未成年でもバイクを買う事はできるのでしょうか?
親の同意が必要だとか、現金一括なら同意は不要とか、色々な話を聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか?
結論から言うと、未成年が親権者の同意なしでバイクを購入するのは凄く難しく、リスクも高いのです。
ここでは、未成年がバイクを買えるのか、親の同意は必要なのかを詳しく解説しています。
未成年がバイクを買うこと自体は問題ない
まず、前提として未成年である20歳未満の人が、バイクを購入する事は全く問題ありません。16歳になればバイクの免許が取得できるのですから、免許があれば、バイクを買って乗ることはOKです。また、所有者として登録することも可能です。
ただ、良く質問を頂くのが、「親の同意が必要」という話です。親の同意が無ければバイクが買えないというのは良く聞く話です。
これは、法律(民法)が関わってくるので、詳しく解説していきましょう。
法律上は親権者の同意が必要と決まっている
未成年がバイクを買う時に、鍵となるのが民法第5条です。
(未成年者の法律行為)
引用:e-Gov電子政府の総合窓口
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
バイクに限らない話になりますが、民法では未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要と定めています。
ここでいう法律行為とはバイクの売買契約で、法定代理人とは親権者(親)にあたります。
つまり、「バイクは買っても良いけど、親の同意は無くてななりません」と法律で決まっているという事です。
ちなみに、20歳未満でも結婚している人は「成年」扱いになるので、親の同意は必要ありません。
親の同意をもらったとバイク屋に嘘をついたら?
未成年の売買契約には同意が必要なことはわかりましたが、バイクショップに「同意をもらってます」と嘘をついたらどうなるのでしょうか?
実は、バイクショップ側も、親の同意なしで未成年にバイクを売るのは非常にリスクが高いのです。先ほどの民法5条の2で、以下のような条文があります。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
引用:e-Gov電子政府の総合窓口
例え話で説明しましょう。
①親の同意をもらったと言うので、未成年にバイクを販売した。
②しばらく経ってから、その親御さんがバイクショップに乗り込んで来て「私(親)が知らなかったので契約は無効にしてちょうだい!」と言ってきた。
③バイクショップはキャンセルして全額返金しなくてはならない。
凄く理不尽ですが、バイクショップはキャンセル・返金せざるを得ないのです。
そうなると、納車のための整備や登録にかけた手間や時間は全て無駄になりますし、バイクは売った時の状態とは限りません。新車だったら中古になって戻ってきますし、中古バイクでも何千キロも走っているかも知れません。
そんなリスクを冒してまで、親の同意をもらっていない未成年にバイクを販売する事は、まずありません。キャンセルされたら大損になるからです。
そのため、バイクショップは「親がバイクを買う事に同意しているか」を確認するのです。
その方法として、親権者に同意書を書いてもらうと言う訳ですね。
ただ、ショップによっては電話で確認をしたり、契約時に親の同席を求めるショップもあります。同意書と電話確認の両方をするお店もあります。
必ずしも同意書が必要な訳ではなく、方法はショップによって違います。
現金一括なら同意は要らないは嘘
また、未成年がバイクを買う時に、「現金一括なら親の同意は要らない」という話もよく聞く話です。
これは、ローンを組んで買う時には保証人(=親)が必要だからです。現金一括の場合には保証人は不要ですので、このような話が出たのだと思われます。
ただ、現金一括であろうと、ローンだろうと、未成年が法律行為(売買契約)をするには法定代理人(親)の同意が必要な事は変わりません。
結局、バイクショップで未成年がバイクを購入する場合には「親権者の同意が必要」という事になります。
ヤフオクなら親の同意は必要ない?
未成年がショップでバイクを買う時には「親の同意が必要」という事はわかりましたが、ヤフオクで落札したり個人売買なら買えるのではないか?
そんな風に考える人も居るかも知れません。
実は、ヤフオクでも未成年がバイクを買う時は保護者の同意は必要で、規約にもしっかりと明記されています。
■18歳以上20歳未満
引用:ヤフオク!ヘルプ
出品・入札するときは、保護者などの法定代理人の同意を得てからご利用ください。
以下のカテゴリには入札できません。
・食品、飲料 > 飲料 > アルコール
■15歳以上18歳未満(中学生を除く)
※4月2日より年度が変更となるため、高校生になる歳の4月2日から利用できます。
出品機能は利用できません。また、入札にあたり以下の制限があります。
【保護者の同意】
【カテゴリの制限】
【入札・落札の制限】
個人売買の場合には、ごまかそうとしたら何とかなってしまうかも知れません。
ただ、トラブルになる可能性は非常に高いですし、トラブルになった時には色々と大変なことになります。多くの人に迷惑をかけるので、やめておきましょうね。
未成年がバイクを買う時に注意する事
親の理解を得ておく
親権者の同意が必要なのはもちろんですが、バイクに乗るという事は単純にバイクを買うだけの話ではありません。もし、ローンで買う時には親に保証人になってもらう必要もありますし、駐車スペースや維持費なども必要です。
すでに働いていて一定の収入があれば良いのですが、学生だった場合には金銭的にも親の力を借りる事もあるでしょう。
後々、聞いてなかったという事の無いように、きちんと話し合って親の理解をもらっておきましょう。
任意保険には必ず入る
また、一番大事と言っても過言ではないのは任意保険です。親にして見れば、金銭面よりも安全面を心配するはずです。
未成年の場合、任意保険は非常に高いですが、任意保険に入らないのはリスクが高すぎます。
未成年が任意保険に加入する時にも、親の承諾が必要になりますので、補償内容などについてもしっかりと相談しておきましょう。
もし、購入するバイクが125㏄以下ならば、親の車の保険のファミリーバイク特約を使うと、かなり保険料の節約になります。ぜひ、親と一緒に検討してみてください。
まとめ:未成年がバイクを買うには親の理解が必要!
おそらく、この記事を読んで頂いている方は、バイクが欲しいけど親に反対されそう(されている)人が多いのではないかと思います。
ただ、未成年がバイクを買うには、親の理解をもらう事は何より重要です。たとえ金銭的な支援を受けなかったとしてもです。
親には親の立場として、反対するには理由があるのでしょう。ただ、親に理解してもらうためには、しっかりと話し合うしか方法はないと思います。
親の話もきちんと聞いて、自分の意見もきちんと話して、お互いに解決策を模索していく事が一番大事でしょう。