小型二輪免許は、原付免許のワンランク上のバイク免許。
原付2種と言われる、125㏄までのバイクに乗ることができる免許ですね。
原付2種（50㏄超～125㏄）のバイクになると、原付1種（50㏄以下）の義務だった「30㎞制限」や「二段階右折」がなくなります。
また、「二人乗り」もすることができるようになります。
一気に便利になるので、人気も高いジャンルですね。
そのため、ここでは
などについて詳しく解説しています。
これから小型二輪の免許を取ろうと思っている人には、きっと参考になると思います！
※ちなみに、原付2種は二人乗りが可能ですが、二人乗りにはいくつかのルールが存在します。違反にならないように、下記の記事も参考にしてみて下さい。
関連記事≫バイクの二人乗りはいつから可能？高速は？タンデムの条件や規則
小型二輪免許とAT限定小型二輪免許
小型二輪の免許には、
の2つがあります。
AT限定とは、「オートマチック限定」の事で、クラッチ操作が不要なバイクに限定しているという事ですね。
バイクで言えば、スクーターなどがAT車にあたります。
AT車に対して、クラッチを繋いだり切ったりしてシフトチェンジを運転者が行う車両をMT車（マニュアル・トランスミッション車）と言います。
125㏄までの排気量なら、MT車でもAT車でもどちらでも運転できるのが小型二輪免許。
AT車しか運転できないのが、AT限定小型二輪免許と言うわけです。
自動車教習所で教習を受ける場合は、AT限定の方が講習時間が少なくなります。
小型二輪免許で運転できるバイク
小型二輪免許（AT限定小型二輪免許）で運転ができるバイクには、どんな車種があるのでしょう。
具体的な例で見てみると、以下のような感じです。
◆小型二輪免許・・・125㏄までのバイク
例）シグナス125、PCX、アドレス125、Dトラッカー125、グロム等
スクータータイプのAT車でも、クラッチ操作あるMT車でも125㏄までなら運転できます。
◆AT限定小型二輪免許・・・125㏄までのAT車
例）シグナス125、PCX、アドレス125、スーパーカブ110、クロスカブ110
125㏄以下で更にAT車限定と言う条件があります。
AT限定は「クラッチ操作を有さない」事がポイント。そのため、足でのシフトチェンジが必要でも、クラッチレバー操作が無い「スーパーカブ110」はAT限定小型二輪免許で運転が可能です。
小型二輪免許の取得方法
小型二輪免許を取得するには、
の2つの方法があります。
これは、小型二輪免許でも、AT限定小型二輪免許でも同じです。
それぞれ順番に解説していきますね。
①自動車教習所に通って取得する
ひとつ目は、教習所に通って免許を取る方法。
ほとんどの人が、こちらの方法を選びます。
なぜなら、自動車教習所を卒業することで、運転免許試験場での技能試験が免除になるからですね。
教習所に通う費用は掛かりますが、運転技術も学べますし、何より難易度の高い技能試験が免除になるのは非常に大きなメリットです。
ちなみに、卒業証明書の有効期間は１年間。
卒業後１年のうちに、運転免許試験場にて「適性検査」と「学科試験」に合格すれば免許が交付されます。
※もし普通自動車免許（車の免許）を保有している場合は、学科試験も免除になります。
技能試験が免除になるには、公安委員会指定の「公認自動車教習所」の卒業が条件になります。（少数ですが「非公認」の自動車教習所も存在します。）
そのため、 教習所を選ぶときには「公認の教習所かどうか」を必ず確認しましょう。
また、2018年の法改正により、AT限定の小型二輪免許は最短2日間での免許取得が可能になりました。（普通自動車免許がある人の場合）
詳細は以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
②運転免許試験場で直接試験を受ける
ふたつ目は、最初から各都道府県の運転免許試験場（運転免許センター）で試験を受ける方法。
いわゆる「一発試験（ダイレクト試験）」と言われる方法ですね。
この場合は、「適正検査」「学科試験」「技能試験」の3つをクリアする必要があります。
なかでも、技能試験（一発試験）においては難易度が高い事で有名ですね。
ただ、教習所に通わずに合格ができれば、免許取得の費用と時間を大きく節約できるメリットがあります。
一方で、もし不合格になると、受験するたびに費用が掛かり、何度も受験をするために足を運ばなくてはなりません。
できるだけ少ない回数で合格しないと、そのぶん費用も時間も掛かってしまうと言うリスクがあります。
※試験場での一発試験にチャレンジしてみたい方は、受験方法について下記の記事で詳しくまとめています。是非、参考にしてみてください。小型二輪免許の一発試験も、普通二輪（中型）・大型二輪と同じ流れで受験できます。
小型二輪免許取得で教習所入校に必要なもの
では、多くの人が選択する「教習所に通って免許を取る」場合の、必要な準備について解説します。
教習所に入校する時には、以下の書類や準備が必要です。
①本籍地記載の住民票
※マイナンバーの記載がないもので、取得から6か月以内のもの（教習所によっては3か月以内）
②運転免許証
すでに持っている方のみ。持っていない方は不要です。
③身分証明書
健康保険証、住民基本台帳カード、パスポート、学生証、印鑑証明書などのいずれかです。
④ 写真
縦3センチ、横2.4センチ。無帽無背景と言うのが一般的。また、写真の枚数は各教習所、入校者によって変わります。
バイクの場合は2枚～4枚のケースが多いです。教習所でも撮影できるので、確認後の撮影をおすすめします。
⑤学生証
学生の場合のみ。学生割引がある教習所が多いので、学生なら活用しましょう。
⑥印鑑（認印可）
⑦入学申込書
各教習所にて入手します。未成年の場合は、親権者の同意書が必要な場合がほとんどです。
関連記事≫バイク免許は親に内緒で取れる？【反対する親を説得する方法】
⑧入学時必要な料金
振り込み対応が必要な場合や、ローン対応が可能な教習所もあります。具体的な金額や支払い方法など、料金に関しては必ず各教習所に確認をしましょう。
小型二輪免許取得の教習所費用の相場
教習所に通う時にかかる費用は、各教習所や入校時のプランによっても変わってきます。
一般的な料金の目安を紹介します。
あくまでも「参考価格」として把握していただき、事前に確認をするようにしてください。
◆小型二輪免許の教習所費用の目安
| 所持免許 | 費用 | |
| 参考教習所費用 | 免許なし・原付免許のみ | 150,000円～180,000円ほど |
| 普通自動車免許（車） | 90,000円～110,000円ほど |
◆AT限定小型二輪免許の教習所費用の目安
| 所持免許 | 費用 | |
| 参考教習所費用 | 免許なし・原付免許のみ | 140,000円～170,000円ほど |
| 普通自動車免許（車） | 80,000円～100,000円ほど |
※繰り返しになりますが、教習所の料金は各教習所やプランによって差があります。入所予定の教習所で事前に確認をしましょう。
教習所に入校後の流れと必要な教習期間
続いて、教習所に入校してから、免許の取得までの流れを見てみましょう。
小型二輪でもAT限定小型二輪でも流れは一緒です。（教習時間が少し異なります。）
①入校の申込み
まずは、必要な書類や料金を用意し、入校の手続きを行います。
入校後は、一番最初に入校説明会などを実施する教習所が一般的ですね。
予約の取り方なども、この時に教えてもらえます。
②適性検査
聴力・視力・運動能力などの適性検査を行います。
また、性格診断を行い運転適性なども診断します。
③学科講習と技能教習
教習所に通って、既定の教習を受講します。
学科教習は運転に必要な交通ルールや法規、運転に必要なマナーなどの座学。
2段階制になっており、第１段階では基礎知識、第２段階では専門知識を学びます。
一方、技能教習は実際にバイクに乗って、操作方法や運転技術を学びます。
技能教習も2段階制になっており、第１段階では「走る・曲がる・止まる」の基本操作、第２段階ではルールに則った基本走行、危険予測運転を練習します。
学科と技能の講習時間は以下の通りです。
◆小型二輪免許で必要な教習時間
| 所持免許 | 教習時間 | |
| 必要教習時間 | 免許なし・原付免許のみ | 学科26時限/技能12時限 |
| 普通自動車免許（車） | 学科1時限/技能10時限 |
◆AT限定小型二輪免許で必要な教習時間
| 所持免許 | 教習時間 | |
| 必要教習時間 | 免許なし・原付免許のみ | 学科26時限/技能9時限 |
| 普通自動車免許（車） | 学科1時限/技能8時限 |
④卒業検定
技能講習と学科講習を無事に終了すると、いよいよ卒業検定。
卒業検定とは最終試験のようなもので、検定に合格すると、晴れて卒業となります。
仮に合格できなくても、後日再チャレンジができますので心配は不要です。
卒業検定は100点満点からの減点方式で、70点が合格ライン。
少しくらいのミスは問題ありませんので落ち着いて試験に臨みましょう。
合格後には卒業証明書がもらえ、これが運転免許試験場での実技試験免除の証明になります。
有効期間が1年になりますので、期限が切れる前に試験場で試験を受けましょう。
⑤ 運転試験場で学科試験を受験
無事に教習所を卒業したら、各都道府県の運転免許試験場で学科試験を受験します。
ただ、前述のとおり、教習所卒業者は技能試験が免除になります。
そのため、適正試験と学科試験の２つに受かれば免許が交付されます。
※すでに自動車免許（4輪）を持っていれば、学科試験も不要になるので、免許交付の手続きだけになります。
試験場における小型二輪免許の受験資格
各都道府県の運転免許試験場で受験をする時には、「受験資格」と言うものがあります。
具体的には、以下の条件を満たしている必要があると言うわけですね。
◆年齢・・・満16歳以上
◆居住地・・・運転免許試験場のある都道府県に住んでいること
※住所のある都道府県以外の運転免許試験場では受験できません
◆視力・・・両目で０.7以上、かつ、1眼で、それぞれ0.3以上。
眼鏡・コンタクトの視力矯正で問題ありません。
※片眼が見えない場合、又は1眼の視力が0.3に満たない方は、見える方の視力が0.7以上で且つ視野が左右150度以上
◆色彩識別能力・・・赤色、青色及び黄色の識別が可能
◆聴力・・・10メートル離れた場所で90デシベルの警音器音を聞き取れる。
補聴器でも可能
◆運動能力・・・運転に支障がある身体機能の障害が無い事
また、交通違反・事故等で行政処分を受けていて、欠格期間が終了していない場合は受験資格がありません。
運転免許試験場での受験に必要な書類や費用
続いて、試験場で受験をする時の、「費用」や「必要書類」についても触れておきましょう。
運転免許試験場の受験費用（教習所卒業者）
| 受験料 | 1,750円 |
| 免許交付手数料 | 2,050円 |
| 合計 | 3,800円 |
学科試験の受験料と免許交付手数料で掛かる費用は3,800円です。
ただ、これは技能試験免除の人（教習所卒業者）の場合です。
また、注意が必要なのは、あくまでも一回で合格した場合の費用であること。
学科試験に不合格の場合は再受験になり、受験料はその都度かかります。
受験に必要な書類や必要なもの
①本籍地記載の住民票
個人番号（マイナンバー）が記載されていないものでコピーは不可
②申請用の顔写真（都道府県によっては2枚必要）
※申請前6か月以内に撮影のもの。無帽、正面、上三分身、無背景、たて3cm×よこ2.4cm。試験場で撮影も可能です（有料）
③筆記用具
鉛筆HB、消しゴム、ボールペン。試験や申請書の記入に必要。
④身分証明書
健康保険証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、パスポート、学生証、社員証など。運転免許証を保有している場合は運転免許証。
⑤眼鏡やコンタクト・補聴器等
※普段使用している場合のみ。忘れると視力・聴力検査に受からないので忘れずに。
⑥受験手数料、交付手数料（詳細は前述）
⑦印鑑（認印でOK）
⑧受験申請書（受験票） ※運転試験場に置いてあります
⑨教習所の卒業証明書 ※技能試験が免除になるために必要です。
運転免許試験場での受験の流れ
最後に、試験場での流れです。
受験の申し込みから、免許交付までの流れがイメージできると良いと思います。
①受験申込
一般的には、平日8時30分～当日受験の申込が開始されます。
当日は余裕をもって試験場に向かいましょう。到着後、受験申込書や必要書類を準備して申込みをします。
※各試験場（運転免許センター）によって受付開始時間が異なる場合があります。
②適正試験
視力検査や聴力検査、運動能力検査があります。
特に大変なことはありませんので、スムーズにこなしていきましょう。
※普段、コンタクトや眼鏡、補聴器を使用している方は忘れないようにしましょう。
③学科試験
学科試験の構成は
全部で95問、100点満点。
すべて選択式の〇×マークシート方式です。
合格ラインは90点（90％）です。合否は試験終了後、30分～1時間ほどで発表されます。
ちなみに、全国平均の合格率は73％という数値です。
※普通自動車免許を持っている場合は、学科試験も免除のため、交付手続きのみになります。
④技能試験
教習所を卒業している場合は、技能試験が免除になります。
一発試験を受ける方は技能試験を受けます。
⑤免許交付手続き
学科試験・技能試験に合格すると（免除のケースもあり）、晴れて免許交付の手続きです。
まとめ
あくまでも一般論ですが、小型二輪の免許は教習所に通って取る人が多いと言えます。
教習所卒業で得られる、「技能試験免除」は大きなメリットだからです。
しかしながら、一発試験には時間と費用が抑えられるというメリットもあります。（少ない回数で受かればですが・・・）
どちらを選ぶかは自由ですが、初心者の場合であれば、教習所に通う方がおすすめです。
そもそも、バイクの操作方法や技術も学ぶことができるからです。
また、将来的にもっと大きなバイクに乗るつもりであれば、最初から普通二輪免許（中型）の取得を目指すのもおすすめです。
自分の今後のバイクライフを考慮して、最適な方法を選びましょう。
※2020年3月に更新しました。