最近は、標準装備になっているバイクも増えてきたクイックシフター(オートシフター)。
例えば、カワサキのニンジャZX-R25、ホンダのCBR600RRなども標準装備ですね。
ただ、そもそも「クイックシフターって何?」と言う人も多いのではないでしょうか。
また、
「自分のバイクに取付けたい!」
「後付けだとどれくらい費用が掛かるの?」
と言う人も居るでしょう。
そのため、ここでは
等について詳しく解説しています。
バイクのクイックシフターとは何?
最近、よく聞くようになったクイックシフター。
オートシフターとも呼ばれますが、そもそもどのような機能なのでしょうか。
簡単にひとことで言うと、
「クラッチを切らなくてもペダルだけでシフトチェンジができる」システムのこと。
クイックシフターは、もともとレースの世界で産まれたシステムです。
レースはコンマ何秒のタイムを争う世界なので
と言う操作での、タイムロスは大きなものでした。
ただ、クイックシフターが登場したおかげで、
「アクセル全開のままでもシフトアップが可能」
になったのです。
これによって、タイム短縮に大きな影響を与えたと言う訳です。
その後、レースにも使われるような市販車のオプション設定に含まれたり、最近では標準装備されるバイクも増えて来ていると言うことですね。
クイックシフターのメリット
クイックシフターがあると、クラッチ操作をしなくてもシフトチェンジができるようになります。
そのため、
と言うメリットが挙げられます。
始めのうちは、一般のユーザーでもサーキット走行をしたり、スポーツ走行をするユーザーに好まれるものでした。
クラッチ操作時のロスが軽減できるので、継ぎ目がない加速ができます。また、その加速音はまるでレーサーに乗っているような感覚を味わうこともできます。
ただ最近は、クラッチ操作が大きく削減できることから
と言うようなツーリング主体のユーザーにも好まれています。
そのため、後付けで装着するライダーも増えて来ていると言うわけです。
実際に付けたユーザーさんの動画を見てみると参考になると思います。
関連記事≫バイクのクラッチが重い!原因と対策、軽くする方法は?
ちなみに、クイックシフターは「シフトアップする時だけクラッチ操作不要」と言うものが主体でしたが、最近はシフトダウンにも対応している(クラッチ操作が不要)シフターも増えて来ています。
また、クイックシフターが付いていても、発進や停止する時にはクラッチ操作は必要です。
クイックシフターの仕組み
クイックシフター(オートシフター)は非常に便利なシステムですが、そもそもどんな仕組みになっているのでしょう。
通常のバイクは、クラッチを切ることで、一旦エンジンの駆動力を断絶しています。
駆動力を断って、変則(ギアチェンジ)していると言うことですね。
一方、クイックシフターの場合には
と言う仕組み。
クラッチを切ったり繋いだりするわけでは無く、信号によって点火をカットする事でギアチェンジできる環境を創り出していると言う訳ですね。
ちなみに、点火を止める時間はたったの0.05秒と言われています。
ほんとに一瞬なので、失速することもありません。
本当に、電子制御の進化は凄いですね。
また、電子制御機器ならではですが、クイックシフターはパソコンでセッティング(セットアップ)するのが基本。
点火をシャットダウンする時間や、シフターが作動する回転数などを設定する必要があると言うことですね。
もちろん変更も可能です。
(スマホでセットできるものや、機器のボタンで調整できるものもあります。)
クイックシフターが標準装備のバイクも増えてきている
前述の通り、最近はクイックシフターが標準装備になっているバイクも増えてきました。
たとえば、
などに標準で装備されています。
また、標準装備ではなくても、オプション設定がある車種もあります。(CBR1000RR、VFR800Fなど)
他にもドカティやBMWなどの輸入車でも。
他にもあるはずなので、興味があれば調べてみると良いでしょう。
今後は、更に増えて来るのではないでしょうか。
クイックシフターの後付けと取付費用
標準装備のバイクが増えてきたとは言え、現状はまだまだ少ないと言えます。
ただ、クイックシフターは後付けも可能です。
純正であれば、メーカーからの後付けのオプションとして。また、その他にも社外品のクイックシフターは結構たくさん販売されています。
例えば、純正品であれば
と言うような感じです。(適合年式があるので、年式によっては不可)
シフトアップのみのタイプの方が安価で、シフトダウンにも対応しているタイプの方が高額になります。
また、社外品のクイックシフターも年々増えて来ています。純正品よりも車種の対応幅が広いので、自分のバイクに合うシフターは見つけやすいでしょう。
一部ですが、いくつか紹介しておくと、
株式会社バトルファクトリー
三重のレース系ショップ。バトルシフター(400㏄まで)とパワーシフター(401㏄以上)の2つのクイックシフターを販売しています。
スポーツバイクを中心に多くの車種用のクイックシフターを販売しています。
株式会社寺本自動車
バイクメーカーのテストライダーを務めた経験もあるプロレーサーの寺本氏が開発するクイックシフターの「EZ-SHiFTER(イージーシフター)」。
CBR250RR、YZFシリーズやZ900RSなどの人気車用を販売中です。
BAZZAZ(バザース)
サブコンピュータをメインに扱うBAZZAZは海外メーカーですが、ヨシムラが日本正規輸入代理店になっています。
この、BAZZAZのサブコンにもクイックシフター機能がある商品があります。(全てではない)
ダイノジェット
パワーコマンダーで有名なダイノジェット。
パワーコマンダー自体はインジェクションコントローラー(サブコンピュータ)ですが、このパワーコマンダーをが装着されているバイクであれば、クイックシフターが使用可能です。
上記の他にも、色々なメーカーから販売されています。社外品の方が、対応車種が多いので適合商品は見つけやすいでしょう。
価格は商品によって差はありますが、50,000円~70,000円前後の商品が中心と言えるでしょう。
シフトアップだけのクイックシフターならもっと安価で購入できるでしょう。
後付けのクイックシフターの取付け費用
クイックシフターの取付は、自分で行う事も可能です。
ただ、一般的には、
と言うような作業が発生します。
そのため、あまり自信のない場合や、初心者の場合にはショップに取付けをお願いする方が良いでしょう。
「2りんかん」などのピットサービスでも対応してくれるはずです。
ショップに取付けをお願いする場合、工賃としては20,000円~30,000円くらいが相場と言えます。
ただ、これは取付けるバイクや、クイックシフターの種類によっても変わってきます。
純正オプションの設定があるバイクなど、もともとクイックシフターを取り付ける想定になっているバイクであれば、10,000円程の工賃で済むケースも。
これくらいが掛かるのが一般的です。
ただ、繰り返しになりますが、選ぶクイックシフターや取付けるバイクにもよって、結構な差が出てきます。
そのため、これからクイックシフターを付けたいと思っているのであれば、シフター選びも含めてバイクショップに相談してみると良いでしょう。
クイックシフターの後付けは、結構費用が掛かってしまいますが、取り付け後の満足度も高いカスタムと言えます。
興味がある人は、是非検討してみてはいかがでしょうか。
試乗会やディーラーの試乗車でクイックシフター付きのバイクがあれば、試してみるのも良いかもしれませんね。
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※2021年3月に加筆・修正、更新しました。