バイクを乗り換える時には、自賠責保険と任意保険の期間が残っている事も多いです。
多くの場合、年間で保険料を払っていますので、残りを放棄してしまうのは勿体ないですよね。
そのような時は、自賠責保険も任意保険も「車両入替」の手続きをする事で、保険を継続することができます。
ただ、車両入替の手続きは、できる場合とできない場合があります。
そのため、ここでは
について詳しく解説しています。
※前半は自賠責保険、後半は任意保険の解説になっています。
自賠責保険の車両入替ができる条件
まず、自賠責保険の車両入替についてです。
初めにお伝えしておくと、自賠責保険の場合には車両入替えの手続きをせず、新たに加入しても問題ありません。
(手続きが面倒な場合や、車両入替えができない場合には、新しいバイクで新規加入しましょう。)
車両入替の手続きをする場合には、次の条件に該当している必要があります。
詳しく解説していきますね。
まず、入れ替える前のバイクが廃車(一時抹消)されていないと入替えができません。
入れ替えるなら前のバイクのナンバーを返納しなくてはいけないという事ですね。
バイクの廃車(一時抹消)の具体的な方法が知りたい方は、下記の記事を参考にしてみて下さい
関連記事≫バイクの廃車手続きはどこでやる?排気量別の廃車方法と必要書類
また、車種区分が同一なこと。
これは自賠責の保険料が、排気量によって違うためです。
バイクの場合、
で保険料が区分されています。
この区分内での乗り換えなら入替ができるという事です。
例えば、125㏄から250㏄に乗り換える場合には、自賠責の入替えができないという事ですね。
最後に、同一保険表内であること。
実は、自賠責保険は沖縄や離島の場合には保険料が異なるのです。
そのため、沖縄や離島用の保険表というものが存在します。
つまり、本島から沖縄・離島に引越した場合などは、入替ができないという事です。
これらの条件をクリアしていれば、自賠責保険の車両入替をする事が可能というわけですね。
自賠責保険の車両入替の手続き方法
では、具体的な手続きの流れについて解説していきましょう。
手続きの場所
自賠責の車両入替の手続きは、保険会社の営業窓口で行います。
加入したのがコンビニという人も、入替え手続きは営業窓口です。
自賠責保険の証明書を見ると、保険会社名が記載されています。(三井住友海上とか、損保ジャパン日本興亜とかですね。)
加入している会社がわかったら、ネットで各社のHPを確認すると、最寄りの営業窓口が簡単にわかります。
手続きに必要なもの
手続きには、次のものが必要になります。
必要なものが準備できたら、保険会社の窓口にて手続きをするだけです。
手続き自体はすぐに終わります。
注意が必要なのは、自賠責保険が無い状態でバイクに乗るのは違法だという事。
車両入替の手続きが完了するまでは、バイクに乗らないようにしてください。
関連記事≫バイクの自賠責保険の名義変更【シール&証明書の再発行も併せて解説】
251cc以上は自賠責の車両入替はしないのが普通
車検のあるバイク(251㏄以上)は、車検満了日までの自賠責保険加入が必須です。
車検と自賠責保険がセットとになっていると言うことですね。
そのため、次に乗るバイクが新車なら3年間、中古車なら2年間の自賠責保険が必要です。
(新たに車検を取る場合)
つまり、乗換えの時に自賠責保険が残っていても残期間では足りないケースがほとんどです。
そのため、一般的には自賠責保険の移し替えをする事はありません。
もし、残期間が勿体ないという場合は、解約&払戻しをするしかありません。
関連記事≫バイク売却時に残っている自賠責保険料の扱いと解約・払戻し方法
また、バイクを売却する場合には、車検の残期間も査定額に含まれるので、自賠責保険もそのままで売却するのが一般的です。
任意保険の車両入替ができる条件
続いて、任意保険の車両入替の手続きについてです。
バイクを乗り換える時には、任意保険の車両入替は絶対に忘れないようにしましょう。
なぜなら、契約と違うバイクで事故をした時には、保険金が出ないことがある為です。
そのため、手続きをしっかりと行う事はもちろんですが、新しいバイクに変わるタイミングに注意して保険を切り替える必要があります。
、任意保険の車両入替をする場合には
この2つについて条件があります。
では、詳しく説明していきますね。
①乗り換え前と後のバイクの用途車種が同じであること
用途車種というと少々わかりにくいですが、バイク保険の場合「125cc以下の原付」と「125㏄超の二輪車」に区分されています。
この区分が一緒であれば、等級の引継ぎが可能ということですね。
ちなみに、区分が一緒なら、排気量が異なっていても大丈夫です。
例えば、400㏄から1000㏄に乗り換えても該当しますが、125㏄から400㏄への乗り換えへはNGという事ですね。
乗り換え前のバイク | 乗り換え後のバイク | 車両入替 の可否 |
原付(125㏄以下) | 原付(125㏄以下) | ○ |
原付(125㏄以下) | 125㏄超のバイク | × |
125㏄超のバイク | 原付(125㏄以下) | × |
125㏄超のバイク | 125㏄超のバイク | ○ |
また、二輪と車(四輪)の車両入替もできません。
②車両入替後の所有者が次のいずれかである事
自分や家族以外の人が所有者になるときは、保険が引き継げないという事ですね。
以上の2つの条件を満たしていれば、任意保険の車両入替えが可能と言う訳です。
ただ、条件に該当しない場合には、一旦解約をして改めて加入しなくてはなりません。
関連記事≫バイクを売る時に任意保険はどうする?解約方法と中断証明書を解説
契約保険会社の条件は必ず確認してください。
等級や補償内容、保険料の扱いはどうなる?
任意保険は自賠責保険と違い、
が保険の契約者によって違います。
車両入替えの手続きをした時に、入れ替え前と入替後でどのように扱われるのかを補足していきましょう。
保険料は変わる事もある
まず、入れ替えるバイクによっては保険料が変わる事があります。
たとえば、排気量や年式・車種が変わったことで保険料が高くなるケース。
この場合には不足分の保険料を追加で払う必要があります。
逆に、保険料が安くなるケースもあり、その際には差額が返金されます。
補足として、保険料の再計算は入れ替え後のみ行われますので、過去の分(既に経過した保険期間の分)は変わる事はありません。
等級や補償内容は変わらない
任意保険の車両入替の手続きでは、既に契約中の補償内容や、保険等級はそのまま引き継げます。
等級が変わらないので、割引率ももちろん引き継がれます。
任意保険の車両入替の手続き方法
車両入替の手続きは、保険会社や保険代理店(バイクショップ)にて行います。
ダイレクト型保険の場合には、コールセンターへ連絡して手続きを依頼する場合と、Web上のマイページから変更手続きを行う場合があリます。
保険会社によって方法が異なりますので、乗り換えが決まった時点で一度確認しておくと良いでしょう。
また、バイクショップで任意保険に加入した場合(代理店型)は、加入したバイクショップに手続きを依頼します。
もし、任意保険に加入したショップと次のバイクを買うショップが同じ場合には、納車のタイミングで切り替えてもらえるようにお願いしておきましょう。
一方、保険の加入をしたショップと次のバイクを買うショップが違う場合。
この場合は、保険の加入をしたショップが保険代理店ですから、(違うショップでバイクを買ったと言いにくいかも知れませんが)乗換える事を伝えて車両入替の手続きをお願いする必要があります。
以後、通常は次のような順序で進みます。
ちなみに、新たなバイクの情報としては、メーカー/車体番号/型式/排気量/車種名/登録番号/初年度登録年(251㏄以上の場合)が必要です。
この情報が無いと車両入替の手続きができません。
また、納車日がいつになるのかを明確にしておきましょう。
任意保険の車両入替はタイミングに注意
バイクの任意保険は契約開始日や終了日が決まっています。
(※時間まで決まっています。一般的には16時が基準の保険が多い)
そのため、新しいバイクに乗る時には
という状態にしておく必要があります。
車両入替手続きが終わっていない状態で納車されると、無保険でバイクに乗る事になってしまからです。
そのため、納車日を明確にしたうえで、
この2つはしっかりとチェックしておきましょう。
もし、古いバイクでショップに行き、新しいバイクに乗って帰る場合には、保険会社(代理店)に納車の日付を正確に伝えておきましょう。
古いバイクも新しいバイクも両方が保険適用になる様に手配してくれます。
まとめ
バイクを乗り換える時には、自賠責保険、任意保険のそれぞれで
の2つの方法を取る事ができます。
ただ、前述の通り、車両入替の手続きは、できるケースとできないケースがあります。
まずは、車両入替ができるのかどうかを確認しましょう。
条件に該当するのであれば、車両入替の手続きをしたほうが得なことが多いです。
また、基本的な流れはどこの保険会社も一緒ですが、多少異なる部分もある場合があるかも知れません。
バイクの乗り換えが決まった時点で、契約保険会社の「車両入替」の手順や注意点を確認しておくと良いでしょう。
※2020年1月に更新しました。