車検の満了日を過ぎてしまうと、バイクは公道を走行することができません。
そのため、いざ車検を受けようと思っても、車検場やバイク屋まで動かすことも難しいですよね。
そんな時に約に立つのが「仮ナンバー」です。
仮ナンバーは、一定の条件下であれば、車検切れのバイクでも公道を走行することができる許可標です。
ここでは、
にポイントを絞って詳しく解説しています。
仮ナンバーがあれば車検切れでも公道走行が可能
道路運送車両法では、車検が切れたバイクで公道を走る事を禁じています。
無車検での走行は、「違反点数6点、6カ月以下の懲役または30万以下の罰金」と非常に重い罰則があります。
ただ、車検が切れているバイクでも「臨時運行」というものを許可しています。
(臨時運行の許可)
引用:道路運送車両法
第三十四条 臨時運行の許可を受けた自動車を、当該自動車に係る臨時運行許可証に記載された目的及び経路に従つて運行の用に供するときは、第四条、第十九条、第五十八条第一項及び第六十六条第一項の規定は、当該自動車について適用しない。
引用の中の58条が、「車検が無いと運行してはダメですよ」という条文なのですが、「臨時運行許可があればOKですよ」と言っている訳ですね。
この、「臨時運行の許可」のことを、いわゆる「仮ナンバー」と呼んでいます。
街中で、斜めに赤いラインが引かれたナンバープレートを見たことが無いでしょうか?
これが仮ナンバー(臨時運行許可番号標)なのです。
仮ナンバーを付ければ、車検が切れて動かせない車(バイク)を一時的に運行できるようになるという事ですね。
臨時運航許可と回送運行許可
ちょっと専門的な話になりますが、仮ナンバーに似ているものに、「回送運行許可(ディーラーナンバー)」と言うものがあります。
仮ナンバーが、車検切れや廃車済みのバイクの車検を取るために運航する許可であるのに対して、ディーラーナンバーは車(バイク)を店舗や工場間で配送したり、移動するときに使えるナンバーです。
基本的には、ディーラーや中古車店・整備工場などにしか許可が出ません。
なので、一般のユーザーが使えるのは「(臨時運行許可 (仮ナンバー)」だけという事ですね。
ちなみに、ディーラーナンバーは赤い枠のナンバーです。
250㏄以下の仮ナンバーは取れない
一般的に仮ナンバーは、車検切れや廃車済のバイクの検査を受けるために使うものです。
そのため、250㏄以下の場合には車検が無いので仮ナンバーがありません。
「ナンバーが無いなら登録して正式なナンバーを貰ってね」
という事です。
もちろん、250㏄以下のバイクでもナンバーが無ければ公道走行ができません。
ただ、書類だけあればナンバーの交付ができるのです。
関連記事>250㏄以下のバイクの登録方法
では、具体的な仮ナンバーの取得方法を説明していきましょう。
バイクの仮ナンバーの取得方法
仮ナンバーは市区町村役場で
仮ナンバーの取得は市区町村の役所か、運輸支局(陸運局)で手続きができます。
一般的には、近くにあって手軽なので役所で手続きをする人が多いでしょう。
役所の場合には、だいたい市民課(区民課)や庶務課と言った窓口が担当しています。
必要な書類を用意して手続きに行きましょう。
仮ナンバーを取る時の必要書類と費用
仮ナンバーを取得するにあたって必要なものは次の通りです。
車検証は、車検が切れていても原本が必要です。
また、自賠責保険証明書は有効期限が残っているものが必要です。
「車検切れ=自賠責保険切れ」となっている事がほとんどなので、先に加入しておく必要があります。(もし、残っていればそのまま使えます)
コンビニでは、251cc以上の自賠責保険には入れないので保険代理店やバイクショップで加入しておきましょう。
あとは免許証などの身分証、認印、それから手数料です。
仮ナンバーの申請には使用目的と運行地が必要
必要な書類を揃えたら、役所の窓口にて申請書をもらい手続きをします。
手続き自体は簡単なのですが、申請書には住所氏名、バイクの情報のほかに
を記載する必要があります。
使用目的は「車検」、経路は「世田谷区~品川区」と言うような感じですね。
手続きが終わると、
が貰えます。
原則、運行中は仮ナンバーをバイクに付ける事と、「自動車臨時運行許可証」を携帯しておく必要があります。
自賠責保険は25ヶ月がおすすめ
自賠責保険は、最短で1ヶ月からの加入ができます。
そのため、仮ナンバー取得の時にとりあえず1ヶ月加入するという選択肢もあります。
ただ、そのあとに車検を取得することを考えると、25ヶ月で加入する事をおすすめします。
仮ナンバーが取れたあと、車検を受ける時には、車検期限と同じかそれ以上の自賠責保険の有効期間が必要だからです。
とりあえず1ヶ月加入しても、車検時にまた24ヶ月加入しなくてはならないという事ですね。
2019年時点での保険料で比べると、一目瞭然です。
もし、仮ナンバーを取得する場合には、初めから25ヶ月で加入しちゃいましょう。
仮ナンバーの期間と返却について
仮ナンバーは、もらえる訳ではなく「借りる」と言う形になります。
そのため、目的を果たしたらきちんと返却をしなくてはなりません。
借りられる期間は「最大5日間」です。
なので、車検を受ける予定日から逆算して、仮ナンバーを借りる計画を立てなくてはなりません。
無事に車検を取ったら速やかに返却しましょう。
ちなみに、紛失した場合には弁償金が発生します。(自治体によって変わりますが2,000円前後)
バイクに仮ナンバーを取り付ける方法
仮ナンバーのプレートにはボルト用の穴が空いていますので、普通のナンバープレートの代わりに付けるだけで大丈夫です。
ただ、自治体によっては
という事もあります。
こんな時には車用の仮ナンバーが出てくるケースがあります。
バイクと車のナンバーを比べた事がある方は少ないと思いますが・・・車の方がでかいんですよね。
そのため、車用の仮ナンバーをバイクに付けようとするとサイズが合いません。
車用しかない場合には、タイラップなどを駆使して落ちないように付けてください。ボルト穴は、片側だけでもボルトで固定する方が動かないので、おすすめです。
ちなみに、前述したとおり、走行中に落として紛失すると弁償になるので気を付けましょう。
仮ナンバーでツーリングに行っても良いの?
こんな時に、仮ナンバーを借りてツーリングに行っても良いのでしょうか。
答えとしては「ツーリング目的で仮ナンバーは借りられない」です。
仮ナンバーは、
このような理由に限られます。
前述の通り、使用目的や運行経路を申請もあります。そのため、残念ですがツーリング目的では仮ナンバーを借りる事は出来ないという事です。
仮ナンバーを使わずに車検切れのバイクを運ぶ方法
こんな時にはどうしたら良いのでしょうか?
一番よいのは、「何とか都合をつけて役所に行きましょう。」なのですが、そう言ってしまうと元も子もありません。
なので、いくつか方法を提案しますね。
ひとつは、軽トラックやトランポを用意して運ぶ方法です。
この場合には車が無ければ借りる必要があります。また、2りんかんでは車検を依頼するなら軽トラの貸し出しが無料というサービスもあります。 (非対応店舗もあり)
ただ、積載には技術が必要です。運搬中にバイクが倒れたり、最悪の場合には大きな事故になる事もありますので、経験が無い場合には避けた方が良いでしょう。
もうひとつは、バイクの引取りまでやってくれるバイク屋さんを探す事です。
もちろん、そのまま車検も頼む事になりますが、手間を省くには一番です。
全てのショップが対応している訳ではありませんが、意外と対応してくれるショップはありますよ。(もちろん、引取り料金が別途掛かります)
NAPSや2りんかんでも一部の店舗は有料で引取りも対応しているようです。
あとは、あまり乗らないなら、思い切って売ってしまうという選択肢。
買取店なら、車検切れでもバイクを買取ってくれます。
≫関連記事:車検切れのバイクを売る方法と知っておいた方が良い事
まとめ:仮ナンバーは使わなくて済むのが一番
意外と簡単に借りられるのが、仮ナンバーです。
ただ、車検が切れるまえに、継続車検を通すのが一番良いのは言うまでもないでしょう。
車検は、満了日の1ヶ月前から受けることができます。 仮ナンバーのお世話にならないように、早め早めに車検を受けることおすすめします。
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