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中古バイクの減算歴車と走行距離疑義車って何?買うときの注意点

バイクを買う
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バイクを買おうとする時に、最近はネットで探すことも多くなりました。

中古バイクの場合には、ネット上の写真や、年式、走行距離などの情報を参考にしてバイクを選びますが、良くあるのが減算歴車走行距離疑義車という表示です。

これらの表記について、良くわからない人も多いのではないでしょうか?

そのため、ここでは

  • 減算歴車とはどんなバイクか
  • 走行距離疑義車とはどんなバイクか
  • これらのバイクを買う時の注意点

について、詳しく解説しています。

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走行距離のルールについて知っておこう

まず、本題に入る前に、減算歴車走行距離疑義車と言う表示の「背景とルール」を認識しておいた方が良いでしょう。

これらの走行距離表示の定義やルールを定めているのが「一般社団法人自動車公正取引協議会」です。

バイク業界の人は「公取協(こうとりきょう)」なんて呼び方をします。

この法人がどのようなものかと言うと、以下のような表記があります。

自動車公取協は、消費者庁公正取引委員会から認定されたルールである「自動車公正競争規約」を運用する機関として、昭和46年(1971年)12月に設立された公益法人です。
自動車メーカーや国産・輸入車の新車・中古車・二輪車販売店が会員となっています。自動車公取協は、公正競争規約の運用を通じ、消費者と販売店を結ぶ「信頼されるクルマ販売」を推進するための活動を行っています。

引用:一般社団法人自動車公正取引協議会

わかりやすく言うと「車やバイクの販売が公正に行われるように、広告や販売方法のルールを決めている公益法人」という事ですね。

また、車屋さんやバイク屋さんが、この公取協の会員になっています。

ここでポイントになるのが、全てのバイクショップが公取協の会員になっている訳ではないという事です。

もちろん、会員になっているショップも非常に多いのですが、会員になる事は義務ではありませんん。

そのため、加入しなくてもバイクショップを営業する事はできるのです。

公取協の加盟店

会員店舗は公取協のホームページで検索が可能です。気になるショップがあったら検索してみると良いでしょう。会員でないからと言って、悪徳店とは限りません。ただ、会員のお店の方が一定の安心感があるのは事実でしょう。

また、この走行距離のルールは、

  • グーバイク
  • バイクブロス
  • Webike!
  • MJバイク

という、4つの広告媒体も参加しています。

そのため、この4つの媒体に掲載されているバイクは全て、「減算歴車」「走行距離疑義車」のルールが適用されています。(平成28年の10月から適用されたルールです)

つまり、公取協に加盟していないショップでも、この4媒体に掲載するバイクは、走行距離の表示ルールを守らなくてはならないという事です。

ポイント

これらのサイトの情報は、ショップが自ら情報をサイトにアップする仕組みです。基本的には表示ルールを守っているはずですが、100%広告媒体側や公取協がチェックしている訳ではありません。

走行距離減算歴車って何?

さて、前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。

走行距離の減算歴車というのは、一言でいうと「実際より走行距離が少なくなっているバイク」という事です。

これには2つのパターンがあって、

  • ①過去の業者オークションの出品歴や車検証・点検記録簿のデータよりもメーターの距離数が減っている
  • ②メーターが交換されている

この2つが当てはまります。

①に関しては、メーターが巻き戻されているということです。

②は、メーター交換がされていても、交換前の距離と交換後の距離が明確で、交換されたときに「交換シール」が貼ってあれば「走行メーター交換歴車」になります。

そのため、厳密に言うと「メーター交換がされていて、交換歴シールが貼っていないバイク」という事になります。

メーター交換シール

公取協がバイクショップに配布しているシールで、「メーター交換時の走行距離が記録されているシール」のことです。

以前は、バイクショップも「メーター交換シール」の存在をほとんど知らなかったのも事実です。

そのため、平成28年以前にメーター交換をしていた場合は、ショップがメーター交換時の距離数をきちんと把握していても、交換シールを貼っていないという事もあります。

ただ、この場合にも減算歴車の扱いになってします。

まとめると「中古バイクの減算歴車」とは、

  • 走行距離が巻き戻されているバイク
  • バイクのメーターが交換されていて、交換時の走行距離を記録するシールが貼っていないバイク

のどちらかという事になるという事ですね。

どちらも厳密な走行距離がわからないという事ですが、どちらの要因で減算歴車になっているかは、かなり意味が異なります。

(詳しくは、後述の「買うときの注意点」で解説しますね。)

また、減算歴車はカスタム車に多い傾向があります。

カスタム目的でメーターを交換することが多いからです。

特に、カスタムメーターを使う事が多いアメリカン、ストリート系、ビックスクーターをメインで扱うショップは、減算歴車が多くなってしまうと言う訳です。

走行距離疑義車って何?

では、もうひとつの走行距離疑義車について説明しましょう。

疑義車の「疑義」とは「はっきりしない、疑問に思う」という意味です。

バイクショップがそのバイクを見た時に、

「メーターの交換がされていないし、過去のデータでも走行距離が巻き戻された履歴はないが、走行距離の表示が怪しいバイク」

の時にこの表示がされます。

例えば、走行距離が3,000km程度のバイクがあったとします。

  • バイクをチェックすると、ブレーキのローターの減りやステップのゴムの摩耗状態からみて、3,000㎞というのは疑わしい。
  • 20年前に発売したバイクで、タイヤもかなり減っているので3,000㎞はどう考えても怪しい

とはいっても、どちらもメーターは純正のままで。巻き戻した履歴もない。

しかしながら、3,000㎞が正しいとも言い切れない。

こんな時に、ショップの方で走行距離疑義車という表示をします。

昔のスクーターだと、走行距離の桁数が4桁(9,999㎞)までしかないので、10,000㎞走ると0㎞に戻ってしまいます。

このようなバイクや、いわゆる旧車と言われる数10年前のバイクの時に良くある表示です。

旧車の場合などは、純正のメーターに交換がされていたり、もしくはレストアの際にメーターをリビルドをしていたりしていても、古すぎて履歴が残っていないケースもあります。

考えようによってはきちんと情報を出しているという事

一見、減算歴車や疑義車というと、マイナス要素のあるバイクというイメージを持つ人がほとんどではないかと思います。

たしかに、どちらも走行距離が明確ではないという面ではマイナス材料です。

ただ、考え方によっては「走行距離が正しくない」「怪しい」という情報をオープンにしてくれているという事です。

たとえば、ヤフオクやメルカリなどの個人売買や、このルールを適用していない広告媒体やショップでは、減算歴や疑義があっても公表していないケースも沢山あるという事は知っておいた方が良いでしょう。

前述のとおり、このルールは公取協のルールであって、会員のショップと4つの媒体(グーバイク、バイクブロス、Webike!、MJバイク)以外は、守っているかはわからないのです。

事前に減算歴や疑義があるという事を知れることはプラスと捉えるべきでしょう。

減算歴や疑義車を買う時の注意点

では、走行距離や疑義車を買う事は大丈夫なのでしょうか?

できる事なら、避けた方が良いでしょう。

どちらも走行距離が正しくないバイクなので、少なからずリスクがある事は否めません。

もし、他にも候補があるのであれば、そちらのバイクを購入する事をおすすめします。

しかしながら、どうしても欲しいバイクが減算歴車や疑義車だというケースもあるかもしれません。

そのような時のポイントについてまとめてみます。

減算歴の背景を確認する

減算歴には2つのパターンがある事には触れました。

ひとつは明らかに巻き戻されている場合です。この場合にはリスクはかなり高くなります。

10,000㎞が5,000㎞になったのか、50,000㎞が5,000㎞になったのか分からないからです。

よっぽどバイクの状態に詳しい人で、バイクの現車を確認できない場合には避けた方が良いでしょう。

もう一つは、メーター交換がされている場合です。

この場合には、ショップの方で「交換時の状況」を把握しているかどうかが重要です。

業者オークションで仕入れてきたバイクで減算歴の場合には、リスクは高くなります。ショップ側もメーター交換した時の状況が不明だからです。

一方で、

  • 前のオーナーの時に、うちのお店でカスタムして社外メーターに変えた
  • メーターが壊れて、うちで交換したけどシールを貼っていないだけ
  • 15,000㎞のバイクを買ってきて、カスタム車で売るために新品のカスタムメーターに交換した

と言うように、お店が経緯を把握している場合もあります。

このような場合は、ショップでバイクの状況を把握しているため、比較的リスクは少なくなります。

巻き戻しなのか、メーター交換なのか。

また、メーター交換であれば状況を把握しているかをショップに確認してみると良いでしょう

現車の確認ができない場合には避けた方が良い

減算歴車や疑義車を通販で購入するのは、非常にリスクが高いです。

仮に減算歴車や疑義車であっても、きちんと整備がされて調子の良いバイクがあるのは事実です。

しかしながら、走行距離が正しくないという状況の中で、バイクを見ないで買うのはあまりにもリスクが高すぎます。

また、現車を確認する場合に、バイクに詳しくないとあまり意味がありません。

バイクに詳しい人と一緒に行き、確認をしてもらいましょう。

もちろん、エンジンを掛けてもらって外見だけでなく機関もチェックする必要があります。

もし、バイクにも詳しくなくて、現車確認を頼める「バイクに精通している知人」がいない場合には、減算歴車、疑義車の購入は避けるべきです。

保証が付かないバイクは極力避ける

中古車でも、ショップ独自の保証が付くバイクも沢山あります。

もちろん、新車の保証と異なり短い保証ですが、期間が短くても、ショップが保証を付けられるかどうかという事はひとつの基準となります。

保証のない減算歴車や疑義車は更にリスクが高くなります。

逆に、減算歴車や疑義車でも保証が付いていれば、「少なくとも保証期間中は」ショップが責任を持って見てくれるという事になります。

カスタムビックスクーターは特にリスクが高い

一昔前に、ビックスクーターのカスタム車が大流行した事がありました。

当時はエアロパーツやロンホイ、ローダウン、LEDなどフルカスタムがヒットして、そのバイクを作るのに粗悪なベース車両がたくさん使われました。

もちろん、全てが粗悪なベース車とは言えませんが、かなり流通したのは事実です。

減算歴車や疑義車の中でも、かなりリスクの高いジャンルである事は認識しておいた方が良いでしょう。

4桁スクーターは10,000㎞以上は確実

古い原付スクーターで

  • メーター表示が4桁(9,999㎞)までのバイク
  • 走行距離疑義車

この2つを満たしている場合には、少なくても10,000㎞以上、場合によっては2万、3万㎞走っていると思った方が良いでしょう。

このようなバイクを購入する時には、しっかりとエンジンの状態を確認しておく必要があります。

ショップの事を調べる

バイク購入に一番重要なのが、ショップ選びです。

仮に減算歴や疑義車を買うとなっても、良いショップなのか、悪いお店なのかで大きく異なります。

減算車や疑義車を販売していても、きちんとしたお店も沢山あります

ただ、残念ながら、悪いお店もあるのは事実です。

昨今はネットでいくらでも調べる事ができます。

口コミや評判はもちろん、扱っているバイクのラインナップや店舗の状態、公取協への加入や色々な資格など、判断材料は沢山あります。

また、実際にショップに行ってみると、お店の雰囲気や対応も良くわかるでしょう。

ショップ選びが重要なのは言うまでもありませんので、バイクの事はもちろん、ショップの事もしっかりと調べておくことが重要です。

まとめ

減算歴車、走行距離疑義車について長々と綴りましたが、この記事をお読みの方は、欲しいバイクが減算歴車や疑義車だったのではないかと思います。

このようなバイクは、走行距離が正しくないという理由から、少なからずリスクがあるのは事実です。

そのため、可能であれば避けた方が良いでしょう。

しかしながら、

減算歴車、走行距離疑義車でも程度の良いバイクや、調子の良いバイクも沢山あります。

減算歴車、走行距離疑義車でもしっかりと整備して販売しているショップも沢山あります。

中古バイクを走行距離だけで判断するのは適切ではないのです。

もし、減算車や疑義車と言う表示のバイクが欲しい場合には

  • バイクの状態を判断できる知識のある人に現車を確認してもらう(自分でできれば自分でも良いが、現車確認は必須)
  • 安心できるショップかどうかの情報収集をしっかりする

このふたつは必ず行いましょう。

バイクは安い買い物ではありません。多少なりともリスクがある事を認識したうえで購入を判断しましょう。

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※本記事は2019年4月に記載しています。ご活用の際は、有用性をご確認くださいますようお願い致します。