の回転数で発生する騒音を排気方向から45度、排気管から0.5m離れた場所で測定。」

M1の場所に測定用マイクを設置

簡単に言うと、停車中にスロットルを回した時の音ですね。

マフラーの排気が出るところから、斜め45度・50センチの位置で測るという事です。

車検時はこの測り方で測定します。

つまり、この近接排気音量が、基準値よりも低ければ「音量は」車検に通るという事です。(排ガスもクリアする必要あり)

ちなみに、定常走行や加速走行での測定値はいつ必要になるかと言うと、メーカーやパーツメーカーが商品の型式を取得する時に必要なのです。

バイクの年式別の騒音規制

では、具体的にバイクの年式別にどのくらいの規制値なのでしょう。

まとめたのが以下の表になります。

規制年 測定方法 原付1種
~50㏄
原付2種
~125㏄
軽二輪
~250㏄
小型二輪
251cc以上
1971年騒音規制 近接 なし なし なし なし
加速 80db 82db 84db 86db
定常 70db 70db 74db 74db
1986年騒音規制 近接 95db 95db 99db 99db
加速 ?不明 ?不明 75db 75db
定常 ?不明 ?不明 74db 74db
2001年騒音規制 近接 84db 90db 94db 94db
加速 71db 71db 73db 73db
定常 65db 68db 71db 72db
2014年騒音規制 近接 型式数値+5
※ノーマルが79db
以下の時は84db
型式数値+5
※ノーマルが85db
以下の時は90db
型式数値+5
※ノーマルが89db
以下の時は84db
型式数値+5
※ノーマルが89db
以下の時は84db
加速 73db 74db 77db 77db
定常 廃止 廃止 廃止 廃止

はっきり言って、わかりにくいですよね。

順番に補足していきます。

1985年以前に製造されたバイク(~1985)

このくらいの年代になると、旧車の部類ですね。

この当時には、近接騒音の基準がありませんでした。

なので、音量の規制はありません。

車検でも音量の測定をしない(はず)です。※一応測る試験場もあるようです。

2001年以前に製造されたバイク(1986~2001)

1986年の規制で、初めて近接騒音の基準が追加されています。

この年代のバイクに乗っている場合には、騒音の規制値は99db(デシベル)です。

2001年10月以降に製造されたバイク

この時の規制は、平成13年(2001年)10月1日以降に新型車として販売されたバイクが対象になっています。

この年代のバイクに乗っている場合には、騒音の規制値は94dbです。

この規制がかなり厳しくて、多くのバイクが生産中止に追い込まれる事に・・・。

2010年4月以降に製造されるバイクに適用(社外マフラーの規制)

この時の規制には、2010年以降に製造されるバイクに対して、社外マフラーの規制も追加されています。

具体的には

  • 脱着ができるバッフルのマフラーはNG(溶接やリベットならOK)
  • 近接94dbまで

となっています。

近接騒音は、2001年規制の数値と変わっていないのですが、バッフルを外せるようになっているものはダメになりました。

厳密には、この時に加速騒音82dbという基準も追加されていますが、車検時には測れないのであまり関係なかったです(マフラーメーカーは大変でしたが・・・)

基本的には、クリアしている社外マフラーの場合には、JMCAのプレートや刻印があるはずです。

2014年以降に製造されたバイク(2014~)

この時は、基準が厳しくなるのではなく、「規制緩和」となりました。

この年代のバイクに乗っている場合は、そのバイクの型式ごとに規制値が決まっていて、+5dbまでの範囲なら大丈夫です。

では、その数字がいくつなの?という場合には、車検証の備考欄に記載されています。また、バイクの車体などにラベルが貼ってあるバイクも多いです。

さらに補足しますね。

もともと日本のバイクの騒音規制は、世界的にみるとメチャクチャ厳しかったんですよね。

(だからみんなフルパワーの逆車を欲しがってたわけで・・・)

ただ、徐々に車やバイクの規制やルールにおいても、国際的な調和を進める動きが進んでいたという事が、この時の規制緩和につながったのです。

ヨーロッパ基準では「UN-ECE R41-04」という加速走行騒音のみの基準を採用しており、日本もこれに合わせる形で定常騒音と近接騒音が廃止になったのです。

ただ、継続検査(車検)の時には、今でも音量測定があります。

基準は加速騒音のはずですよね。

というのも、加速騒音は、バイクを全開で加速した時の音量で測定しますので、車検場では測定ができません。

一方、メーカーは新車を販売する時(型式を取る時)に加速騒音を測るのですが、その時に、近接騒音も一緒に測っています。

そこで、

  • ①メーカーの新型販売時の加速騒音
  • ②メーカーの新型販売時の近接騒音
  • ③ユーザーの車検時の近接騒音

③が②と一緒(もしくは以下)なら、車検時の加速騒音も①と一緒(基準値内)でしょうという考え。

ただ、経年劣化などによる誤差も踏まえて(+5db)までは認めていると言う訳です。

ここでポイントになるのは、この時の規制によって、バイク毎に規制に数値が変わってくる現象が発生すること。

一律で何dbではなくなったという事ですね。

車種ごとの数値は、車検証や車体のラベルに記載がされています。

2016年10月以降に製造されたバイク

2016年4月20日に、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部」の改正が施行されて、また大きく変わっています。

これは、2016年10月以降に製造されたバイクが対象です。

「エンドバッフルの着脱が簡単に行えないこと」というのは2010年の時の規制と変わっていませんが、新たに

「証明機関による騒音性能表示等が義務」になっています。

分かりやすく言うと、

「基準を守っているか不明瞭なマフラーは保安基準不適合の扱いにする」という事。

つまり、保安基準適合かどうか不明な場合、警察官が音量測定をしなくても、その場で不正改造と判断されてしまう事になったのです。

では、どうやって適合を証明すれば良いかと言うと、

  • JMCAマーク・・・「全国二輪車用品連合会」が基準をクリアした場合に付ける
  • Eマーク・・・国際的な基準を相互承認していることを証明する
  • 「自」マーク・・・国産ノーマル車に付いている

このようなマークが確認できればOKという事です。(証明する書類を携帯している場合も可)

これらのマークを警察官が目視で確認できないと、違反扱いにされてしまうので注意が必要です。

また、繰り返しになりますが、マーク表示が義務になっているのは、2016年10月以降に製造されたバイクが対象です。

マフラーの騒音のまとめ

まとめると、

  • バイクの年式によって該当する基準が違う
  • 過去のバイクは近接騒音の音量だったが2014年以降は加速騒音のみが基準
  • とは言っても、車検時には音量測定を行う。(基準値は車検証や車体ラベルの数値で確認できる)
  • 2016以降のバイクには基準適合を証明できるマークが必要

という事です。

車検に通るバイクのマフラーの排ガスの基準

さて、騒音の次は排気ガスです。

騒音規制をクリアしていても、排ガスで引っ掛かってしまうと車検には通りません。

あくまでも、騒音・排ガス両方の保安基準にクリアすることが必要になっています。

余談ですが、排ガス規制の影響は非常に大きく(厳しく)、各メーカーが人気モデルを生産中止にするのは排ガス規制が原因という事が多いのです。

NSR250Rなどの2ストエンジンのバイク、人気だったゼファーやXJR、ZRX、ドラッグスター。

最近で言えばモンキー50などの原付クラス・・・。挙げれば枚挙に暇がありません。

まず、排ガス規制は、マフラーからの排気ガスに含まれる

  • CO(一酸化炭素)
  • HC(炭化水素)
  • Nox(窒素酸化物)

この3つの物質の量を規制しているものです。環境問題に配慮した規制とうわけですね。

日本の排ガス規制は、騒音とは逆に世界の基準の方が圧倒的に厳しかったのです。

ただ、国際基準に合わせていくうちに、国内の基準もどんどん厳しくなっていると言う訳です。

EURO4とかEURO5とか言う名称は聞いたことがある人も多いのでは。

車検においては、排ガスの対象車種になっていると、

  • 排ガスの測定を実施して基準値内になっているか
  • (必要な場合)排ガス検査証明書があるか

この2つで車検に通るかどうかが決まります。

具体的な数値は知っていてもあまり意味がない(自分で測る事が出来ないので)ので、年々厳しくなっていることだけ覚えておいてください。

※詳しい数値まで知りたい場合は、JMCAのサイトがわかりやすいです。

1999年(平成11年)の排ガス規制

バイクでの初めての排ガス規制です。

1999年10月1日以降に新型車として生産された車両が対象です。(厳密には、継続生産車や輸入車は時期がずれています)

判別方法としては、車検証で判別できます。

平成19年排ガス規制対象の判別方法
  • 国産車・・・型式が「BC-〇〇」になっている
  • 輸入車・・・備考欄「11年排出ガス規制適合」の記載がある

どちらにも当てはまらない1999年以前のバイクの場合は、排ガス規制はありません。騒音だけの規制です。

排ガス規制対象でも、ノーマルの純正マフラーなら特に心配不要です。車検の排ガス検査で落ちる事は(まず)無いでしょう。

一方、規制対象でマフラー交換をしている場合には次の2つのパターンに分かれます。

①ノーマル時にキャタライザー(触媒)付きの車種

この場合、マフラーを交換している場合は排ガス検査証明書(いわゆるガスレポ)がないと車検に通りません。

※触媒を内蔵している純正マフラーでも、触媒を残してマフラーを交換した場合(スリップオンタイプ等)は証明書が無くても大丈夫です。

②ノーマル時にキャタライザー(触媒)無しの車種

この場合は、排ガスに関しては気にしなくて大丈夫です。

特に①の場合には車検での測定値に合格しても、証明書がないと落ちますので注意してください。

※キャタライザー(触媒)とは、簡単に言うと排気ガスを綺麗にする浄化装置のことです。

つまり、規制対象でマフラー交換をしている場合には、ノーマル時に触媒が付いているかどうかの確認が必要と言う事です。

メーカーに問い合わせるのが一番正確ですが、JMCAのマフラー検索がかなり便利です。

JMCAマフラー検索

2007年(平成19年)の排ガス規制

この時の規制では、数値的にかなり厳しい規制になりました。(施行は平成17年)

空冷・キャブ車は、ほぼ全部といってよいほど生産中止になったような記憶があります。

1999年の規制の時と同じく車検証で判別できます

平成19年排ガス規制対象の判別方法
  • 国産車・・・型式が「EBL-〇〇」になっている
  • 輸入車・・・備考欄「19年排出ガス規制適合」の記載がある

これに該当しているバイクが平成19年の規制対象車になります。

基本的に、車検時は触媒(キャタライザー)付きのバイクでマフラー交換をしていれば、ガスレポが必要なのも一緒です。

その後の騒音規制

このあとも、2012年、2016年、2020年(決まっています)と排ガスの規制が続いていきます。

基準値や、排ガスの測定方法の変更がされて行きます。

メーカーもパーツメーカーも、その都度基準に対応したバイクやマフラーを作りますので、一番大変なのはメーカーでしょう。

バイクに乗る側としては、車検を通す時に排ガス測定をしますが、ノーマルなら落ちる事は(ほとんど)ありません。

あとは、「マフラーを変えていたら、基本的に証明書(ガスレポ)が必要」という事です。

関連記事≫ガスレポって何?無い時の再発行方法も解説

ノーマルマフラーやガスレポが有っても車検に落ちる事も

排ガス規制対象の場合、

  • 純正のノーマルマフラー
  • 社外マフラーで排ガス証明書がある

このどちらかなら、まず排ガスの測定で落ちる事はありません。

ただ、絶対とも言えないのも事実です。

というのも、マフラーだって壊れることがあるからです。

排ガスを処理している部分(キャタライザー)やサイレンサーの中にあるバッフルが経年劣化でダメになる事も。

もし、そうなった場合には、マフラーの修理や交換をしなくては車検に通らないという事になってしまうのです(それほど多い事ではありませんが)

マフラーの排ガスのまとめ

排ガスの規制をまとめると

  • 1999年以前のバイクには排ガス規制はない
  • 1999年以降のバイクは基本的に排ガス規制の対象である
  • 車検証で対象かどうかを判別できる
  • 触媒(キャタライザー)付きのマフラーを交換すると排ガス検査証明書(ガスレポ)が無いと車検に通らない

という事ですね。

JMCAのマークがあれば車検は通るのか

誤解も生じやすいのですが、社外マフラーでもJMCAやEマークがあれば車検が通るという事ではありません。

マークが有っても、騒音・排ガスの基準がクリアできてなければ車検は通らない事は把握しておきましょう。

ただ、基本的に(最近の)社外マフラーは、各メーカーが規制に適合するマフラーしか作っていません。

騒音にしても、排ガスにしても、車検適合品を購入しておけば問題ないでしょう。

しかしながら、JMCAマークが有っても車検では騒音測定や排ガス測定は実施されます。

(中にはマフラーを見てチェックしただけで測定をしない検査員も居ますが・・・)

マークの有無が、車検の合否を決める訳ではないという事ですね。

まとめ

バイクをカスタムする時に、マフラーを変えたいという人は多いですよね。

ただ、マフラーの規制は年々厳しくなっているのも事実でしょう。

騒音の規制。

排ガスの規制。

それから、直近では「社外マフラーだと規制適合の証明ができる刻印やプレートないとNG」・・・。

決まっている規制にアレコレ言っていても仕方ありませんので・・・しっかりと基準を守ったうえで、楽しいカスタム&バイクライフを送りましょう!

また、最後にもうひとつ補足になります。

「車検に通る基準」を中心に進めましたが、保安基準は250㏄以下のバイクにも当然あります

車検が無いバイクでも、基準外のマフラーを装着していると違反扱いになりますので気を付けてください!

関連記事≫ミラーの保安基準

関連記事≫ウインカーの保安基準

関連記事≫リフレクターの保安基準

※本記事は2019年7月に記載しています。ご活用の際は、有用性を確認くださいますようお願い致します。