400㏄までのバイクを運転できる免許が「普通自動二輪免許」です。
ひとつ下の区分である「小型二輪免許」で乗れるのは125㏄まで。
そのため、250㏄のバイクに乗る時も、この普通二輪免許が必要になると言うことですね。
400㏄まで運転できるとバイクの選択肢も非常に多くなりますので、「最初のバイク免許」として、非常に人気の免許と言えます。
ここでは、
などについて詳しく解説しています。
これからバイクの免許を取ろうとしている人は、ぜひ参考にしてみて下さい!
普通二輪免許とAT限定二輪免許がある
普通二輪免許にも、小型二輪や大型二輪同様に、AT限定の区分があります。
AT限定とは、「オートマチック・トランスミッション限定」のこと。
簡単に言うと、クラッチ操作が不要な車両に限定して運転ができると言うことですね。
バイクで言えば、スクーターなどがAT車にあたります。
AT車に対して、クラッチ操作やシフトチェンジを運転者が行う車両を、MT車(マニュアル・トランスミッション車)と言います。
一般的なオートバイはほとんどがMT車です。
と言うことになります。
普通二輪免許で運転できるバイク
普通二輪免許では400㏄までのバイクが運転できます。
では、具体的にはどんな車種があるのでしょう。いくつか実例を挙げてみます。
◆普通二輪免許・・・400㏄までのバイク
例)ニンジャ250、CB400SF、SR400、YZF-R3、マジェスティ400
スクータータイプのAT車でも、クラッチ操作あるMT車でも400㏄までなら運転することができます。
◆AT限定普通二輪免許・・・400㏄までのAT車
例)フォルツァ、バーグマン400、X-MAX、PCX150、トリシティ155
400㏄までの「AT車」に乗ることが可能です。
400㏄まで乗ることができると、かなりバイクの選択肢が増えてきますよね。
最近は、国産メーカーのみならず、輸入車でも普通二輪免許で乗れるバイクが増えてきました。
MT車も乗れる普通二輪免許であれば、ドカティのスクランブラー400や、BMWのG310R、KTMのDUKE250などの外車も選択肢に入ってきます。
普通二輪免許の取得方法
普通二輪免許を取得する方法は
という2つの方法があります。これはAT限定でも変わりません。
それぞれの取得方法を順番に解説していきますね。
①自動車教習所を利用して取得する
多くの人が選択するのが、こちらの教習所に通う方法です。
なぜなら、自動車教習所の規定の講習、卒業検定をクリアすることで、運転免許試験場での技能試験が免除になるからです。
また、そもそもですが、バイクの運転方法や技術を学ぶ必要があるからですね。
自動車教習所を卒業すると、卒業証明書がもらえます。
有効期限が1年になりますので、その間に運転免許試験場で適性検査と学科試験に合格すれば免許が交付されます。
ちなみに、技能試験が免除になるためには、「公安委員会指定の公認自動車教習所」である事が条件です。
少数ですが、なかには「非公認」の教習所も存在しますので、入校時には必ず確認しましょう。
②運転免許試験場で直接試験を受ける
ふたつ目の方法は、自動車教習所に行かないで試験を受ける方法。
運転免許試験場(運転免許センター)で直接試験を受けて、合格すれば免許が取得できます。
いわゆる「一発試験(ダイレクト試験)」と言われる方法ですね。
この場合、「適正試験」「学科試験」「技能試験」の3つをクリアする必要があります。
ただ、技能試験(一発試験)においては難易度が高い事で有名です。
それまでバイクに乗った事が無ければ、ほぼ不可能に近いと言っても良いかも知れません。
ただ、教習所に通わずに合格できれば、教習所に掛かる費用と時間を大きく削減できるメリットがあります。
しかしながら、不合格が続けば受験するたびに費用が掛かり、何度も受験をするために足を運ばなくてはなりません。
もし、チャレンジしてみたい方は、以下の記事にて詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
普通二輪免許取得で教習所入校に必要なもの
では、多くの人が選択すると思われる「教習所」に入校する時には、どんな準備が必要なのでしょうか。
まずは、用意する必要があるもの(書類)をまとめています。
①本籍地記載の住民票
マイナンバーの記載がないもので取得から6か月以内のもの(教習所によっては3か月以内)
②運転免許証
すでに持っている方のみ。持っていない方は不要。
③身分証明書
健康保険証、住民基本台帳カード、パスポート、学生証、印鑑証明書など。免許証があれば免許証でOKです。
④写真 ※縦3センチ、横2.4センチ。無帽無背景のものが一般的。
※写真の枚数は各教習所、入校者によって変わります。バイクの場合は2枚~4枚のケースが多いです。教習所でも撮影できるので、確認後の撮影をおすすめします。
⑤学生証
学生の場合のみ、学生割引が適用される教習所が多いので活用しましょう。
⑥印鑑(認印可)
⑥入学申込書
各教習所にて入手可。未成年の場合は、親権者の同意書が必要な場合があります。
関連記事≫バイク免許は親に内緒で取れる?【反対する親を説得する方法】
⑦入校時必要な料金
※振り込み対応が必要な場合や、ローン対応が可能な教習所もあります。
具体的な金額や支払い方法など、料金に関しては必ず各教習所に確認をしましょう。
普通二輪免許取得時の教習所費用の相場
前述の通り、教習所の費用は、各教習所や入校時のプランによっても変わってきます。
ただ、一般的な費用の目安として紹介しておきます。
◆普通二輪免許の教習所費用の目安
所持免許 | 費用 | |
参考教習所費用 | 免許なし・原付のみ | 180,000~220,000円ほど |
普通自動車免許(車) | 100,000~140,000円ほど | |
小型二輪免許 | 50,000~70,000円ほど | |
AT限定小型二輪免許 | 50,000~70,000円ほど |
◆AT限定普通二輪免許の教習所費用の目安
所持免許 | 費用 | |
参考教習所費用 | 免許なし・原付のみ | 170,000~210,000円ほど |
普通自動車免許(車) | 100,000~130,000円ほど | |
小型二輪免許 | 50,000~70,000円ほど | |
AT限定小型二輪免許 | 50,000~70,000円ほど |
多くの教習所で、AT限定の方が若干安い傾向にありますが、それほど大きな費用の差はありません。
また、小型二輪免許や車の免許を持っている場合には、学科が免除になりますので、その分がかなり安くなります。
※繰り返しになりますが、教習所の料金は各教習所やプランによって差があります。
入所予定の教習所で事前に確認をしましょう。
教習所に入校後の流れと教習期間
続いて、教習所に入校してから免許の取得までの流れを見てみましょう。
教習に必要な時間は違いますが、普通二輪でもAT限定普通二輪でも「流れ」は一緒です。
①入校の申込み
必要な書類や料金を用意し、入校の手続きを行います。
入校後は一番最初に入校説明会などを実施する教習所が一般的です。
②適性検査
聴力・視力・運動能力などの適性検査を行います。
また、性格診断を行い運転適性なども診断します。
③学科教習と技能教習
学科教習は運転に必要な交通ルールや法規、運転に必要なマナーなどを座学で学びます。
2段階制になっており、第1段階では基礎知識、第2段階では専門知識です。
技能講習は実際にバイクに乗って、操作方法や運転技術を身に付けます。
技能講習も2段階制になっており、第1段階では「走る・曲がる・止まる」の基本操作を学びます。
第2段階の教習ではルールに則った基本走行・危険予測運転の練習ですね。
学科と技能講習に必要な時間数は以下の通りです。
◆普通二輪免許
所持免許 | 教習時間 | |
必要教習時間 | 免許なし・原付のみ | 学科26時限/技能19時限 |
普通自動車免許(車) | 学科1時限/技能17時限 | |
小型二輪免許 | 学科0時限(免除)/技能5時限 | |
AT限定小型二輪免許 | 学科0時限(免除)/技能8時限 |
◆AT限定普通二輪免許
所持免許 | 教習時間 | |
必要教習時間 | 免許なし・原付のみ | 学科26時限/技能15時限 |
普通自動車免許(車) | 学科1時限/技能13時限 | |
小型二輪免許 | 学科0時限(免除)/技能3時限 | |
AT限定小型二輪免許 | 学科0時限(免除)/技能5時限 |
④卒業検定
技能教習と学科教習を無事に修了すると、いよいよ卒業検定です。
卒業検定は最終試験のようなもので、検定に合格すると、晴れて卒業となります。
仮に合格できなくても、再チャレンジができますので心配は要りません。
卒検は100点満点からの減点方式で、70点が合格ライン。
少しくらいのミスは問題ありませんので落ち着いて試験に臨みましょう。
合格すると卒業証明書がもらえ、運転免許試験場で実技試験免除になると言うわけです。
⑤運転試験場で学科試験を受験する
無事に教習所を卒業したら、運転免許試験場で学科試験を受験する必要があります。
(技能試験は免除)
ただ、もし自動車免許(4輪)や小型限定自動二輪(AT限定も含む)を持っていれば、学科試験も免除です。
その場合は、免許交付の手続きだけになります。
ここまで終われば、無事に免許交付です!
試験場における普通二輪免許の受験資格
各都道府県の運転免許試験場で受験をする時には、「受験資格」と言うものがあります。
具体的には、以下の条件を満たしている必要があると言うわけですね。
◆年齢・・・満16歳以上
◆居住地・・・運転免許試験場のある都道府県に住んでいること
※住所のある都道府県以外の運転免許試験場では受験できません
◆視力・・・両目で0.7以上、かつ、1眼で、それぞれ0.3以上。
(眼鏡・コンタクトの視力矯正可能)
※片眼が見えない場合、又は1眼の視力が0.3に満たない方は、見える方の視力が0.7以上で且つ視野が左右150度以上
◆色彩識別能力・・・赤色、青色及び黄色の識別が可能
◆聴力・・・10メートル離れた場所で90デシベルの警音器音を聞き取れる。
補聴器を付けていても可。
◆運動能力・・・運転に支障がある身体機能の障害が無い事
また、交通違反・事故等で行政処分を受けていて、欠格期間が終了していない場合は受験資格がありません。
運転免許試験場での受験に必要な書類や費用
続いて、試験場で受験をする時の、「費用」や「必要書類」についても触れておきましょう。
運転免許試験場の受験費用(教習所卒業者)
受験料 | 1,750円 |
免許交付手数料 | 2,050円 |
合計 | 3,800円 |
学科試験の受講料と免許交付手数料で掛かる費用は3,800円です。
ただ、これは技能試験免除の人の場合です。
また、注意が必要なのは、あくまでも一回で合格した場合の費用であるということ。
学科試験に不合格の場合は再受験になりますので、受験料はその度に掛かります。
受験に必要な書類や必要なもの
受験の時に準備が必要なの物は以下の通りです。
特に、メガネや補聴器を普段使用している人は、忘れないようにしましょう。
①本籍地記載の住民票
※個人番号(マイナンバー)が記載されていないものでコピーは不可
②申請用の顔写真(都道府県によっては2枚必要)
※申請前6か月以内に撮影のもの。無帽、正面、上三分身、無背景、たて3cm×よこ2.4cm
※試験場で撮影も可能です(有料)
③筆記用具
鉛筆HB、消しゴム、ボールペン。
④身分証明書
健康保険証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、パスポート、学生証、社員証など。運転免許証を保有している場合は運転免許証。
⑤眼鏡やコンタクト・補聴器等
※使用している場合のみ
⑥受験手数料、交付手数料 (詳細は前述)
⑦印鑑(認印でOK)
⑧受験申請書(受験票)
運転試験場に置いてあります
⑨教習所の卒業証明書
技能試験が免除になるために必要です。
試験場での受験の流れ
最後に、試験場での流れです。
受験の申し込みから、免許交付までの流れがイメージできると良いと思います。
①受験申込
一般的には、平日8時30分~当日受験の申込が開始されます。
当日は余裕をもって試験場に向かい、受験申込書や必要書類を準備して受付をします。
※受付時間は各試験場(運転免許センター)よって若干異なる場合があります。
必ず事前に確認しておきましょう。
②適正試験
視力検査や聴力検査、運動能力検査があります。
特に大変なことはありませんので、スムーズにこなしていきましょう。
※普段、コンタクトや眼鏡、補聴器を使用している方は忘れないようにしましょう。
③学科試験
学科試験の構成は
全部で95問100点満点で、すべて選択式の〇×マークシート方式です。
合格ラインは90点(90%)。
合否は試験終了後、30分~1時間ほどで発表されます。
ちなみに、全国平均の合格率は73%という数値です。
※普通自動車免許、もしくは小型限定二輪免許を持っている場合は、学科試験も免除のため、交付手続きのみになります。
④技能試験
教習所を卒業している場合は、技能試験が免除になります。
一発試験を受ける方は技能試験を受けます。
⑤免許交付手続き
学科試験に合格(技能免除)すると、晴れて免許交付の手続きです。
まとめ
バイクの免許(普通二輪)を取る場合、多くの人は自動車教習所に通う方法を選ぶと思います。
教習所に通えば、しっかりとした技術と知識を身に着けられますし、試験場での技能試験が免除になることは大きなメリットです。
そのため、初めてのバイク免許であれば、ちゃんと教習所に通う方法をおススメします!
また、まとまった休みが取れる場合には、合宿免許と言う方法もおススメです。
詳しくは下記にまとめていますので、興味があれはこちらの記事も読んでみてください。
※2020年3月に更新しました