バイクのテールランプにも細かい保安基準が定められています。
保安基準に適合していないと、車検に通らないと言うだけでなく整備不良や違法改造になってしまうことも。
テールランプはLEDにしたり、カスタムすることも多いパーツですが、保安基準を守っておく必要があると言う事ですね。
そのため、ここでは
などについて詳しく解説しています。
バイクのテールランプにも保安基準がある
バイクには、様々な保安基準が設けられています。
保安基準とは、車やバイクが安全確保及び環境保全上で守るべき基準のこと。
これを守らないと、車検にも通りません。
バイクのテールランプ(尾灯)においても、以下のように定められています。
(尾灯)
引用:道路運送車両の保安基準
第 37 条 自動車(最高速度 20 キロメートル毎時未満の軽自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに小型特殊自動車を除く。)の後面の両側には、尾灯を備えなければならない。ただし、二輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに幅 0.8 メートル以下の自動車には、尾灯を後面に1個備えればよい。
バイクの場合には、後方にひとつテールランプが付いていれば良いのですが、付いていれば何でもOKと言うわけではありません。
光量や光の色、ランプの面積などが細かく決まっています。
それぞれ、具体的に解説していきましょう。
車検に通るテールランプの基準
テールランプの保安基準は、主に
などが中心になっています。厳密にはもっと細かいのですが、押さえておくべきポイントは、この辺りでしょう。
純正のノーマル車なら特に心配は不要ですが、カスタムする際には基準を守る必要があります。
また、当然ですが、テールランプが点かなければノーマルでも車検には通りません。
テールランプのレンズ(照明部)の面積
テールランプには照明部の面積に決まりが有ります。
「照明部=テールランプのレンズの面積」と考えておけば良いでしょう。
また、ブレーキランプとテールランプが一体型のバイクも多いので、その場合にはブレーキランプの保安基準もチェックしておく必要があります。
の大きさが必要になっています。
テールランプの色や光量
テールランプの視認性や光量、色は以下のような基準です。
また、ブレーキランプ一体型の場合には、
「ブレーキランプ(制動灯)が点灯した時は、尾灯のみの光度の5倍以上になること」
とも決まっています。(※これはブレーキランプの保安基準です)
一体型の場合、テールランプが点いている時に、ブレーキを掛けると更に明るくなりますよね。
このときの光度(明るさ)は、5倍以上と決まっていると言うわけですね。
ブレーキを掛けて、ほんのり、なんとなく明るくなる位ではダメと言う事です。
テールランプの取付け位置
バイクの場合、テールランプの取付け位置においては、以下のような定めがあります。
地上2m以上の高さにテールランプを付けると言う事は、なかなか無いと思うのであまり気にする必要はないでしょう。
また、バイクの場合には尾灯はひとつでも良いので、その場合には後面の中心にあれば大丈夫です。
その他の注意点
そのほか、テールランプの保安基準で注意しておく事としては、
ということでしょうか。
ウインカーやヘッドライトでも一緒ですが、テールライトのレンズにヒビが入っていたり、割れていると車検には通りません。
それから、常にチカチカと点滅するようなテールランプもNGです。
関連記事≫ヘッドライトの保安基準!車検に通る光軸や明るさは?
関連記事≫ウインカーの保安基準は?車検に通る大きさや位置について
厳密に言うと、他にも細かい規定はあるのですが、ここまでのポイントで基本的なところは押さえています。
もっと詳細をチェックしたい場合には、道路運送車両法の保安基準を確認してみると良いでしょう。 尾灯(テールランプ)は第37条、制動灯(ブレーキランプ)は第39条です。
テールランプはLEDでも車検に通る?
テールランプのLED化は、比較的簡単なカスタムで見た目も大きく変わるので、人気のカスタムのひとつです。
ただ、テールランプをLED化しても、車検に通るのかを気にされる人も多いようです。
結論としては、LED自体には何も問題ありません。
LED化しても、発光面の色や面積、取付位置などが保安基準に適合していれば問題無いと言う事ですね。
敢えて注意点を言うならば、LEDは非常に明るいこと。
平成18年以降のバイクは、30W以上の眩しすぎるテールランプは車検に通らないので注意してください。
ウインカーと一体型のテールランプは車検に通る?
最近は、ウインカーとテールランプが一体化しているバーツも見かける事があります。
これも、車検に適合するかどうか気になる人が多いパーツです。
結論としては、ウインカーと一体型のテールランプだと、車検には通らない事が多いでしょう。
なぜなら、ウインカーの保安基準に引っかかる為です。
リアのウインカーは、「発光面の中心が150mm以上離れていること」と言う決まりがあります。
良く見るウインカー一体型テールランプは、この基準に該当していないものが多いようです。
ただ、
それぞれを満たしている一体型のパーツであれば、理論上は通るはずです。(あまり見たことがありませんが・・・)
関連記事≫バイクのウインカーの保安基準
クリアレンズのテールランプでも平気?
レンズの色もLEDと一緒で、保安基準に適合しているかで判断されます。
そのため、テールランプのレンズを
に変えた場合でも、きちんと保安基準をクリアしていればOKと言う事です。
レンズがクリアやスモークの場合には、しっかりと赤い色が出ないとNGです。
そのため、クリアレンズなら赤い電球(バルブ)に変える必要がありますし、スモークを貼るなら色や明るさが基準外にならないように工夫する必要があります。
ただ、クリアレンズで電球を赤く変えてしまうと、今度はナンバー灯(番号灯)の保安基準を満たさないケースが出てきます。
ナンバー灯の色は「白色」と決まっているためです。
ナンバー灯とテールランプが別々なら問題ないのですが、一体型の場合には注意すべき点でしょう。
また、車検の時には、テールランプのレンズがクリアやスモークだと、検査員のチェックも厳しくなる傾向にはあります。
車検が無くても保安基準は守る必要がある
本記事では、テールランプの保安基準について、「車検に通るかどうか」という観点で解説してきました。
ただ、注意が必要なのは、保安基準は車検が無いバイクでも適用されるということ。
例えば、250㏄のバイクは車検がありません。
だからと言って、保安基準を守らなくても良いわけでは無いと言うことです。
車検があるバイクでも、無いバイクでも、保安基準に適合していないバイクで走行をしていると
などにあたると言うことは認識しておいた方が良いでしょう。
まとめ
テールランプには色々な保安基準がありますが、これらは安全上守らなくてはならない基準です。
特に、夜間など暗い時には、テールランプがしっかりと点く事で、後続車に自分の位置を知らせる事ができます。
そのため、 視認性の悪いテールランプであったり、球切れなどでテールランプが点かないと非常に危険です。
保安基準を守るのはもちろんの事、球切れなどは毎日チェックするようにしましょう。