もし、愛着のある大事なバイクを盗まれてしまったら・・・そんな事は考えたくないですが、実は、平成30年のバイク盗難件数は1万5千件を超えています。
最盛期に比べるとかなり減少しているとは言え、今でも多くのバイク盗難が発生しています。
このような被害に合わないためにも、万が一の事を考えて、防止策は打っておきたいものです。
ここでは、できる限り盗難に遭わないためにできる盗難防止策や、おすすめのバイクロックについて解説しています。
バイクの盗難被害件数は?
政府統計の犯罪統計によると、平成30年(2018年)に発生したバイクの盗難は15,292件だそうです。
前年(2017年)が20,184件ですので、かなり減少しているものの、まだまだ盗難は多く発生していると言えます。
実際に365日で割ると、1日に40件以上(41.8件)のバイク盗難事件が発生している事になります。
大事なバイクを盗むような人には激しい怒りを覚えますが、今でもこれだけのバイク盗難がある事は認識しておくべきでしょう。
盗まれたら戻ってこないと思った方が良い
また、同じように政府統計の犯罪統計に、検挙率という数字が公表されています。要は、バイク窃盗でどれくらい犯人が捕まっているかと言う割合です。
平成30年 | 平成29年 | |
バイク盗難件数 | 15,292件 | 20,184件 |
検挙数 | 2,652件 | 3,017件 |
検挙率 | 17.3% | 14.9% |
平成30年で17%強、平成29年では15%弱しか犯人が捕まっていません。
また、仮に犯人が捕まってもバイクが戻ってくる保証はありません。
もちろん、犯人が捕まらなくてもバイクが見つかるケースもあるかも知れませんが、警視庁の犯罪情勢によると、バイクが戻ってきた車両還付率は約42%です(平成29年)
半数以上の人のバイクが戻って来ていないという非常に残念な状況です。
幸い、バイクが戻ってきたとしても、元の状態で戻ってくる確率はより低くなるのではないでしょうか。
少年や未成年に盗まれたら、いたずらや乗り捨てされる事もあるでしょうし、プロの犯行であれば、ロックの破壊の際に傷が付くこともあるでしょう。
いずれにせよ、盗まれたら戻ってこないと思っていた方が良いですし、だからこそ、盗まれないような対策が重要という事です。
盗難されやすいバイクは?
同じく警視庁の犯罪情勢によると、盗難に遭ったバイクは
だそうです。
50㏄のバイクが盗まれる中心のように感じますが、実際は原付~大型バイクまで満遍なく盗難被害に遭っています。
厳密なデータは出ていませんが
など、ターゲットが異なっているような傾向にあります。
そのため、盗まれやすいバイクと言うよりも、どんなバイクでも盗難にあう可能性はあるというように認識しておいた方が良いでしょう。
バイク盗難に合わないための防止策
では、できる限り盗難に遭わないようにするために、何をすれば良いのでしょうか?
防止策として、いくつかピックアップしています。
バイクのキーは付けっぱなしにしない
本当に当たり前の事ですが、犯罪情勢によると27.8%がキー付きで盗難に遭っています。
ちょっとした用事で停めた時や短時間でもきちんとキーを抜く事は忘れないようにしないといけません。
ちょっとコンビニでトイレなんてタイミングでも、キーを付けておけば、盗まれても仕方ありませんという事です。
目を付けられないようにする
まずは、窃盗犯のターゲットにならない事が重要です。
例えば、バイクのカバーや簡易ガレージも盗難防止には効果があります。
どのようなバイクなのかを隠す効果にもなりますので、たとえ屋根があるような場所に保管していても、常にカバーを掛けて車種の特定ができなくする措置は重要です。
また、コンテナやガレージに保管することができれば、より一層効果的です。
もちろん、コンテナやガレージ保管なら完全に安全という訳ではありませんので、二重三重の対応をおすすめします。
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停める場所に気を付ける
バイクの駐車場(駐輪場)の都合もあるとは思いますが、停めておく場所にも気を付ける必要があります。
自宅の駐車場に停めている場合でも、車の奥にバイクを停めるようにして、ロックが外されても搬出できない位置にするなどの工夫が必要です。
どんなに強固なロックをしていても、搬出しやすい場所に停めておくと、台車を利用したり、大人数人で持ち上げてトラックに乗せられてしまえばお終いです。
セキュリティの高いガレージを利用する
都市部では、バイクを預かってくれるレンタルガレージも少なくありません。
このようなレンタルガレージの場合は、監視カメラや警備会社との提携など、高いセキュリティレベルを保っているところも非常に多いです。
自宅保管が不安な方は、このようなレンタルガレージを利用する事も選択肢のひとつです。
また、もし利用する場合には、どれくらいのセキュリティ対策をしているのかは、必ず確認するようにしましょう。
ロックはフレームや後輪が効果的
バイクのロックをタイヤに掛ける場合には、前輪よりも後輪が効果的。
前輪ロックの場合には、数人でフロントを持ち上げると動かせてしまいます。
もし、後輪にロックし、ハンドルロックもしておけば、盗難の難易度を上げることが可能です。
また、チェーンタイプなどの場合には、可能であればフレームに掛けるのが効果的です。
ダミーでも防犯カメラは効果的
防犯カメラを設置できれば、盗難犯を寄せ付けない効果があります。
当然ですが、窃盗犯は顔や盗難現場を見られるのは嫌がります。
最悪、ダミーカメラでもちょっと嫌だなと思わせることが可能です。(中にはダミーを見破るプロも居ますので注意しましょう)
盗難しにくいと思わせる
一番効果的なのは、窃盗犯に「このバイクは盗むのが難しい」と思わせること。
そのためには、これまで述べてきたことに加え、如何にしっかりとした防犯対策をしているかが重要です。
その防犯対策の最たるものが「バイクのロック」でしょう。
ハンドルロックだけというのはプロにしてみれば盗んでくださいと言っているようなものです。(1分もあればハンドルロックは壊されてしまいます)
また、良くあるワイヤーロックやU字ロックは簡単に切断できてしまいます。
強固なロックをしていても、数人で持ち上げられたら終わりです。
理想は複数のロックを併用する事と、できるだけ強固なロックをする事です。
おすすめのバイクロック
では、盗難に効果的なおすすめのロックを紹介します。
また、初めにお伝えしておきますが、「防犯度が高い=金額が高価」という事は否めません。
もちろん予算の都合もあるとは思いますが、あまりケチって盗まれてしまっては元も子もありませんので、ある程度の予算は必要になってくるでしょう。
チェーンタイプ
バイクに直接取り付ける定番のロックです。チェーンタイプを選ぶときは「太さ」と「長さ」が重要です。
太さは「16㎜以下」は切断されて盗難された実績があるようです。
基本的には、太くなるほど切断に時間が掛かりますので、防犯度も高くなります。
また、長さは短い方が安くなりますが、短いものを買って、固定するのに長さが足りなかったという事の無い様に、事前にどれくらいの長さが必要か確認しておきましょう。
★キタコ ウルトラロボットアームロック TDZシリーズ
最強クラスのロックと言われているのがキタコのTDZシリーズです。
太さに応じて価格も変わってきますが、一番太いタイプだと10万円を超えてきます。
強度は言うまでもありません。とにかく強固なものが欲しい方にお勧めです。
★衣川製鎖工業 かてーな!標準タイプ
衣川製鎖工業は姫路の会社ですが、盗難防止チェーンで特許を取っていたり、防犯度としては定評のある会社のチェーンロックです。
スポークタイヤ用など、様々なラインナップを揃えているのも特徴です。
★デイトナ ストロンガーチェーンロック
おなじみのデイトナのチェーンロックです。
比較的安価なチェーンロックです。
ディスクロックタイプ
ディスクロックはディスクブレーキのローターに装着するタイプのロックです。
注意点としては、ディスクブレーキのバイクでないと装着ができないことと、ローターにディスクロックのピン穴が開いていることが必要です。
また、ピン穴の大きさ(径)・ディスクローターの厚さ、ローターの端から穴までの距離を確認したうえで、装着が可能かも確認しておきましょう。
これらの確認を怠たると、せっかく購入しても装着できないというケースも出てきます。
各メーカーサイトや商品ページに適合表が載っている事もありますので、事前にチェックしましょう。
★XENA(ゼナ) ディスクアラーム XXシリーズ XX6
バイクロックでは有名なXENAのアラーム付きロックです。
120dbとかなりの大音量のアラームで防犯度も高いディスクロックです。
★ABUS(アブス) バイク用ディスクロック
ヨーロッパでのセキュリティロックで有名なABUS社のアラーム付きロックです。
3D傾斜センサーや 100dBのアラームと性能的にも申し分ありません
★KOMINE バイク セキュリティロック アラームパッドロック
ウェアなどで有名なコミネ社のアラーム付きロックです。
安価な分、前述の物に比べると防犯度や性能で劣りますが、非常に買い求めやすい価格のロックです。
強度の高いチェーンロックのサブロックとして使うのもおススメです。
U字ロックやワイヤーロックなど
防犯グッズとしては、U字ロックやワイヤーロックもあります。安価な事や、入手しやすい事もあり、一番メジャーな防犯ロックかもしれません。
しかしながら、盗難防止の観点ではあまりお勧めはできません。
もちろん、無いよりはあったほうが良いですが、ワイヤーロックやU字ロックはその気になれば簡単に切断が可能です。
安価なものや、ワイヤーの径が細いものは、本当に一瞬です。
U字タイプが良い場合には、XENA社よりアラーム付きのものが出ていたりするので、このようなタイプを選ぶ方が良いでしょう。
万が一の事を考えて盗難保険に入るのもあり
バイクを盗まれないためには、できる限りの対策を行う事は必要ですが、それでも万が一盗まれた場合に約に立つのが盗難保険です。
なかでも、ZuttoRide株式会社(旧JBR Motorcycle株式会社)のZuttoRideClub盗難保険が有名です。
一般的には、バイクの盗難保険を扱っている会社は少なく、ディーラーで新車を購入したときに、メーカー主導の盗難保険に加入するくらいしか方法はありませんでした。
昨今は、多少取り扱う会社も増えてきましたが、バイクの任意保険とセットになっていたりするケースが多い状況です。
しかしながら、ZuttoRideClubの場合には、新車でも中古でも、またどこで買ったバイクでも盗難保険単体で加入できることが特徴です。
補償範囲を自分で選べたり、鍵穴のいたずら、パーツ盗難の補償も選択できるようになっています。
盗難対策のうえで、やはり気になる場合には、一度見積もりをしてみても良いのではないでしょうか。(見積もりは無料です)
盗難保険のZuttoRideclubまとめ:後悔する前に防止策を
原付であろうと、高額なビックバイクであろうと、バイクを盗むような事をする人間は許しがたいところですが、いまだに多くのバイク盗難がある事は事実です。
想像もしたくはないですが、いつ何時、自分のバイクも被害に遭うかも知れません。
その時に後悔しないように、できる限りの対策はしておきたいものです。
色々と記載してきましたが、
これらの事は最低限の対策として行っておきましょう。
※2019年8月更新