ホンダのスーパーカブは、世界的にもトップクラスの名車と言えるでしょう。
なんと、2017年には世界の生産累計台数が1億台に達しています。
もちろん日本でも、仕事用だけではなく、ツーリングなど趣味バイクとしても非常に人気ですよね。
本家のスーパーカブだけでなく、リトルカブやクロスカブ、ハンターカブ・・・排気量も色々で、ラインナップが豊富なのも魅力のひとつ。
ただ、「カブに乗るために必要な免許って何?」と疑問に思う人も多いようです。
カブはスクーターではないけど、クラッチレバーは無い。
でも、足でシフトペダルの操作は必要です・・・。
果たして、原付免許、小型二輪免許、AT小型限定二輪免許・・・どの免許で乗れるのでしょうか。
ここでは、
などについて詳しく解説しています。
スーパーカブやクロスカブの運転に必要な免許は?
初めに結論から言ってしまうと、「カブ」に乗るために必要な免許は
のどちらかです。
ただ、どちらでも良いわけではなく「カブの排気量」によって必要な免許が異なります。
具体的には、
で運転ができます。
51~125㏄のカブの場合は、排気量区分では小型二輪免許にがいとうしますが、「AT限定」でも運転が可能というわけです。
カブの排気量 | 運転に必要な免許 | 運転できるカブの例 |
50cc以下のカブ | 原付免許 | スーパーカブ50、リトルカブ、クロスカブ50、 郵政カブMD50 など |
51㏄~125㏄のカブ | AT限定小型二輪免許 | スーパーカブ70、スーパーカブ90、スーパーカブ110 スーパーカブC125、クロスカブ110、CT125ハンターカブ など |
ホンダの「カブ」ですが、ラインナップは多岐に渡ります。
一例を挙げれば、スーパーカブ50、スーパーカブ70、スーパーカブ90、スーパーカブ110、スーパーカブC125・・・などなど。
昔のモデルには「デラックス」や「カスタム」、「ストリート」などの仕様があり、最近でも「プロ」仕様など。
他にも派生モデルとしてハンターカブ、リトルカブ、クロスカブ・・・。
年式の古いビンテージカブもあるので、全て挙げていたら「キリ」がありません。
ただ、必要な免許は50㏄以下(原付1種)なのか、51㏄~125㏄(原付2種)なのかで判断して問題ないと言うことですね。
また、もしかしたらの話ですが、将来的には電動カブや125㏄を超えるカブが出てくるかも知れません。
その時には、現状のバイクの免許制度に則った免許が必要になると言うわけです。
関連記事≫バイク免許の種類は7つ!取得に必要な費用・期間・年齢のまとめ
関連記事≫電動バイクに乗るには免許はいる?免許区分とルールについて解説
原付2種のカブがAT限定免許で運転できるのは何故?
前述のとおり、51㏄~125㏄のカブは「AT限定小型二輪免許」で運転ができます。
ただ、足でシフトチェンジをするので、なんとなく違和感を感じる人も多いのではないでしょうか。
また、そもそも、スーパーカブやクロスカブなどの「カブ」は、オートマ(AT)なのかマニュアル(MT)なのかどちらに該当するのでしょう。
まず、マニュアルとオートマの違いを確認してみましょう。
マニュアル(MT)とは「マニュアル・トランスミッション」の略。
クラッチの操作を行い、自分でシフトチェンジを行う車(バイク)の事ですね。
例えばCB400SFやSR400など。
クラッチレバーを握ってクラッチを切って、足でシフトチェンジをして、再びクラッチを繋ぐ。
このような操作が必要です。
一方で、オートマ(AT)とは「オートマチック・トランスミッション」の略。
自分で操作をしなくても、自動的にギアチェンジをしてくれる車(バイク)のこと。
バイクなら、いわゆるスクーターのイメージですね。
では、カブはと言うと・・・足でのシフト(ギア)チェンジは必要です。
ただ、左手でクラッチ操作をする必要はありません。(そもそもクラッチレバーがありません。)
このような特殊な仕組みなので、ATなのかMTなのか迷う人が多いのでしょう。
ただ、結論としては「カブは(免許制度上は)AT車扱い」となります。
これは、道路交通法施行規則にて以下のように記載されているからです。
AT車
引用:道路交通法施行規則第19条4項別表第二
AT機構がとられており、クラッチの操作装置を有しない自動車等
ちなみに、「AT機構」については「オートマチック・トランスミッションその他のクラッチの操作を要しない機構(以下「AT機構」という。)」と、同じ道路交通法施行規則内で記載されています。
つまり、免許制度上のAT車の定義は、あくまでも「クラッチ操作」を有さないことで「ギア操作」の有無ではないと言うわけですね。
そのため、クラッチ操作のないカブは「AT限定免許」で運転ができると言うわけです。
では、最近人気のダックス125、モンキー125はどうかと言うと・・・
となっていますね。
ちなみに、ホンダのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)搭載のバイクもクラッチ操作は不要です。
なので、排気量の規定さえ満たせば、ゴールドウイング(DCT)やアフリカツイン(DCT)もAT限定免許で運転が可能と言うわけですね。
関連記事≫AT限定大型二輪免許!650ccの排気量制限が無制限に【2019】
カブにクラッチ操作が無いのは何故?
では、なぜスーパーカブやクロスカブには「クラッチ操作」が不要なのでしょう。
それは、カブは「自動遠心クラッチ」を採用しているためです。(※現在のカブは二段クラッチシステム。自動遠心クラッチは旧型カブになります。)
この自動遠心クラッチは非常に優れた仕組みで、
と言う仕組みになっています。
そのため、クラッチの操作をしなくても、エンストはしないし、発進時もギアを入れスロットルを捻れば走り出します。
(メチャクチャ優れた機構ですよね・・・)
このような仕組みを考えた目的が、「お蕎麦屋さんが出前の時に右手でだけで運転できるように」だったと言うのは非常に有名な話ですね。
遠心クラッチは、その名の通り「遠心力」を利用して動力の断続をしています。
エンジンの回転数が早くなると、ウエイト(おもり)が遠心力で移動してクラッチが繋がると言うわけです。
ちなみに、前述のとおり型式JA07以降のカブは二段クラッチシステムに変わって、より機構は単純になっています。
この「二段クラッチシステム」の具体的なメカニズムについては、ホンダさんもページで公開していますね。
まとめ
世界で一番売れたバイクが「スーパーカブ」です。
60年以上も生産され続けるバイクなんて、今後は出てこないでしょうね。
もちろん、どんどん進化は続けているわけですが、これからもカブの歴史は続いて行って欲しいものです。
自動遠心クラッチに、シーソーペダル、4速ミッション(昔は3速)。
独特の機構ですが、乗ってみると凄く面白いバイクです。
また、カブの燃費の良さはエコカーなんて比べ物にならないくらい低燃費です!
関連記事≫国内バイクの燃費ランキング!排気量別の最強はどれ?
機会があれば、ぜひ一度は乗ってみると良いと思います!